ドラキュラ(1992)

劇場公開日:

解説

1897年に発表された恐怖小説の古典『吸血鬼ドラキュラ』を、原作のイメージに忠実なスタイルで描く。監督・製作は「ゴッドファーザーPARTII」のフランシス・フォード・コッポラ、製作はフレッド・フックスとチャールズ・B・マルヴェヒル、エグゼクティヴ・プロデューサーは「愛は霧のかなたに」の監督マイケル・アプテッドとロバート・オコナー、脚本は「フック」のジェームズ・V・ハート、撮影は「マンボ・キングス わが心のマリア」のミハエル・バルハウス、音楽は「コルチャック先生」のヴォイチェフ・キラールが担当。

1992年製作/128分/アメリカ
原題または英題:Bram Stoker's Dracula
配給:コロンビア トライスター映画
劇場公開日:1992年12月19日

あらすじ

15世紀中頃、ワラキアの王ヴラド・ドラキュラ公(ゲイリー・オールドマン)は、トルコ軍との戦いで奇跡的な勝利をおさめるが、最愛の王妃エリザベータ(ウィノナ・ライダー)は、王の戦死の誤報を聞き、城砦から身を投げた。ヴラドは怒り狂い、神への永世の復讐を誓った。1897年、英国人の青年弁護士ジョナサン・ハーカー(キアヌ・リーヴス)は、トランシルヴァニア地方にある城へやって来る。彼の前任者の同僚レンフィールド(トム・ウェイツ)は、この城で発狂してしまった。城で彼を待っていたのは、ドラキュラ伯爵(ゲイリー・オールドマン)という老人だった。ハーカーが彼を不審に思った時には既に遅く、監禁され、3人のドラキュラの花嫁たちに血を吸われるが、決死の逃亡を図り修道院に保護される。ロンドンでは、ハーカーの婚約者ミナ(ウィノナ・ライダー_二役)が、夢遊病を患う親友のルーシー(サディ・フロスト)の看護をしていたが、街中で不思議な男に出会い、心を惹かれる。その男こそ、エリザベータと生き写しのミナを我がものにしようとするドラキュラ伯爵であった。ハーカーの無事がわかり、結婚のためヨーロッパに旅立つミナは、ドラキュラに別れの手紙を書く。絶望した彼は、衰弱したルーシーの命を奪う。奇怪な影に怯え続けていたルーシーを調べていたヘルシング教授(アンソニー・ホプキンス)は、吸血鬼と化したルーシーを退治し、吸血鬼狩りを決行した。ロンドンに帰ったハーカーは、若返ったドラキュラを見て衝撃を受け、教授とともにドラキュラの眠る柩の探索を行う。緑のもやとなり、ミナのベッドに入り込んだドラキュラは、自分の血を飲ませようとするがためらう。彼の愛の深さを知ったミナは、自ら血を飲んでしまう。ドラキュラを倒そうとする吸血鬼狩り一行は、ミナを連れ、城へ逃げ帰ったドラキュラを追跡する。夜になり、城内で一行とドラキュラは戦い、深手を負ったドラキュラは屋敷に逃げこみ、ミナが後を追った。苦しむドラキュラの胸にミナが杭を打ちこむと、息絶えたドラキュラの顔が平穏な表情に変わっていった。そしてミナは、ドラキュラの首を切り落とすのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第65回 アカデミー賞(1993年)

受賞

衣装デザイン賞 石岡瑛子
音響効果編集賞  
メイクアップ賞  

ノミネート

美術賞  
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映画レビュー

4.0ゲイリー・オールドマンと特殊メイクの親密性をうかがえる快作

2018年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

カメレオン俳優として知られるゲイリー・オールドマンだが、同様の誉れ高いダニエル・デイ・ルイスなどに比べると決定的な違いがある。それはゲイリーの場合、自分一人の力だけで完結する役づくりに終始しないという点だ。とりわけ本作は自らの俳優としてのオーラに拘束具でもはめ込むかのように、特殊メイクを施して七変化を魅せる。そのクオリティが凄い。そこにはもはや、本家ドラキュラをも凌駕する、恐ろしい「化け物ゲイリー」が解き放たれ、阿鼻叫喚の絵図を巻き起こす。結果、ハーカー役のキアヌ・リーヴスも、ヴァン・ヘルシング役のアンソニー・ホプキンスも、重要役なのにゲイリーに比べるとスケールがまるで違い、小さく見えてしまう始末。いやいや、それでも公開から25年を経て改めて鑑賞しても全く色褪せないのはさすがだ。特殊メイクもコスチュームデザインも映像技術も研ぎ澄まされ、ゲイリーの魅力が存分に味わえる快作に仕上がっている。

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牛津厚信

4.5古典的怪奇ファンタジーの快作。

2025年5月1日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

ドラキュラと言ったら「ホラー」のイメージが付き纏うが…私はホラーとファンタジーは紙一重だと思っている(『指輪物語』や『ハリー・ポッター』のように良質なファンタジーにはホラー要素が必ず伴う)。実際、ホラー要素が強い作品をダーク・ファンタジーと形容することも多々ある。

本作は、古典的怪奇小説を原作とした“怪奇ファンタジー”とでも形容できる作品で、ダーク・ファンタジーに括って良いと思う。ゴシック調で、かつエロティックでさえあり、映像の質感からして実に芳しい。美術面のディテールは舌を巻くレベルであるし、語り口やテンポ感をあえて古臭い感じに保ち、変に現代的なリズムで描くことを避けているところに私は好感を持った(このあたりが好みが分かれるところかもしれない)。

広く評価されるのは難しいかもしれないが、静かに脈々と語り継がれていくような作品ではないか…と、そんな風に思うのである。

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image_taro

2.5あれ?

2025年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

昔、レンタルで観て面白かった記憶。今回、4KBDで観たが・・・・
あれっ?こんなだったけ?って感じ。
誰が主役なんだろう?って位に視点が映るから感情移入出来ない。
ストーリー展開もこんなにチープだったかなぁ。
俳優陣が有名で無かったらB級扱いだろうな。
なんか、やたらに女性陣が脱いでる。そのシーンで胸出してる意味ある?って場面でまで。

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背中にエンジン

2.0見る人を選ぶ映画だなと感じた。 映像、編集のスタイルが僕には合わな...

2024年10月12日
PCから投稿

見る人を選ぶ映画だなと感じた。
映像、編集のスタイルが僕には合わなかった。
監督さんの演出は、
物語というよりも、
映像の美しさに重点を置きたかったのだろうか。
アカデミー賞では

・録音効果編集賞
・衣装デザイン賞
・メイクアップ賞

3部門受賞しているが、
作品を、映像美としての面で多く評価されたのだろうか。
吸血鬼というホラー題材を、
歌劇、またはオペラのように表現しているようだ。
(歌劇もオペラもちゃんと見たことないので、想像で書いています)
僕にはそういった教養がないので、
この作品の美しさを理解することが難しく、
どう解釈すれば良いのかよくわからなかった。

しかしながら、
すごく豪華なキャスティングの映画だよね。
ちなみに
アカデミー賞の衣装デザインは、
日本人の石岡瑛子だよ。
衣装の良し悪しも僕には難しいが、
今までの西洋映画に出てくる、
西洋の衣装とは雰囲気が違う気がした。
映画の中で、
衣装でのホラーファンタジー感素敵でした。

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あとぅーし