「バベットに乾杯!」バベットの晩餐会 ミアさんの映画レビュー(感想・評価)
バベットに乾杯!
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20年ほど前に見た時、私は若かりし頃の姉妹に近い年代だった。
さわやかで、美味しそうで、バベットがカッコイイ映画というのが
最初に見た時の印象だった。
今回「午前10時の映画祭」で見て、大人の為の寓話だった事に
初めて気がついた。
「料理は人を幸せにする」
「私に最高の仕事をさせて!」
「貧しい芸術家はいない」
「あの世へ持っていけるのは、人に与えた物だけ」等々
印象深い言葉の数々。
姉に一目ぼれした軍人は、立身出世を望み地位を手に入れたが
年老いて自分の人生に虚しさを感じている。
妹に求愛したオペラ歌手は、すでに名声を手中にしていたが、
才能の衰えに怯えていた。
清貧を絵に描いたような姉妹は、神父である父親の教えを守って、
慈愛に満ちた生活をおくり、年老いていく。
バベットも潔く、姉妹を助けこの土地で生きる事を選ぶ。
自分の居場所があり
誇れる仕事があり
その仕事で人を幸せにできる
それが心豊かで幸せな生き方である事を彼女達は知っている。
さて、バベットが思いのままに腕をふるう晩餐会である。
最初に見た時は、素晴らしい料理に目を奪われた。
今回は、料理と組み合わせた多彩なワインに舌を巻いた。
見終わって、こんなに幸せな気分に浸れる映画は、めったにない。
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