パリは燃えているか

劇場公開日:

解説

ラリー・コリンズとドミニク・ラピエールの原作を、ゴア・ヴィダルとフランシス・フォード・コッポラが共同脚色、フランス語追加台詞をマルセル・ムーシー、ドイツ語追加台詞をグレーテ・フォン・モローが担当、ルネ・クレマンが監督したパリ解放の2週間を描いた大戦裏話。撮影は「悪徳の栄え」のマルセル・グリニョン、音楽は「ドクトル・ジバゴ」のモーリス・ジャールが担当した。なおサウンドはウィリアム・R・サイベル、第2班監督はアンドレ・スマッジ、第2班撮影監督はジャン・ツールニェ、装置・美術はウィリー・ホルト、セットはロジャー・ボルパー、衣裳はジャン・ゼイ、編集はロバート・ローレンス、特殊効果はロバート・マクドナルドがそれぞれ担当した。出演はジャン・ポール・ベルモンド、アラン・ドロン、ブリュノ・クレメール、ゲルト・フレーベ、レスリー・キャロン、オーソン・ウェルズ、ピエール・ヴァネック、カーク・ダグラス、クロード・リッシュ、ロバート・スタック、グレン・フォードほか多数。製作はポール・グレーツ。

1966年製作/173分/フランス・アメリカ合作
原題または英題:Is Paris Burning? Paris brule-t-il?
配給:パラマウント
劇場公開日:1966年12月21日

ストーリー

1944年8月、第2次世界大戦の連合軍の反撃作戦が始まっていた頃、フランスの装甲師団とアメリカの第4師団がパリ進撃を開始する命令を待っていた。独軍下のパリでは地下組織に潜ってレジスタンスを指導するドゴール将軍の幕僚デルマ(アラン・ドロン)と自由フランス軍=FFIの首領ロル大佐(ブルーノ・クリーマー)が会見、パリ防衛について意見をたたかわしていた。左翼のFFIは武器弾薬が手に入りしだい決起すると主張、ドゴール派は連合軍到着まで待つという意見であった。パリをワルシャワのように廃墟にしたくなかったからだ。一方独軍のパリ占領軍司令官コルティッツ将軍(ゲルト・フレーベ)は連合軍の進攻と同時に、パリを破壊せよという総統命令を受けていた。将軍は工作隊に命じて、工場、記念碑、橋梁、地下水道など、ありとあらゆる建造物に対して地雷を敷設させていた。このような時に、イギリス軍諜報部から“連合軍はパリを迂回して進攻する”というメッセージがレジスタンス派に届いた。ロル大佐は自力でパリを奪回しようと決意した。これを知ったデルマは、これをやめさせる人間は政治犯として、独軍に捕らえられているラベしかないと考え、ラベの妻フランソワーズ(レスリー・キャロン)とスウェーデン領事ノルドリンク(オーソン・ウェルズ)を動かして、ラベ救出を図ったが失敗した。結局、ドゴール派と左翼派の会議の結果決起と決まった。そして決まったとなるや逸速くドゴール派が市の要所を占領してしまった。市街戦が始まった。パリ占領司令部は、独軍総司令部からパリを廃墟にせよという命令をうけておりその上、市街戦が長びけば爆撃機が出動すると告げられていた。コルティッツ将軍は、すでにドイツ敗戦を予想していて、パリを破壊することは全く無用なことと思っていた。そこでノルドリンク領事を呼び、一時休戦をして、パリを爆撃機から守り、その間に連合軍を呼べと、遠回しに謎をかけた。ノルドリンクから事情を知ったデルマは、ガロア少佐(ピエール・ヴァネック)を連合軍司令部に送った。ガロアはパリを脱出、ノルマンディの米軍司令部に到着した。パットン将軍(カーク・ダグラス)はパリ解放は米軍の任務ではないと告げ、ガロアを最前線のルクレク将軍(クロード・リッシュ)に送った。ルクレク将軍は事態の急を知ってシーバート将軍(ロバート・スタック)を動かし、ブラドリー将軍(グレン・フォード)を説いた。ブラドリーは全軍にパリ進攻を命令した。8月25日、ヒットラーの専用電話はパリにかかっていて“パリは燃えているか”と叫び続けていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第39回 アカデミー賞(1967年)

ノミネート

撮影賞(白黒) マルセル・グリニョン
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

4.0パリを見て死ね

2024年9月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

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しゅうへい

4.5今も世界のどこかで燃えているパリ

2024年3月16日
iPhoneアプリから投稿

80年前のナチスからのパリ解放を描いた戦争ドラマの名作で、ビデオやDVDで観たことはあるけど、短縮版とは言えやっとスクリーンで観られて嬉しいです。パリの破壊と解放を巡り、ナチスのパリ占領司令官、デンマーク領事、レジスタンス、連合軍将校が入り乱れる群像劇を英米仏のスターをカメオ的に使い、記録映像を交えドキュメント風のモノクロで撮影しているのが素晴らしいです。しかし、ルネ・クレマン監督は、随所にフランス人らしいウィット溢れるシーンを散りばめながらも、パリ解放で浮かれたムードに水をかけるシーンも入れてきます。パリ解放寸前で歓喜に沸き立つ兵士や群衆が、一転してドイツ軍の反撃でバタバタと死んでいくシーンは強烈です。レジスタンスや連合軍をヒロイックに描かず、改めてこれは人が死ぬ戦争であること、そして平和を勝ちとるために血が流される現実に一気に引き戻されます。これは、この作品が製作されたのがパリ解放からまだ20年くらいで記憶がまだ生々しかったからかもしれません。それでも、電話から聞こえてくる、パリは燃えているかと言う独裁者の絶叫と、無傷の現在のパリの風景を空撮で描くエンディングは、モーリス・ジャールのうっとりするようなテーマ曲と共に平和であることの尊さを実感します。今も世界のどこかで繰り返されているパリが、1日も早く解放されることを祈ります。役者は、群像劇の中でも、ジャン=ポール・ベルモンドが、どこか飄々とした感じで目立ってました。レジスタンスの若僧なのに、いきなり大臣閣下と呼ばれて慌てるところが微笑ましいです。また、レジスタンスの指導者役のブルーノ・クレメールのアクの強さ、パットン役のカーク・ダグラスのオーラも印象に残ります。

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シネマディクト

4.0小説の方がいいと思います。

2022年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ナチスドイツ末期、敗戦濃厚の中ヒトラーはパリ現地将軍コルティッツに パリの破壊を命じる。しかし、破壊されることなくパリは連合国軍により 解放される。 小説では、一般パリ市民が、解放後、ドイツ兵やそれと親しかったものたちを 暴行、虐殺したのがもっとも印象に残った。心臓を抉られたドイツ兵もいた。 映画では、解放、歓喜だけなので、小説をお勧めします。 それにしても、アメリカとフランスの有名俳優が多数出てきたのが驚きだった。 余談ですが、この映画と同名の音楽があり、NHK映像の世紀で長く使われてますが、 いい曲ですよね。

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藤崎敬太

3.0この映画もパリ賛歌作品の一つだった!

2022年10月17日
スマートフォンから投稿

「地獄の黙示録」を鑑賞後に、 やはりTV放映のあったこの作品が コッポラの共同脚色作品と知り、 引き続き鑑賞した。 キネマ旬報ベストテンでは、選定対象に 「大地のうた」「市民ケーン」「男と女」等の 名作揃いの年に堂々の6位に ランクインされている。 この作品は米国パラマウントの製作。 鑑賞し始めて早々、 全編イングリッシュの中で、 ヒトラーの語りだけを ドイツ語にしたのは理解不能だったが、 どうもフランス語版もあるようなので、 場所柄や演じる俳優の比重からは、 本来はそちらの版で観べき作品のようにも 思えたものの、 もっともそちらはそちらで ドイツ兵もアメリカ兵もフランス語で話す バージョンなのだろうか。 それにしても、 パリ解放から20年以上も経っていながら、 多分当時と余り変わらない市内全域を 使えるというパリの街の特性は驚きだった。 そして、キャスト以外は人気の無いパリの 映像はいったいどのようにして 実現したのだろうか。 撮影のためにパリ全域を借り切ったような、 そこにある意味、 戦闘シーンを上廻る大作イメージが 溢れているように思われた。 ところで、この作品もパリ賛歌の映画 なのかと思わせられる。 これまでも、 古くは「巴里の空の下セーヌは流れる」や 近年では、ウディ・アレンの 「ミッド・ナイト・イン・パリ」等、 たくさんのパリ賛歌の映画作品があったが、 この作品でも、映し撮られるパリの街並みや 有名な建物は元より、 さりげない観光案内的描写もあり、 更にはアメリカ兵やドイツ人将校の語り 等々から、 そんな雰囲気がプンプンと匂ってくる、 正にパリ賛歌の作品に感じた。 ただ、解放の高揚感を観客に感じさせる という意味では、 ルネ・クレマン監督が ドキュメンタリーフィルムを用いたのに 対し、 同じく支配勢力からの解放を描いた 「アルジェの戦い」では、 アルジェ市民総出演と思われる演出そのもの で高揚感を感じさせた差が 翌年のキネマ旬報ベストワンに選ばれた理由 の一つでもあったろうと想像もした。

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