熱帯魚のレビュー・感想・評価
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カラフルな熱帯魚は「夢」の象徴?
内容的には台湾版の「お受験物語」なのですけれども…。
誘拐犯も、その捜査に当たる警察も、受験の日程ばかりの気にしているというブラックユーモアぶりは、この監督に一流のものかも知れません。
本作は、『1秒先の彼女』が佳作だったチェン・ユーシュン監督の手になる別作品ということでは鑑賞した1本になります。
本作のエンディングに現れる「夢を見るすべての人に捧げる」字幕のとおり、いわゆるファンタジーものの一本としては、本作も前作の例に漏れない佳作だったと思います。
面白かったー!観客がずっと笑っていました!
サロマン王、超魚人!
ストーリーを繋いでいるのが、不思議な体験コーナーを設けているDJとTVニュース。ツーチャンは自らが超人になる夢を見て、好きな女の子にも手紙を渡せずにいたが、不思議体験DJの常連でサロマン王というラジオネームを持っていた。高校受験1ヵ月前だというのに、ゲーセン通い。そこの子どもチャンピオンであるワンが誘拐されたのだ。後を追うようにトラックに乗り込んだツーチャンは自らも誘拐されてしまう。
学歴社会でもある台湾の高校入試は夏頃?頭が朦朧とするような暑さの中での受験だ。ツーチャンは合格ラインに達していなくて、受験なんてどうでもよくなっている中の誘拐騒動。しかし、世間はツーチャンの受験についての議論が過熱。誘拐犯家族も勉強させるために教科書を集めたりしていた。
主犯の男が交通事故死という突拍子もないストーリーだったけど、中盤以降はのんびりした港町での生活に夏休みをエンジョイしているかのよう。共犯のアケンは「俺みたいな悪いやつになるな」などとアドバイスをくれるし、身代金は欲しいが受験はさせてやりたいという思いも伝わってくる。
夢の中での海底探検。ワン少年も一緒になって夢を食べる魚の話に夢中だ。浸水した家庭での不思議な体験や現実離れしているかのようなTVキャスターの話。夢が許される中学生から高校生になる境界線にあって、薄幸の少女チュエンにも興味を持つ。熱帯魚なんていない!という夢のない話や貧しさの現実を知り、彼の心も宙に浮いているかのようだった。何より、好きな女の子が有名人に群がり失神したというニュースが引き金となったんだろうなぁ・・・
台湾映画の傑作
不覚にも、こっくり寝てしまった。
面白うてやがて悲しく愛おしい小品
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