ニクソン

劇場公開日:

解説

第37代合衆国大統領リチャード・ミルハウス・ニクソンの激動と波瀾に満ちた生涯を描いた大作。「7月4日に生まれて」「JFK」などに続き、光と影に彩られた現代アメリカ史を照射する作品に挑んだ監督はオリヴァー・ストーン。綿密な取材に基づいた脚本は、映画・舞台でも活躍する作家のスティーヴン・J・リヴェル、音楽畑でも活躍する映画作家・プロデューサーのクリストファー・ウィルキンソン、ストーンの共同。製作はストーン、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」など監督とは7作目のクレイトン・タウンゼンド、「スカーレット・レター」のアンドリュー・G・ヴァーニャ。撮影は「サルバドル 遙かなる日々」以来、監督とは8作目となるロバート・リチャードソン。音楽は「サブリナ」のジョン・ウィリアムズ、ホワイトハウスの内部やリンカーン像を見事に再現した美術は、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のヴィクター・ケンプスター。主演は「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」のアンソニー・ホプキンス。共演は「スペシャリスト」のジェームズ・ウッズ、「タッカー」のジョアン・アレン、「アポロ13」のエド・ハリス、「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」のボブ・ホスキンス、「ブルースカイ」のパワーズ・ブース、「グッドフェローズ」のポール・ソルビノ、「フィラデルフィア」のメアリー・スティーンバージェン、「トラ・トラ・トラ!」などの名優E・G・マーシャルほか。

1995年製作/アメリカ
原題または英題:Nixon
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
劇場公開日:1996年2月24日

ストーリー

1972年6月17日、ワシントン・ウォーターゲート。民主党全米委員会が開かれているホテルの一室に忍び込んだ5人の男が逮捕された。大統領関係者が盗聴事件に係わっていたという、ウォーターゲート事件の幕開けであった。彼らの行動をチェックしていたホワイトハウス臨時顧問のハント(エド・ハリス)から連絡が入り、首席補佐官のハルデマン(ジェームズ・ウッズ)、法律顧問ディーン(デイヴィッド・ハイド・ピアース)、国内問題顧問アーリックマン(J・T・ウォルシュ)ら、ニクソン大統領(アンソニー・ホプキンス)の側近たちは色めきたった。捜査の手はハントや同僚のリディにまで及ぶ。リディは〈鉛管工グループ〉と呼ばれる組織に所属していた。それは米政府極秘情報漏洩を防止するために組織された秘密活動グループだった。ハルデマンらはホワイトハウスに内通者がいるのではないかと疑い、やがてハント自身がリークしたことを突き止めた。やがて、ニクソン政権がCIAとの関係を保つために行った、ビッグス湾事件(61年にケネディ政権がキューバ侵攻に失敗した事件)の隠蔽工作の一部始終をハントが握っており、その全貌が明らかになる恐れがあった。ニクソンは13年1月9日、カリフォルニア州で雑貨商を営む貧しいアイルランド系の5人兄弟の次男として生まれた。50年に下院議員選に出馬、マッカーシーの非米活動委員会でタカ派として名を馳せる。やがてのちの法律顧問となるミッチェル(E・G・マーシャル)と補佐官になるキッシンジャー(ポール・ソルビノ)と知り合い、大富豪ジョーンズの後ろ楯も得た。そして63年のジョン、68年のロバートのケネディ兄弟の暗殺を経て、68年に彼はついに大統領に就任。妻パトリシア(ジョアン・アレン)の心配をよそに、彼は己の信じる道を邁進し、図らずもいばらの道を進んだ。FBI長官フーヴァー(ボブ・ホスキンス)は、キューバのシンジケートと繋がりがあった。72年には念願だった中国との国交も回復させ、パリ平和会談を成功に導き、ヴェトナム戦争も集結させるが、直後にウォーターゲート事件が発覚。ニクソンは「なぜ俺だけが責められるんだ!」と叫ぶが、それは政界で泥まみれになった男の悲痛な叫び声だった。やがて74年に大統領を辞任。94年4月22日に死去した。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 ゴールデングローブ賞(1996年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) アンソニー・ホプキンス
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映画レビュー

4.0ベトナムとウォーターゲートのころ

2023年11月8日
PCから投稿

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ストーン選手の独壇場、ドキュメンタリー手法の社会派作品。
アメリカ人にはあまりにも有名な人と事件のオンパレードなので知ってる前提です。
キッシンジャーなんかも、いきなり出てきて名前の紹介はありません。見た瞬間「あ、キッシンジャーだ」ってわかることが前提です。
少なくともケネディとの大統領選挙、ベトナム和平、ウォーターゲートくらいは事前に調べておかないとついていけません。

アメリカ政治に批判的な立場らしく、ニクソン本人を糾弾するというより、それほど政治力があると思えない一人の政治家が時勢に乗って大統領になったものの、政界の荒波に呑み込まれてサンドバックのようにボロボロになってゆく、という視点で描かれています。

3時間超えなので現代史に関心があれば大変興味深く観ることができますが、関心がないと本当に退屈な内容でしょうね。

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越後屋