「「勝ったのはわしらではない。蟻たちだ」」バグズ・ライフ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
「勝ったのはわしらではない。蟻たちだ」
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思い出しレビュー37本目。
『バグズ・ライフ』
平和なアリたちの世界に、食べ物収穫の時期になるとバッタたちがやって来て、全て奪っていってしまう。
困ったアリたちは、強い昆虫を雇ってバッタたちを退治して貰おうとするが…。
我らが日本の至宝『七人の侍』の設定が活かされた、ピクサー第二回作品。
これが『七人の侍』通りだと、志村喬みたいな人格者な虫がリーダーとなり、三船敏郎みたいな粗野な虫など仲間を集める。
でも、アリたちが見付けたのは、何とサーカス団の虫たち!
ここら辺、『サボテン・ブラザーズ』。
両作の面白味が巧く活かされている。
彼らサーカス団を英雄と勘違い。
でも当然バレ、信用失墜。
そんな時、バッタたちが襲来し…。
バッタたちがアリたちを苦しめる理由には、食べ物以外にある。
本当はバッタたちはアリたちを恐れている。
もし、自分たちより圧倒的に多いその数で立ち向かって来たら…? もし、アリたちがその事に気付いたら…?
だから力で抑え付けている。どちらがリーダーか分からせる為に。
そして遂にアリたちが立ち上がる!
自分たちは強い。
ちっぽけな存在じゃないんだ、と…。
この時点で、勝敗は決したと言えよう。
ユニークなキャラたち。中でも、サーカスの太っちょイモムシくんがお気に入り。最後、嬉しい事が。
画は美しく、テンポよく、最後まで飽きさせない。
ピクサーのクオリティーの高さは昔から変わらない。
もう一つ変わらないのは、普遍的なメッセージ。
これがピクサーが、今も尚愛され続ける理由だろう。
本作に限って言えば、日本の名作が原点になっている事が誇らしい。
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