泥棒成金のレビュー・感想・評価
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ハリウッド映画らしいがヒッチらしくはない
宝石泥棒が絡んでいるので一応犯罪映画ですが、典型的なハリウッド俳優の共演、当時まだ少なかったテクニカラー、観光映画的な南仏の明媚な風景、などゴージャスな雰囲気の漂うハリウッド娯楽作品ですから、スリラー、サスペンスは皆無、ストーリーも緩くてプロットらしいプロットもありません。
ヒッチがご贔屓のケリー先輩を前作に続いて使って気楽に撮った作品なので、日曜の昼下がりに寝っ転がって呑気に観るにはよいでしょう。
(参考)
ヒッチ好みの女優は上流階級の真摯な淑女が寝室に入った瞬間にケダモノに化けるようなタイプで、モンロー先輩のように顔中にセックスをベタベタ貼ったような女はダメだそうです。故に彼の好みはイギリス、スウェーデン、ドイツ女性で、ラテン系はダメとのこと。
ケリー先輩を始めは冷たく撮ってスチュアート先輩にいきなり熱烈なキスをする展開は、その考え方を具体的に表現したものだそうです。
【軽妙洒脱なるラヴ・サスペンス。グレイス・ケリーを始めとした女優陣の華やかな衣装や、ケイリー・グラントの端麗な姿も魅了です。】
■キャットの異名を持つ宝石泥棒だったものの、いまでは引退して南仏で悠々自適な暮らしを送るジョン・ロビー(ケイリー・グラント)。
だが、キャットを名乗る偽物が現れたことからジョンは警察に追われる身に。
保険会社のヒューソンの協力を得て、偽物の猫の正体を掴み、犯行を止めようとする彼だが。
◆感想
・キャットの異名を持つ且つて宝石泥棒ジョン・ロビーを演じたケイリー・グラントの余裕ある男の姿がナカナカ素敵である。
・けれども、矢張りジョンに惹かれていくフランセス・スティーヴンスを演じたグレイス・ケリーの魅力は凄いなあ、と思ってしまうよ。
■フランセス・スティーヴンスが警察に追われるジョン・ロビーを助手席に乗せて、地中海沿いの道をブッ飛ばすシーンは、流石のジョン・ロビーもハラハラした表情であったが、観ている方もグレース・ケリーの最期を知っているだけに、ハラハラしてしまったシーンである。そして、フランセス・スティーヴンスはジョン・ロビーに対し”貴方がキャットなんでしょ”と言いながらキスをするのである。
<誰が、偽のキャットだったか分かる屋根の上でのシーンなども、前半からキチンとヒッチコックはヒントを出しているし、今作は面白きラブ・サスペンスだと思います。>
公妃の気品
ヒッチコック作品の中では、ストーリーのひねりが少々物足りない印象ですが、主演の二人が豪華ですよね。グレース・ケリーは今作公開(56)の翌年、モナコ公妃になられたんですね。でも、往年の作品から当時の雰囲気が感じられるのも映画を観る楽しみの1つです。
南フランスの美しい映像だけは魅せてくれたが…
正直なところ、
ここまで面白味を感じないヒッチコック映画
には初めて出会ったという感じだ。
基本的に脚本の出来が悪いのだろうが、
これではたまに目にする三流テレビドラマ
と同じレベルといった印象だ。
むしろロケ・セット・衣装に
かなりの費用がかかっているだろうから、
よりたちが悪いとも感じる。
脚本に難があったとしても
この作品はヒッチコック全盛期のもので、
彼なら演出の妙で
もう少し魅せてくれても良かったはずだが。
ただ、アカデミー賞で撮影賞を受賞した
南フランスの美しい映像だけは
魅せてくれた。
グレースケリーのファッションショー
ケイリーグラント扮する宝石泥棒のジョンロビーのところへ身に覚えがないが多発している宝石泥棒の聞き込みに警察がやって来たのでジョンは逃げた。身の潔白を示そうとしたジョンはグレースケリー扮するフランシーを好きになってしまった。グレースケリーのファッションショーを見る様な展開だったね。やはり素敵な女優さんだね。
グレースケリーが美しいので他はどうでもいい
とにかく始めて裏窓でグレースケリーを見て依頼、私の目はグレースケリーを見るとハートになります。この映画の感想は
グレースケリーが美しかった。
につきますね。それに最後まで Grace Kelly を見て楽しめる程度にストーリーも面白かったです。この映画はヒッチコックのベストには入って来ないだけあってなぜかヒッチ・パワーが足りない気がしました。なぜなんでしょう?きっとヒッチコックにしか分からないんだと思います。でもストーリーは決して悪くないので、ヒッチコックファン必見の映画には間違いないと思います。
ヒッチコックの作品ってんで期待して見たが、話が面白くない。犯人に意...
ヒッチコックの作品ってんで期待して見たが、話が面白くない。犯人に意外性もない。
ただただグレース・ケリーを愛でる映画。確かに美しい。ただ私的には、本作の役柄ゆえか、親近感は湧かなかった。
目玉焼きにタバコを押し付けるのはやめましょう(笑)
映像がずっと興味を惹きつける
仏・リビエラの素晴らしい遠景、心理描写を捉えた巧みな映像、暗闇の中の怪しげな雰囲気、とにかく映像への興味が尽きない名作。
ヒッチコック、グレース・ケリー、ゲイリー・グラントを見るだけでも価値ある作品。内容も結構おもしろいし、細かな演出や描写なども興味深いし、この作品の価値は計り知れない。
古い映像でもその力強さは普遍的。
ヒッチコック全盛期の傑作
もっと評価されても良いと思う
ルパン3世、キャッツアイの発想の大本を辿ると本作に行き着くだろう
スリル、サスペンス、美男美女どおしのラブロマンス、美しい風景
娯楽映画の要素が全てもれなくある
それもものすごく高いレベルでバランス良く組み合わされている
脚本がこなれており、これに軽妙なやりとり、ウィットのあるシーンが加わり的確でテンポ良い編集は観客の興味が飽きる隙を作らない
撮影も見事で闇夜の屋根の照明効果や、当時は珍しい空撮も取り入れ美しい南フランスの光景を際立ている
そしてなんと言っても衣装
終盤の仮装パーティの中世の豪華な衣装だけでなく、グレース・ケリーの登場シーン毎に色目が派手になる計算、ケーリー・グラントのフレンチぽい着こなし!
グレース・ケーリーは、まさにカジノから見える花火大会のように輝いていて画面に映るだけて豪華だ
モナコ大公が結婚したくなったのもむべない
ケーリー・グラントも若者では無くなっているが
かといって、初老でもない正に壮年
10年ほど年代が違えばジェームス・ボンド役にぴったりだったと惜しい気持ちになる
邦題の泥棒成金はなかなか雰囲気を伝えている
もちろんロビーの事だが、フランセス母子の成金も指している
原題の意の「泥棒を捕まえろ」にはあるフランセスがロビーの心を捕まえたいとの意味は無くなってしまっているにせよ
面白かったです
南仏の綺麗な風景にやたらと足が長い男優、
まりりんもんろーのような金髪の女優さんがお似合い。
車でのシーンでは、いかにも後ろの風景が動いて車に乗っている風なところが名演技⁈で気に入りました。
フランス流洒落も効いており、
面白かったです。
ヒッチコック印のラブコメ
ヒッチコック作品は結構見てきたつもりだったが、これは未見な筈と思って観始めたら、ケーリー・グラントの最初の衣装、特に赤のスカーフに見覚えあり。最初の方だけ見たのかな?と思って見続けていると、偽キャットの正体も憶えてました。
リビエラ、カンヌ、ニースと南仏のリゾート地を舞台にしており、撮影もそれを理解していてこの土地の美しさを十分に見せることを意識しているので、行ってみたくなるのは勿論、見ているだけでも旅気分が味わえる。
それに加えて今作でもイディス・ヘッドによる豪華な衣装をグレイス・ケリーが華麗に着こなしていて素敵。(キャラクターとしていえば、彼女が演じたフランシーの母親ジェシーの方が面白いキャラクターだと思うが)
正直、謎解きの部分は物足りない(真犯人の動機がよくわからない)が、ケーリー・グラント、グレイス・ケリーというスター共演のラブコメだと思って観れば十分楽しめる。
昔の映画は邦題も洒落てる。
原題“TO CATCH A THIEF”よりもこっちの方が断然いい!
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