「観る必要なし」ドラゴン危機一発 鈴風 涼さんの映画レビュー(感想・評価)
観る必要なし
はっきり云って評価できる点は無し。ブルース・リー映画では最低のクオリティ。非常に低予算で製作され、ブルース・リーのギャラを含め3000万円程度だったらしい。その辺の道端で適当に撮影したシーンや汚い製氷工場など有り物をそのままに使っているのは悲しい。ブルース・リーのアクションもまだスタイルが出来上がっておらず力で押しまくる感がある。やたらとナイフが出てくるのも気になり、ラスボスはそのナイフで絶命する。映像は画質が悪く採光にも気を使われていない。シナリオもなく監督の思い付きで作られていた当時の香港映画の水準ではやむを得なかったかも知れない。ブルース・リーはリンダ夫人に宛てた手紙の中で、食事の内容の悪さにかなり不満をこぼしていたそうである。この後に製作された「ドラゴン怒りの鉄拳」ではこれらの鬱憤(?)を吹き飛ばすかの様な仕上がりの良さに驚いた。洗練され過ぎた「燃えよドラゴン」よりクンフー映画としてはまるで狂犬(?)の様に吠え闘う「ドラゴン怒りの鉄拳」の方が観ていて楽しい。ラヴシーンや様々な変装シーンもあり芸達者ぶりを見せてくれる。個人的には「ドラゴン危機一髪」はブルース・リーとしては黎明期の作品だと思う。
コメントする