ノートルダムのせむし男(1956)
劇場公開日:1957年3月1日
解説
十九世紀前半に花開いたフランス・ロマン主義文学の巨匠ヴィクトル・ユーゴーの同名小説第五回目の映画化。脚色と台詞は「居酒屋(1956)」のジャン・オーランシュと「やぶにらみの暴君」のジャック・プレヴェール。「マリー・アントワネット」のジャン・ドラノワが監督する。撮影は「悪者は地獄へ行け」のミシェル・ケルベ、音楽は「居酒屋(1956)」のジョルジュ・オーリック。主な出演者は「空中ぶらんこ」のジーナ・ロロブリジーダ、「侵略者」のアンソニー・クイン、「悪魔が夜来る」のアラン・キュニイ、その他ジャン・ダネ、ロベール・イルシュ、ロジェ・ブラン、「フレンチ・カンカン」のフィリップ・クレー、シャンソン歌手のマリアンヌ・オスワルド及びダミアなど。
1956年製作/フランス
原題または英題:Notre-Dame de Paris
配給:東和
劇場公開日:1957年3月1日
ストーリー
十五世紀、ルイ十一世治下のパリ、ノートルダムに容貌怪異のカジモド(アンソニー・クイン)という傴僂男が、鐘つきをつとめていた。年一回の道化祭、詩人グランゴアール(ロベール・イルシュ)は、広場にやって来た美しいジプシー娘エスメラルダ(ジーナ・ロロブリジーダ)に人気をさらわれ、自分の芝居をメチャメチャにされてしまう。一方ノートルダムの副僧正フロロ(アラン・キュニー)も、美しいジプシー娘に、忘れていた煩悩の火をかきたてられ、忠実なカジモドに命じて、その夜エスメラルダを誘拐させた。しかし彼女の叫びに駈けつけた警備隊にカジモドは捕えられ、エスメラルダの方は隊長フェビュス(ジャン・ダネ)を恋するようになった。一方グランゴアールは、その夜犯罪者や乞食の住家「奇蹟御殿」にまぎれ込み、首領クロパン(フィリップ・クレー)によって絞首刑を宣告された。乞食の中から妻を選べば、一命を救われるという。意外エスメラルダが進み出て、グランゴアールの妻になろうと名乗り出た。しかし、彼女はグランゴアールを自分の踊りの口上師にしただけで、結婚しようとはしない。相変わらずフェビュスを想い、曖昧宿で逢引の約束をした。その夜、二人がだき合うのを見たフロロは、フェビュスを刺し、罪をエスメラルダにかぶせて姿を消した。裁判の結果、彼女は魔法使として絞首刑を宣告される。処刑の日、ノートルダム広場に用意された台上に彼女が立った瞬間、突然あらわれたカジモドによって、寺院の中へ連れ去られた。そこは聖域で、追手も足をふみ入れることができない。いつかエスメラルダの美しさに引れたカジモドは、彼女をやさしく介抱し、二人の心は次第に温かくとけ合った。しかし満たされぬ愛情を復讐心にかえたフロロは、何とかエスメラルダをとらえようと、聖域を犯して追手を導き入れようとした。それを知った「奇蹟御殿」の住人達は群をなしてノートルダムにおしよせ、エスメラルダを救い出そうとする。カジモドはそれを追手と間違え、屋上から石や材木を落して応戦した。やがて扉がこわされ、彼等の手にエスメラルダがとりかえされた時、彼等は軍隊に包囲されていた。矢の雨の中で、エスメラルダも乞食の首領クロパンも絶命した。これを見たカジモドは、怒ってフロロを殺し、墓地に眠るエスメラルダを追って自らの生命を絶った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャン・ドラノワ
- 脚色
- ジャン・オーランシュ
- ジャック・プレベール
- 原作
- ビクトル・ユーゴー
- 台詞
- ジャン・オーランシュ
- ジャック・プレベール
- 撮影
- ミシェル・ケルベ
- 音楽
- ジョルジュ・オーリック