犯罪河岸

劇場公開日:

解説

「犯人は二十一番に住む」未輸入の「からす」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが監督した一九四七年作品で、「六人の最後の者」「犯人は」と同じくS・A・ステーマン作の小説に基き、クルーゾーがジャン・フェリーと協力脚色し、「犯人は」のアルマン・ティラールが撮影したもの。主なる出演者「旅路の果て」「どん底」のルイ・ジューヴェ、「レ・ミゼラブル」のシャルル・デュラン、「犯人は」「六人の最後の者」のシュジ・ドレール、「幻想交響楽」「カルメン(1946)」のベルナール・ブリエにややおくれて出た新人シモーヌ・ルナンで、「求婚」のピエール・ラルケ、「偽れる装い」のジャンヌ・フュジェ・ジル、新顔のクローディーヌ・デュピュイ等が助演している。なおセットは「偽れる装い」のマックス・ドゥーイが設計し、音楽は「黒騎士」のフランシス・ロペスが作曲している。クルーゾーはこの映画によりヴェニスで監督賞を得た。

1947年製作/フランス
原題:Quai des Orfevres
劇場公開日:1949年7月5日

ストーリー

二流所の流行歌手ジェニイ・ラムールはパリの下町育ち、男の浮気心をそそる色っぽさが自慢だ。伴奏のピアノをひく夫のモーリスは、人一倍の嫉妬深い男なので、ジェニイが色目を使ったとか使わぬとか夫婦げんかは毎日である。二人の住むアパートの下の部屋には女写真師ドラのスタジオがある。ドラはモーリスの幼な友達で、彼に少々関心を持っているが、男の方はジェニイにまるで夢中である。ドラの写場で女連れのセムシの金持ブリニヨンは色っぽいジェニイに野心を起して、ジェニイを後援してやろうと申出る。嫉妬深いモーリスには内緒で会見する手はずと知った彼は、カンカンに怒ってブリニヨンの事務室に先まわりし、後援なぞは真平だと物すごいたんかをきる。折しも訪ねて来たジェニイを連帰ると、熱いキッスで仲は直る。窓ごしに見上げるドラは苦笑い。ところがモーリスが用たしして帰宅すると妻は不在でまっ暗がり。不審がル彼の目はブリニヨンの私邸の番地を書附けた紙切れを見つける。逆上した彼はピストルをポケットにジェニイが出演中の劇場へ行きアリバイを作っておいて、ブリニヨン邸へ自動車をとばす。開け放しの戸を押して入ると、ブリニヨンは死んでノビている。驚いてとび出すと、何者かがモーリスの車を乗逃げしてしまう。タクシーを捕える事が出来ず、彼は地下鉄までかけ出す。これよりさき、ジェニイはセムシを訪ねると、後援は口実で手ごめにしようとかかるので、手にふれたシャンパンのビンで相手の頭をなぐり、こん倒したのを見て彼女はあわてて逃出したのである。汗だくだくで劇場へもどるとハネたあとで、何処にいたのかときかれる仕末で、モーリスはアリバイが成立すればいいがと気がもめる。モーリスは心配でたまらず一切をドラに話して少し安心する。モーリスから告白を聞いたあと、今度はジェニイから電話がかかり、セムシ野郎を酒ビンでなぐり殺したという泣きながらの打明け話。ドラは大胆に現場へ行き、指紋のついてそうな物をふいてしまう。ブリニヨン殺しは警視庁の名探ていアントワンの受持ちとなる。モーリスが暴れ込んでたんかを切った事から、彼は容疑者第一号となり、探ていはコツコツとアリバイ調査にかかる。当夜ドラが乗ったタクシーの運転手も引張られ、首実験をさせられて、ドラが現場に行った事もバレる。烈しい尋問で包みきれず、ブリニヨン邸へ行ったことを白状したモーリスはブタ箱に入れられる。ジェニイが下手人だと思込んだ彼は、罪を被って愛妻を救う気で、腕時計のガラスを割って手首の動脈を傷つける。モーリスが自殺を企てたと聞いたジェニイは、済まないやらうれしいやらで夫に抱きついて泣き伏してしまう。致命傷がピストルの弾丸であることから、モーリス夫婦の無罪を知るアントワンは、他の容疑者が発射したピストルを持っており、ブリニヨンを殺した弾丸と同口径である事から、その男に犯人であることを自白させる。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

3.0セクシーで自由奔放な妻と嫉妬深い旦那。 殺人を犯しながら平然とアリ...

2022年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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省二
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