「スタア誕生でジュディ・ガーランドが銀幕から消えた。 この映画でフレ...」バンド・ワゴン マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
スタア誕生でジュディ・ガーランドが銀幕から消えた。 この映画でフレ...
スタア誕生でジュディ・ガーランドが銀幕から消えた。
この映画でフレッド・アステアがやはり銀幕から消える。
そう言えば、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、チャールズ・チャップリン、ジーン・ケリーって60年代に入ると威勢がなくなる。アカデミー賞の主演なんとかを受賞した俳優も60年代になってからはいない。ビング・クロスビーが取ったのは昔。チャールズ・チャップリンがライムライトで作品賞をとるが、特別賞みたいなもの。
さて、この映画は初頭にワグナーやメトロポリタンのオペラをディスる場面がある。メトロポリタンとブロードウェイが混在する街ニューヨークの魅力を語っている。フレッド・アステアが『古典?!』と嘆くシーンがある。がしかし、フレッド・アステアは基本のしっかりしたダンサーでもあるので、当然『台詞』と判断できる。さてさて、最後のエンターテイメントはまさにジョージ・ガーシュインのラプソディ・イン・ブルーを彷彿させる。JAZZ風と言っているが、まさにモダンバレー。キャストもフルに使って、長回しのダンスはキチンと決まる。
がしかし、この後のアメリカ映画は衰退の一途を辿る。多分、テレビが影響すると思う。例えば、スティーブ・マックイーンもクリント・イーストウッドもテレビ出身であることは忘れてはならない。そして、フレッド・アステアのタワーリング・インフェルノでの扱われ方を見て、映画の内容も含めて、ハリウッドの衰退を多いに感じた。そして、60年代に入ってから、アメリカンニューシネマと称して、新しい幕開けの様に語られるが、実にマユツバな例えである。さて、それはなぜだろう。
そして、現在。とうとう、ボディラインまで、コンピュータで加工する時代になった。俳優はいらない。日本アニメの全盛と思いきや、金をかければ、そりゃハリウッドのほうが面白い映画が作れるし、歌やダンスだけだったらインド映画のほうが、はるか上空を行く。