バージニア・ウルフなんかこわくない
劇場公開日:1967年3月11日
解説
トニー賞を受賞したエドワード・オールビーの同名舞台劇をエリザベス・テイラー主演で映画化し、1967年・第39回アカデミー賞で主演女優賞など5部門に輝いた会話劇。「ウエスト・サイド物語」などの脚本家アーネスト・レーマンが脚色、原作の舞台演出を手がけたマイク・ニコルズがメガホンをとり、2組の夫婦が繰り広げる愛憎を描く。ニューイングランドの大学構内にある住宅で暮らす中年の歴史学者ジョージと年上の妻マーサ。大学総長の娘であるマーサは結婚当初からジョージを尻に敷いており、結婚23年目を迎えた現在、2人の関係は険悪なものになっていた。夜遅くにパーティから帰ってきた2人は、いつものように皮肉や軽蔑で応酬しあう。そんな彼らのもとに、生物学教師ニックとその妻ハニーという若い夫婦が訪ねてくる。ジョージとマーサの口論は彼らを巻き込んで激しい罵り合いへと発展し、事態は思わぬ方向へと展開していく。
1966年製作/131分/アメリカ
原題:Who's Afraid of Virginia Woolf?
配給:ワーナー・ブラザース映画
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2022年6月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
全般的に不快な話だ。
この作品から我々は何を楽しみ、
何を学べば良いのか。
最近「死刑台のメロディ」という映画で
冤罪で死刑になる主人公の
「利他する幸福を」
という息子への書き置きが印象的だったが、
この作品の登場人物は
その言葉とは裏腹な自分本位な印象だ。
主人公の夫婦は異常な程
がさつで悪態の吐き合いに終始するが、
本題に迫るために
ここまで極端な夫婦像にする必要があるのか
理解出来ないと共に、
そこには何のリアリティも感じなかった。
また、基本的に分からないのが、
登場人物の4人を
かなりの深酒の中に置いたことだが、
このような設定は問題を余りにも特殊解化
することにならないだろうか。
また、舞台の映画化には
リアリティ的改変が必要になるはずだが、
この作品では余りにも演劇的過ぎて
違和感があった。
この夫婦に子供はいないのだろうことは
見え見えだが、
いないはずの息子の死を告げる夫の対応も
今更と感じる。
酒に溺れる夜が
子を成さなかった夫婦の苦しみの期間で、
夜明け以降が
それを癒やす期間の象徴として、
この作品のテーマが子の無い夫婦の
心の彷徨だとしても、
余りにも設定が安易に感じられる。
舞台劇の映画化で成功した作品として
「探偵物語」「フロント・ページ」
「ジーザズ・クライスト・スーパースター」
などを思い出すか、
この舞台劇のデフォルメ感を
そのまま映像世界に持ち込んだこの作品が
とても映画化に成功しているとは思えない。
この作品が
「アルジェの戦い」「わが命つきるとも」
「夜の大捜査線」「昼顔」の名作揃いの年での
キネマ旬報11位とは驚きだ。
また、エリザベス・テーラーはこの作品で
アカデミー主演女優賞を得た。
思い出すのはグレース・ケリー。
彼女も「喝采」での
化粧を落とした素顔的演技で
アカデミー主演女優賞を得ている。
この作品のエリザベスも
力演ではあるだろうが
彼女の優雅さをかなぐり捨てたかのような
演技だからの女優賞では
私は素直に賛同出来ない。
彼女らしい優雅な役どころで
受賞を得てこそ
エリザベス・テーラーではないのか。
これまでも
「陽のあたる場所」「ジャイアンツ」
「クレオパトラ」等々、たくさんの出演作品を
観てきて、最近も彼女の主演作品として
「熱いトタン屋根の猫」と「バターフィールド8」
とこの作品を続けて観てみたが、
もう彼女を前提での作品選択をする必要は
ないような気もした。
2時間10分、延々と原因不明の夫婦喧嘩が続きます。
先にいいところ言います。役者の演技は最高水準の迫力です。演出は舞台劇の良さを生かすような奥行きのある空間演出とカメラワークや画面展開がさすがです。
内容については最悪ですね。
トニー賞とった舞台劇だから名作らしいけど、喧嘩内容にドラマもサスペンスもないし、ただひたすら言い争うだけ。さすがに1.5倍速で耐えましたが叡山の苦行僧の心境です。
批評家の解説には、夫婦喧嘩を通じてお互いの本性が現れ・・・・、なんて書いてあったけど、夫婦喧嘩なんて世界中どれでもそうですよ。
映画に限らず、面白かった人はつまらなかった人に「じっくり観れば面白い」なんて言って、確かにじっくり観れば何を言わんとしているのかわかるのかもしれないけど、つまらなすぎてじっくり観る気なんか起らない。
とにかく、何を言いたいのかサッパリわかりません。
2019年3月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
強烈、鬼気迫る演技とはこのことか
エリザベス・テイラーとリチャード・バートン
二人のものすごい演技に圧倒される
この二人、実生活も本当の夫婦である
本当の夫婦だからこそ出せる空気感、距離感が濃密にフィルムに写し取られている
全編酔っぱらいの二組の夫婦のいがみ合いだ
誇張されてはいてもリアリティーのある、世界中の夫婦が大なり小なり一度は経験したであろう口論と現実の夫婦生活の実情がある
もしないというのならこれから経験するのか
本当の意味で夫婦になっていないかだ
それは幸せのように見えて幸せでは無い
ままごとに過ぎない
お互いのここまでは許されるとの際限の無い無限地獄に落ちた甘えの行き着いた先がここなのだ
これもまた愛情を求めすぎた成れの果てなのだ
夜が明けてパーティーは終わる
若い夫婦も帰る
残された中年夫婦のこころの触れ合いこそが夫婦だ
あまりにも強烈な内容だ
若い時に見ても理解できなかったと思う
凄まじい、エリザベス・テイラーがアカデミー主演女優賞を獲るのは当然だ
監督賞のノミネートもしかりだ
2018年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
貶し合い、罵り合い、それでも夫婦愛が成り立っている。下手な喩えをすると関西の夫婦漫才のようだ。しかし、笑えない。若い方のサンディ・デニスの「電報を食べた」と証言するところにも疑問が残るし、何故そこまで夫婦で妄想するのもわからない。やはり、独身者が観るには理解不能な映画なのであろうか。。。
前半のほとんどカット無しの4人の演技は見事でした。舞台演劇を観ているようかの錯覚にも陥ります。