尼僧ヨアンナ

劇場公開日:

解説

ポーランドの作家ヤロスワフ・イワシキエウィッチの『天使たちの教母ヨアンナ』を基に、「影」のイェジー・カワレロウィッチ監督がタデウシュ・コンヴィツキと共同で脚色・演出した異色作。撮影は「灰とダイヤモンド」のイェジー・ウォイチックが、作曲はアダム・ワラチニュスキーが担当しているが、伴奏音楽は用いられていない。出演者は「鉄十字軍」のルチーナ・ヴィニエツカ、同じくミエチスワフ・ウォイト、新人アンナ・チェピエレフスカ、マリア・フヴァリブクなど。

1960年製作/110分/ポーランド
原題:Matka Joanna od Aniołów
配給:東和
劇場公開日:1962年4月20日

ストーリー

十七世紀の中頃、ポーランドの辺境の寒村に一堂の尼僧院があった。ここの院長尼は美しい教母で、周囲の人々の信頼を集めていた。ところが、天使たちの教母と敬われるヨアンナ尼(ルチーナ・ヴィニエツカ)に悪魔がのりうつり、十数人の修道尼たちもヨアンナにならって悪魔のダンスを踊るようになったという。人々は、前の教区司祭ガルニエツ神父が魔法使いで、尼僧院の幾重もの壁をつき抜け夜な夜なヨアンナの寝室に侵入するためヨアンナに悪魔がのりうつったのだと噂した。ガルニエツ神父は、ついに尼僧院の前の砂丘で火刑に処せられた。が、ヨアンナの悪魔は退散する様子もなかった。そこで大司教は童貞僧のスリン神父(ミエチスワフ・ウォイト)を尼僧院につかわした。スリンは敬虔な祈りをすませたのち尼僧院へ乗り込んだ。広間に通されヨアンナ尼と会ったスリンは、二人で心をこめて神に祈れば悪魔は必ず離れるとヨアンナに説いた。その時、突然ヨアンナの形相が変わり、薄気味悪い笑いと共に悪魔の言葉をはき出した。そして悪魔の笑いを響かせながら壁に血の手型を残して部屋を飛び出した。彼女の悪魔を目のあたりに見たスリンは、ヨアンナと共に苦行を続けることにした。屋根裏部屋にこもって我が身をムチ打つ日が続いた。だが、二人が激しい疼痛を忍び合うことが、逆に親和感を増すものとなりいつの間にか悦楽を伴うようになった。自信を失ったスリンは、ユダヤ教司祭を訪れた。司祭はキリスト教に根本から反論した。スリンは却って悩みを深めたまま尼僧院にもどったが、そんなスリンにヨアンナは、神に仕えるよりは悪魔が与えるもろもろの悦びに身をまかせる方が生きがいがあると訴えた。スリンは思わずヨアンナに接吻した。が、たちまちスリンはのけぞり絶叫と共に階下へ転がり落ちた。口から口へヨアンナの体内から八つの悪魔がのり移ったのだ。宿屋の一室に逃避しとじこもったスリンは、悪魔の脅迫に苦しんだ。だが脅迫に従わないためにヨアンナに悪魔が戻るのを怖れたスリンは、命令通り斧をふるって二人の男を殺してしまった。血のしたたる斧を手にして、ヨアンナを聖者にするために、ヨアンナを愛するために人を殺したとつぶやくスリン神父。それを伝え聞きはらはらと涙をこぼすヨアンナをつつむように、尼僧院の鐘は静かに鳴りわたるのだった。

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映画レビュー

4.5様式美で描かれた抑制された愛情表現

2023年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幾何学的な様式美で、尼僧院にいる悪魔に憑かれた美しき尼僧・その尼僧の悪魔祓いをしようとする神父を描いたイエジー・カヴァレロヴィッチ監督の傑作。

カヴァレロヴィッチ監督は、抑制された教義に反抗するかたちで「男女の愛」=「聖職服を着ている男女の愛」を本作で描いている。
異性との愛を制約されている尼僧ヨアンナ(ルツィーナ・ヴィンニツカ)とスーリン神父(ミェチスワフ・ヴォイト)は「愛」について語るが、信仰が本当の愛の壁になっている。
そうした尼僧ヨアンナに憑りついた「悪魔」が、スーリン神父との男女の愛し合う口実を与えており、その口実=悪魔のおかげで愛し合うことができるあたりは意味深いものであったと思う。
そして、悪魔に憑りつかれた尼僧ヨアンナと接吻したスーリン神父が「悪魔は私に乗りうつった……と愛するヨアンナに伝えてくれ」とは、不思議な感覚の愛情表現。

本作の様式美を象徴しているのは、尼僧たちが一斉に「十字架の様」に床に伏せたのを俯瞰で撮った場面。こういうシーンを観ると「映画」を感じる。

ある宿屋、そこから遠くに見える尼僧院、その間の火刑台のある荒野、これだけの場所での出来事を描いている映画だが、過去に火刑とされた神父の話や映画で描かれた現在の物語、そして未来に余韻を残した顛末……一連の物語を映像美で描き切った傑作である。

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たいちぃ

4.0これは掘り出し物でした。高評価がわかります。 エクソシストの原点の...

2018年9月30日
PCから投稿

怖い

これは掘り出し物でした。高評価がわかります。
エクソシストの原点のようでモノクロ映像がさらに重圧感を出しています。

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miharyi
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