劇場公開日 2024年3月14日

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π パイのレビュー・感想・評価

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3.5【”216桁の数字“高等数学に憑りつかれた男の狂気性を、斬新でグロテスクな映像とテクノ、アンビエントミュージックを効果的に使い、描き出した作品。】

2022年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ダーレン・アロノフスキー監督の長編デビュー作。

■天才的な数学研究者であるマックス・コーエン。
 ある日、彼の家を満たしているコンピューターが暴走し、数字の羅列を弾き出した。
 マックスはそれが世界の株式相場の未来の動向を示すモノであり、且つユダヤ教のモーセ五書の法則の神秘の数字だと知り、その解析に没頭していく。
 そして、マーシー・ドーソン率いる謎の株組織に追われ、ユダヤ教のラビたちにも・・。
 且つて、πを研究していた老人ソルと交流を続けるも、彼も又失踪。
 一方、だが同時に、彼はひどい頭痛と奇妙な妄想にとらわれていく・・。

◆感想

 ・ダーレン・アロノフスキー監督は、今作の脚本も手掛けている。
 フィボナッチ数列なんて、久しぶりに聞いたよ・・。
 ハーバード大では、人類学を勉強していたのではないのかい・・。と思ったら、作品構成は人間の脳に焦点を当てたモノだった。成程。

 ・前衛的な現実と幻想を行き来するような、不思議な感覚に襲われるモノクロ描写と目まぐるしい展開がスタイリッシュである。
 それを後押しするようなジャーマンテクノの様な無機質なエレクトロポップ、アンビエントミュージックの使い方も効果的である。

 ・随所で出てくる、グロテスクな脳の視覚的インパクトも大である。

<マックス・コーエンが高等数学にのめり込み、ユダヤ教組織や謎の株組織に追われつつ、自我を失って行く過程がスリリングである。
 そして、彼は自らの頭にドリルを当てて・・。
 高等数学のラビリンスから解放されたマックス・コーエンの表情は穏やかだ。
 かつての様に、3桁乗算は、最早解けないが・・。
 ダーレン・アロノフスキー監督の巧妙な脚本と共に、映像センスが印象的な作品。
 優れた映画監督は、初長編で、その才能を既に発揮していた事が分かる作品でもある。>

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NOBU

2.5インテリ臭〜。

2022年1月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

勝手に物語が進んでいる感じで主人公含めた目的や行動が漠然と、踠き苦しみながら何にもならなくて自滅。

全体的なLookに拘る映像と雰囲気ある世界観は次作「レクイエム・フォー・ドリーム」に受け継がれているようで、初期のクリストファー・ノーランみたいな、ダーレン・アロノフスキーが"バットマン"を撮ったら面白そう??

難解な物語がありながらもオチがスッキリしない、センス良く撮る方向性に気が取られがち、な、気がする。

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万年 東一

2.5ブラックスワンの片鱗は

2021年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:2.5
この世の万物を数式で紐解く事と、モーセの十戒の謎を上手く繋げていく点は興味深いが、あまり掘り下げる気はなく、塚本晋也の鉄男のオマージュの様な演出が主となり、退屈ではあった。後にブラックスワンを撮った監督の片鱗はなかったのは残念。

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カメ

0.5チープ

2020年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza

3.5数字に囚われ、法則に囚われる男の話。全体を通して白黒で男の演技にさ...

2020年5月8日
iPhoneアプリから投稿

数字に囚われ、法則に囚われる男の話。全体を通して白黒で男の演技にさらに緊迫感のあるような印象を受けた。内容が数字や数学を扱うもので数学が苦手な私には少し小難しく感じたがその難しいものにのめり込む主人公の姿には圧倒されるものがあった。また、音楽がテクノ混じりでかっこよかった。

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あかねちん

3.0まあまあだった

2018年5月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

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吉泉知彦

4.0何かがわかりそうになる瞬間

2014年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

数字で世界のすべてがわかるかもしれない、そういう妄想に刈られた数学者の話です。
ある一つの事象と別の事象を関連付けるのは人間の知性の初歩的な段階なのではないかと勝手に想像するんですが、ソースはありません。原始文明における魔術は科学の生みの親、とみる見方もあるようですが、「雨が降ったら作物が育つ、だったら雨が降らなくても畑に水をまけばいい」という経験的な法則からくることも科学的ですし、「恨みを持つ相手そっくりの人形を作って痛めつける」という魔術も、じつは類似のメカニズムなんじゃないかとおもいます。

また西洋文化の二元論の限界を多くのポストモダンの哲学者が指摘するように、実は数学や言語というのは真実に近づいたり、何か新しいものを作るための道具にはなりますが、そのものが真実になりえることはないという、歴然とした事実があります。たいていの人はその道具を真実と思い込み妄信したり懐疑したりするんですが、じつはそれはナンセンスで、目の前にある「それ」そのものが真実であるわけです。この辺は仏教が得意な分野だと思いますが、この映画のラストではそれがいいたかったのではないかと思います。

禅文化と共通するのかな?この監督のほかの作品を見ても問うよう哲学への関心が感じられますし、たぶんその辺の解釈でいいのではないかと思います。

面白い映画でした。

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rocko