ハードコアの夜

　随分前にレンタルビデオかレンタルDVDで見て面白かった記憶しかなくて、『カードカウンター』が面白かったのでポール・シュレイダー作品を見返してみたくてまず見る。

　地味な華のないおじさんが主人公で大丈夫かと思ったが、そんな彼がロサンゼルスの歌舞伎町みたいな場所に乗り込んで、インサイダーの振りをして娘を探す地獄めぐりでめちゃくちゃ面白い。探偵も面白いし、何より風俗嬢でポルノ女優の彼女が最高だ。

　最初の方で、もうちょっと娘についてフォーカスしていた方がいいのではないかと思うのだけど、そうでないからこそブルーフィルムの衝撃がある。クライマックスのSM部屋の壁やぶりがすごい。探偵が風俗嬢の元締めをいきなり射殺するのは、いいのか？

ジョージ・C・スコットに手を貸す売春婦がとても良い。
娘よりも
こちらを救ってほしかった。

私立探偵がいい。利にさといというより、シンプルに金儲けしたい感じに装うってるのもいい。

ラストの郊外のネオンの街並みもいい。
マフィアのボス？があっさり撃たれる感じも適当な感じでいい。

なぜ娘はあんだけ大胆な家出をしたのに、簡単に説得されて帰ろうと決意したのだろうか？　都合が良すぎる感じもいい。

しかしこの映画内の存在感でいえば、コールガールのあの女だろう。救いがないのは彼女のほう。

ポルノ業界で聴き込みするだけ。面白い展開は無し。