遥か群衆を離れて(1967)のレビュー・感想・評価
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この作品、何度も映画化されているよう。主人公が魅力ある女優さんかど...
この作品、何度も映画化されているよう。主人公が魅力ある女優さんかどうかがまずは重要。本作はその点は合格です。
3人の男を翻弄する主人公、その気がないのが余計に悪女なのかも。トロイ軍曹の行動が全くの謎、人格破綻者では。結末は予定調和。しかし、全く祝福する気にはならないから不思議。長い割には結婚のくだりとか、エンディングがなんともあっさり。1番インパクトあるのは最初の方の羊落下。本当にやってそうでこわい。
仰々しい題名だが、要は『鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥』 って話。
中世の農奴とは言えないが、イギリスの農民は、日本の農地開放後の農民の様に自分の土地が持てている訳では無い。従って、領主が女性に変わっても、農奴的な労働の搾取は継続している。イギリスは、現在も似た様な制度が残っている。だから、決して民主的な自由の国とは言えないかもしれない。
そもそも、イギリスに於ける土地の所有と日本に於ける土地の所有は違う。
そして、日本の士農工商の様な身分制度も色濃く残っている。
原作を読んでいないので、映画だけのレビューになるが、要は『風と共に去りぬ』の英国版。個人の人生のサーガであり、個人と歴史との関わりは一切表現されていない。『風と共に去りぬ』は少なくとも『南北戦争』を生き抜く女性の話だったと記憶する。その観点でこの映画を見れば、ただのメロドラマ。さて、原作はどうなんだろう。映画はインターミッション入れる様な映画ではない。最初と最後見れば、全体が理解出来る。
世間知らずなお嬢様の愚かな恋愛
ジュリークリスティ扮する農場主となったバスシバエバディーンは、アランベイツ扮するかつて求婚に来たガブリエルを雇った。隣の農場主にカードを送った事からプロポーズされたが、バスシバは袖にしたのでガブリエルは感心しないと口論になり出て行った。折しも羊が病気になって倒れ、プライドだけは高いお嬢様でもさすがにガブリエルに頼らざるを得なかった。
このお嬢様は良からぬ噂を知りながら男性の見る目がないのか、若さゆえかテレンススタンプ扮する金の無いプレイボーイのトロイ軍曹に惚れて結婚してしまった。当然の事ながら上手くいく訳がないよね。長い時間かけて観てきたけど、世間知らずなお嬢様の愚かな恋愛関係に過ぎない内容だったな。まあ目が開かれて良かったけどね。
イングランドの農園に生きる美しい女性を取り巻く人間模様
「ドクトル・ジバゴ」のラーラを演じた美しく魅力的な
ジュリー・クリスティ主演の作品。
彼女の淡いブルーの瞳で見つめられると、心を奪われてしまいますよね。
原作は読んでいませんが、農園での出来事、祝宴の場面、主人公と恋に落ちた男性や使用人とのやり取りなど、細部まで丁寧に描写されており、ラスト迄展開が読めず見応えが有りました。
美しい景色の中を馬に乗って疾り抜ける映像が美しい。
軍人トロイの魅力が何処に有ったのか、ラスト迄分からず。。
NHK - BSを録画にて鑑賞
主人公バスシバの伝わらない魅力
原作の問題もあると思うが、バスシバの魅力がどうもわからないのが一番の難点。
羊飼のガブリエルや隣の農場のボールドウッドがバスシバに惹かれる理由がわからない。
ボールドウッドは彼女のためにトロイを撃って、かわいそうでしかない。
トロイとバスシバのシーンなど、なんとも言えない変わった演出がいくつか。
羊が崖に落ちるシーンや、バタバタ倒れてガブリエルに治療されるシーンも印象的だった。
農場の風景と、たくさん出てくる羊が美しかった。
羊飼いのガブリエルが主人公であってほしかった
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 80
音楽: 65
トーマス・ハーディの原作ということだけあってそれなりにしっかりした作品だとは思うのだが、主人公のバスシーバにあまり肩入れ出来ない。この時代に女だてら農場を切り盛りできるのは有能の証拠ではあるし、若くて自分を幸せにする結婚についての価値観をはっきりと持てないのは仕方がないのだが、興味半分で中年男の心を弄び、女扱いの上手いだけの男に短期間でのぼせ上る姿を見てどうして彼女を好きになれるだろう。
だから有能で誠実で忍耐強いが幸運にだけは見放されて自立できず貧乏暮しをしている羊飼いのガブリエルは、私にとって最初からこの物語の主人公であり続けた。彼が主人公と思っていたら、バスシーバが主人公で話が進んで行ってしまってがっかり。彼を中心に描いてくれたほうが楽しめただろう。しかし羊を片っ端から崖に叩き落として遊んでいたあの馬鹿犬、映画には珍しく犬が撃ち殺されることになってしまっていたけれど、主人公の立場からすればあれはやむを得ない。
イングランドの田園風景の透明感のある美しさを描いた映像と、断崖の続く海辺の風景は見応えがあった。
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