「生々しいドラッグムービー」トレインスポッティング ともさんの映画レビュー(感想・評価)
生々しいドラッグムービー
序盤から、テンポよくトリップシーンが続いて、観てて飽きない。
「スコットランド1最悪なトイレ」に頭から突っ込んでアヘン座薬探すシーンやらトミーの自作ポルノやら2組のカップルのセックス談義やら…
次から次へと面白いエピソードが湧いて出てくるので、「うわぁ」と思いながらも一緒にトリップしてる感覚で楽しめる。シックボーイがキマると007の話をし始めるのもお決まりで楽しい。音楽もかこいい!!
…と、「イカしてる」のは前半の話で、後半からはまさにバッドトリップ。
赤子の死、真面目だった友人が堕落→死、禁断症状…
前半より後半の方が生々しく(特に禁断症状のときの部屋での幻覚のシーンが脳裏を離れない)、悪夢を見ているかのような気分。
薬をやめて地元を離れ、まっとうな職に就いても、昔の悪友との縁が断ち切れずにまた悪い方向へと向かってしまうというのは、とてもリアルな流れだと思った。
主人公が更生しようとしたりなんだりしながらも、結局悪い方へ戻ってしまうのにヤキモキさせられる。
ラストは爽快に前を向いて終わるけど、きっと主人公はまた同じようなことを繰り返すのだろうなと思わずにはいられらない。薬から、悪友から、縁を切るというのはとてもとても時間がかかるものだから。
あとは…
カーペットに体ごと埋まっていく、部屋がどんどん長く遠くなっていく、音が遠くなっていく…そういうトリップしたときの感覚をリアルに体験できるのはドラッグムービーの醍醐味だなぁと思った。映画館で観てよかった。
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