「“〜なんかこわくない”というおまじない」バージニア・ウルフなんかこわくない ouosouさんの映画レビュー(感想・評価)
“〜なんかこわくない”というおまじない
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子を持ちたかったが持てなかった大学教員夫人、子を持ちたくない新人大学教員夫人。子を持つという問題をどう捉えるかが両夫婦の対比として描かれる。女性の価値が出産と持参金と家柄だけであるということ、男性の存在意義は妻子を養うということ、という価値観が妊む狂気が、各人の狂気となって表現される。幕開けから三半規管がおかしくなり(台風前夜のような)、台風一過、耳がすっきりするという確かな体感があり、価値観の束縛とそれからの解放を『三匹の子豚』になぞらえた展開が面白かった。アニメというか、イマジナリーなものに頼ることから抜け出て、ここからあの夫婦の本当の人生が始まるのだと思った。
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