π パイ

劇場公開日:2024年3月14日

解説・あらすじ

「ブラック・スワン」「ザ・ホエール」のダーレン・アロノフスキー監督が1998年に発表した長編デビュー作。数字にとり憑かれた男の狂気を先鋭的なモノクロ映像とデジタルサウンドで描き、サンダンス映画祭で最優秀監督賞、インディペンデント・スピリット賞で新人監督賞を受賞するなど高く評価された。

マンハッタンのチャイナタウン。並外れたIQと数学能力を持つ男マックス・コーエンは、宗教真理からウォール街の株価予測まで、世界はすべて数式で説明できると信じていた。自作のコンピュータで神秘の数字の法則を夢中になって探し続ける彼だったが、ついに核心に触れそうになると謎の組織から狙われるようになり、彼の脳内には異常な変化が起こり始める。

サウンドトラックにはマッシブ・アタック、エイフェックス・ツイン、ロニ・サイズら豪華アーティストが参加。2024年3月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開。

1998年製作/85分/アメリカ
原題または英題:π Pi
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年3月14日

その他の公開日:1999年7月10日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

4.0 ハイコントラストの現実

2025年6月30日
スマートフォンから投稿

数字の世界に生きる
マックス・コーエン

彼の現実は幻覚であり
彼の幻覚は現実でもある

数字を好み人を嫌う
人は現実であり
人は虚構である

短いカット
クローズUP
そして幻聴

強烈な白と黒は
完全な 0と1か

いつの間にか彼の頭脳
彼の分析に引き込まれ
同化している自分が居た

吐きそうになる。

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星組

5.0 狂う

2025年1月5日
iPhoneアプリから投稿

むかーし読んだ本で松本人志が絶賛してて気になっていたのですが、やっと見ることができました。
頭痛の描写とか怖くて凄い。

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takantino

3.0 陰謀論にも通じる孤独な人間の闇を描いたカルトムービー

2024年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

冒頭、幼い頃に太陽を見るなと母親から言われたが見てしまったと、主人公が語る。これは、カミュの「異邦人」を意識しているのだろう。「異邦人」同様、不条理な出来事が展開していく。カフカ的と言ってもいいかもしれない。

主人公は数学の天才。社会不適合者で他人を避けて生きている。
彼の思想は、「数学は万物の言語であり、すべての実証は数字に置き換えて理解できる。数式化すれば一定の法則が顧みれる。ゆえにすべての事象は法則を持つ」といったもの。
やがて、216桁の数字に隠された法則を見つけ出せば世界のすべてを証明できる、という妄想に憑りつかれていく。

登場人物がありえないアイデアに取り憑かれて破滅していく姿は、「レクイエム・フォー・ドリーム」でも扱っていたテーマだ。このテーマは、現代社会における陰謀論やエコーチェンバーといったネット社会の弊害にも通じている。また、使い古された「都市の孤独」というテーマも見えてくる。

インターネットが今のように発達していない時代に、こういう映画を撮ったのは、アロノフスキーに先見の明があったからというよりは人間の本質が当時とあまり変化していない顕れだろう。彼の才能は未来を予見していたことではなく、本質を的確に掴んで映画に落とし込んだところにある。

本作は制作費940万円。
興行収入はアメリカで5億円。
かなりの大ヒットだ。

1990年代はタランティーノ「レザボア・ドッグス」(1992年)、ロバート・ロドリゲス「エル・マリアッチ」(1993年)、クリストファー・ノーラン「フォロウィング」(1998年)と、今でこそ大御所となっている監督たちが低予算ながら魅力的な作品でデビューした時代だ。
90年代は映画を撮るために知恵を絞り、少ない予算でなんとか面白いものを作る人々がいた。そして、そういう映画がヒットする余裕があった。
現代はインターネットが普及し、誰もが自分の作品を発表できる時代になった。そういう意味では恵まれているとも言えるし、競争が激しくなったとも言える。
それでもやる人はやるし、やらない人はやらない。その点は今も昔も同じだろう。

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あふろざむらい

未評価 しょんぼり、ぐったり

2024年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 昨年、『ザ・ホエール』で多くの人々の心を揺るがした(僕も大好き)ダーレン・アロノフスキーの長編デビュー作がスクリーンでリバイバル上映です。

 世界・社会の全てを数字で表し数学で理解しようとする男の物語です。様々な定理や公式が飛び交う頭の中は興味を惹くし、繰り出される映像は非常に先鋭的で、20代の才能ある監督の作品としては理解でき、この尖がり具合が好きな人が居るだろう事は想像できます。でも、虚実ごちゃ混ぜの物語がぶっ飛び過ぎていて、僕は全く付いて行けませんでした。しょんぼり、ぐったり。

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La Strada