パッチ・アダムス トゥルー・ストーリーのレビュー・感想・評価
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患者第一
自らの体験から、患者とのコミュニケーションの大切さを第一とし、患者に寄り添う医師の道を目指したパッチ・アダムスの実話をもとにしたヒューマンドラマ。
映画の冒頭、主人公は自殺未遂で精神病院に入るが、ロビン・ウィリアムスさん自身がコメディアン出身だし晩年、認知症を患い心を病んで自殺したことと重なって複雑な心境で観始めました。
パッチ・アダムスの生き方は立派だし、上から目線の医師の多いこと、硬直性に物申すことは共感できるが笑いの演出は時に度を越している、特に卒業式で裸芸を披露するのはどうなんでしょう。
やはり、カレンの死が気になった、犯人は精神病とされているが、円満な会話場面しか出てこなかったから、なんで殺されたのかが分かり難い。
患者第一としたアダムスの理念が、カレンを危険な行為に走らせたのだろうと自責の念にかられるが、飛んできた蝶にカレンの慰めを感じ立ち直るシーンは微妙でした。
無条件にアダムスの生き方を称賛するのではなく、根っからのポジティーブ・シンキング一辺倒の危険性にも釘を刺したかったのでしょう。
全てが気に入ったわけではありませんが、ロビン・ウィリアムズさんがぴったりの名作でした。
人はどうなったか?ではなくどうするか?だ。即ち、結果ではなく生き様だ。
高校生か中学生頃に英語のテキストの題材として扱われており、気になっていた。気になってはいたが、その頃自分は趣味として主体的に何か映画を借りて見てみるという習慣がなかったため、気になっただけで終わった。それを年月を経て親元を離れ映画を見る趣味を持った今、あの頃気になっていた作品ではあるなと思いながら借りた経緯がある。
結論として面白かった。自分が映画のDVDを借りて鑑賞する時、7割くらいは途中で気が散って他の事をやったり翌日にまた途中から見たりするのだが、115分あるこの作品については、1.5倍速で見ることもなく通してみることができた。テーマ性も良い。パッケージにあるあらすじやカットシーンを見ればその内容は分かるテーマではあるが、医者の本来あるべき姿を問い、患者と同じ視線にたって人を笑わせ助けたいというパッチアダムスの情熱にはすさまじさも感じるものだった。
カリンの結末については衝撃的すぎてえ?となった。視聴後、脚色はあるかもしれないが実話に基づくものであるらしいのでどうしようもない表現ではあった。その事により、カリンにとって彼女の悩みと、それを乗り越える事の意味、実際世界が彼女に起こす出来事の冷徹に見えざるをえない結末について考えざるを得なかった。そして、彼女の出来事を経て挫けそうになりながらも乗り越えていくアダムスを見て、人はみな夢を追いかけ、諦め、励まし合い何かを紡ぎ出すものだが、人にとって重要なのはどうやら事実ではなく意思や夢である事だと教えられた。トラブルや事件、戦争は自然や運命による感情の無く自動的に起こっていく判決のようなもので、それを理由に自分の夢を諦めることはナンセンスなのだ。例えるならば、人は寿命で死ぬが、その事を悲しみ憂い、人=自分の人生に意味はないと思うことがナンセンスなのと同じだ。トラブルや事件、戦争と一括りにして『悲劇的な出来事』を示したが、それは人と人が関わる上でよく起こるネガティブな事象全般にも言える。いじめ・窃盗・殺人・搾取等、全て愚かだから起こりうる話で、それが理由で自分の世界に対して示したかった表現手段、自分の生きる道を閉ざす理由にはならない。残酷に聞こえるかもしれないが、そう思う理由は人が自分に関わるネガティブな事象に自分をあきらめる体の良い言い訳にしているからだ。
見ていてネガティブな意味で疑問に思うようなところもあった。それはパッチアダムスがほとんど勉強してないのに成績で一位を取ることができた事を説明するような描写が一枚もなく、映画を通してみても彼は医学生として勉強を何もしていないように見えてしまうことだ。ワンシーンでも、どんだけ天才だったかを説明する形でのアダムスが勉強するシーンを挿入するべきだったのではと思う(例えばの話、教科書をパラパラとめくるだけで内容を理解していることが分かる描写だとか)。
気になったシーンが一つ。ある出来事の後、アダムスのカバンに蝶が止まっており、カバンから飛び立った蝶がアダムスの指にとまる描写があり、あきらかに蝶は人の魂を表現していると感じたのだが、そういう感覚は日本ではあるとおもうのだが、キリスト文化圏でもあるのだろうか?と気になった。
最後に言いたいのは、ボーナス映像も見た方が良いということだ(アマゾンプライムビデオ等のサブスクリプションでは見られないと思うが)。20分程度の短い映像だが、元となった医者のアダムス本人も少しだけコメントしており、テーマにかかわることで良い事を言っている。ボーナス映像を見て印象に残った内容が三点。1つ目は、医薬とは無関係なもの(笑い、芸術、コミュニケーション等)が治療に役立つということ。2つ目が、小児科で出演していた子どもたちはどうやら本当の患者らしいという事(勘違いなら申し訳ない)。3つ目が、アダムス本人の言葉、『他人の看病に疲れはてる状況を防ぐためのユーモアで、ジョークのためのジョークでは無い』という言葉。
素晴らしい。けどあれは無い!だから1点。起こってます。
とても素晴らしい。泣いた。
けれど1点だけ。だって許せない。
カリンをあんなカタチで失う。(それは実話なんだろうか)
ひどすぎる!悲しすぎる!
彼女は十分苦しんだ。やっと幸せになれる。
やっと信頼出来る人が出来た。
それなのに、あんな結末はひどい。
蝶がなんだ。そんなんで立ち直れるか!
生きたまま幸せになってほしかった。
どんなに沢山救っても、一番愛する人を救えなきゃ意味が無いじゃ無いか。
ひどすぎる、悲しすぎる。
これがもし脚本上で観客に感情移入させるための創作ならサイテーです。
こんな設定でひどすぎる。
カリンには、せめて映画の中で幸せで生きていてほしかった。
人の死をこんな風にストーリーで使わないで欲しい。
感情移入させるためのキャラならこんなエッセンスいらない。カリンが可哀想!
(つまりカリンへの感情移入がうまくできるほど、彼女の役どころがすばらしかった)
本当のエンターテインメントにしたいなら、こんなに傷つけないでほしい。
自分が患者ならパッチよりミッチを選ぶ。
実在するドクター、パッチ・アダムスの人生を基にした伝記映画。
主人公パッチ・アダムスを演じるのは『ジュマンジ』『グッド・ウィル・ハンティング』の、伝説的名優ロビン・ウィリアムズ。
パッチのルームメイト、ミッチを演じたのは『セント・オブ・ウーマン』『ビッグ・リボウスキ』の、後のオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン。
パッチ・アダムスとはクリニクラウン(臨床道化師)やホスピタルクラウンという、笑いで病気を治療するという概念を作った偉いお医者さんらしいです。
映画『ジョーカー』の中で、アーサーがやってたヤツですね。
実在の医師パッチ・アダムスをモデルにしてはいるが、物語は創作の部分も多い。
特に大きな変更点は年齢。映画でパッチが医科大学に入学するのは中年になってからだが、実際は20代前半で医学を学び始めた様である。
このように変更した最も大きな理由は、やはりロビン・ウィリアムズを起用したかったからだろう。
この役のロビン・ウィリアムズは正にハマり役!
もうパッチ・アダムス本人だとしか思えない程のリアリティがあります!
ロビン・ウィリアムズ以外でこの映画を作ることは考えられなかったのではないでしょうか?
映画の冒頭、精神病院に入院したパッチが院内の患者と交流するうちに医師を志すようになるというシークエンスには感動します。
時間もコンパクトに纏まっており、非常に完成度が高い。
映画開始早々泣かされました…😭
何歳からでも学ぶことは出来るというメッセージは非常にポジティブだし感動的。
パッチの馬鹿みたいに明るい性格も、観ていて爽快感があります。
そして、道化の姿になって病気の子供たちを笑わせる姿にはまたも泣かされました😭
映画の前半は本当に感動的だし面白い。個人的には満点です。
しかし、後半になるにつれて綻びが…
まず、だんだんパッチがウザくなってくる。流石にやり過ぎだろ。周りの警告聞けって。臨床出来るのは3年からって言ってんだろうが!!
ミッチも言及していたが、パッチが熱心に勉強している描写がない。
コレで成績トップとか言われても真実味がない。
無免許での診療所開設は流石にまずいだろ。
史実ではちゃんと卒業してから開業しているのに、この改編は頂けない。
だいたい、学生の本分は勉強では?
ただでさえ死ぬほど勉強しないといけないのに患者まで診ていたら落第すると思うのですが。
唐突な恋人の死。
あそこ絶対いらんやろ。というより、この物語に恋愛要素いらんやろ。
やるのなら、恋人を殺した犯人は自殺しようとするも死ぬことが出来ず、その犯人に対する憎しみと医師としての本分との間で悩み苦しむ展開が必要だったのではないだろうか。
クライマックスの審問会も全然興味をそそられなかった。だって全部パッチが悪いんだもん。
悪者っぽかった学部長もそんなに悪い人じゃないし。
やりたいことは色々あったがそれがうまく噛み合っていない映画という印象を受けた。
笑いによる治療、夢を叶えるのには年齢は関係ないというメッセージ、恋人の死というサスペンス要素、神に対する疑問、権威に対抗する反骨精神、etc。
こんなに詰め込まんでもよかったと思う。一つ一つの味が薄い…
個人的にはパッチよりも断然ミッチの方に感情移入できた。
天才肌のパッチに対抗心を燃やす男。
自分の信念を持ち、良い医者になることを目指しており、自分の考えと相容れないパッチを嫌悪する。
しかし、最後にはパッチの才能を認め、辞めようとする彼を引き留め、彼から教えを請うまでに成長する。
無茶苦茶ミッチいいヤツ!
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技と相まって最高のキャラクターになっていた。
もっと出番を増やしてパッチのライバルとして描いていれば、この映画の面白みも増したのではないか。
後半には乗れなかったが前半は良かった。ロビン・ウィリアムズとフィリップ・シーモア・ホフマンは素晴らしい役者だなぁ。
2人とも2014年に、非業の死を迎えたのが残念でならない…
まあまあだった
病人や弱っている人を助けたいというメッセージは素晴らしいのだけど、押しつけがましさがひどくて素直に飲み込みづらい。病室で深夜に大騒ぎするとか、寝ているところを起こして喜ばせるとか、睡眠障害の人に対する配慮がなさすぎる。元気な人が頭で考えた病人像で表現している感じがする。ちょっとしたユーモアですぐ元気になったり喜んだりして、深刻に弱っている人の感じがしない。苦痛に対するイメージが貧困だ。
おじさんのロビン・ウィリアムスが若い女の子にガチ恋していて引く。
前からロビン・ウィリアムスの甘ったるさが苦手だったのだが、ここでもやっぱり苦手だった。
感動、社会について考えさせられる
とにかく感動した。ただ成績が良ければいいと思っていたがそんなことではなかった。
この映画はたくさん学ぶことがあった。
ひとつは自分の正しいと思ったことを貫き通すこと。他人に流されず自分のやり方で、見方を変えてあることに取り組むことは結果を作り出すことがわかった。
ふたつめは、仕事の考え方である。この映画の主である医者のように、ただ人を助けるだけではなく、患者と接し生きることのありかたを教えるなど、考え方を変えれば仕事のあり方も変わることがわかった。
そういったパッチの天才的な考え方を思い出しながら生活したい。
実話なんよな
実話っていうことには驚いたな。あのおばあちゃんの夢でヌードルのプールに入りたいって聞いた時はさすがに無理があると思ったけど、アダムスはそれも叶えるんよな。人を笑わせたり、楽しませたりとアダムスは医者としてもやけど、人として魅力的。彼女が亡くなるのは予想外だった。ロビン・ウィリアムズの作品はどれもいい。
こういうの好き
おっさんすごいな〜おもしろいな〜で終わらない。
人と接することで自分が前向きになれることを提唱するパッチは人と接する才能を持っているのだと感じさせられる。
1番勉強をしてなくて(ように見えて)成績が学年トップの裏には見えない努力があったのだと思う。そこを描けば、夢物語とか物語上の天才ではなく、もっとリアリティのある作品になったと思う(というより見たかった)。
彼女の死は衝撃が強過ぎた…
ロビン・ウィリアムスの得意分野
総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 70
本当の話を基にした映画だそうだ。医学生がこのような人物ばかりだと現実には困るのだが、このような型破りの人物が新しい境地を切り開くのも事実だろう。彼の考えは現在の医学では認識されていて、それを取り入れた医療が一部で行われている。その型破りな人物に立塞がる権威と伝統というお決まりの対立構造が一つの主題。
そしてロビン・ウィリアムスの演じる彼の型破りぶりの表現の演技がまた良い。「グッドモーニング・ベトナム」等の他の出演作でも彼は即興で冗談を連発した。彼の喋りや行動は台本通りだけでなく、恐らく今回も即興な部分がたくさん含まれていることだろう。実際のアダムスはロビン・ウィリアムスのような中年ではなくて若くして学位をとっているのだが、彼のこのような相手の前で即興で言葉を紡いでいく能力が、作品中の主人公を描くには合っている。そのような彼を変人扱いしながらも次第に魅了されていく周囲の人々との関係の描き方も、苦悩や悲劇も含みながらも爽やかであった。ある意味であまりに彼らしい作品すぎてお約束的な内容になっているのであるが、やはりそれでもはまり役だと思う。だから年齢の設定を無視してでも彼に演じてもらうことが望まれたのだろう。
余談(出典:英語版ウイキペディア)
以下ねたばれ注意
実際は彼が失ったのは美人の同級生ではなく、とても仲の良かった男の友人だそうです。サイトの解説ではバージニア大学医学部になっていますが、彼が行ったのはVirginia Commonwealth University(旧バージニア医科大学)だそうです。
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