「露呈した「狭さ」」八十日間世界一周 スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
露呈した「狭さ」
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SFの父のひとりであるジュール・ヴェルヌ作の映像化。旅には必ずトラブルはつきもの。
80日間の旅を3時間に凝縮して表現する作品は世界一周の定点観測と共に地球という惑星を狭くした人類の進歩と勇気を表現している。
主人公フォグの伸びた背筋は、揺るがない意志の表れ。
相棒のパスパトゥのフットワークの軽さは、
色々なミラクルを起こす。
紳士的佇まいと動物的身のこなし。
論理的思考と野生的感性。
この対局にあるものがかけ合わさったとき
飛行機がない時代の80日での世界一周は達成される。
もちろん、お金の力も借りて。
最後の社会改良クラブのある紳士の「大英帝国の終わりだ」というセリフは、
特権階級の肥えて狭くなった「視野」に対する皮肉だろう。
今ある常識は我々が今小馬鹿にしている突拍子もない考えに必ず覆される。
それを軌道にのせる筋道だった考え方、
時に力づくで押し切れる資本力、
そして、困難をひらりとかわすひらめきが不可能を可能にしていく。
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