「自尊心が強い分、懐に入ると強い絆が生まれる」ドライビング・MISS・デイジー 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
自尊心が強い分、懐に入ると強い絆が生まれる
運転手は不要と頑なに突っ撥ねていた辺り、デイジーは自尊心が強い。自分は手助けされるほどもうろくしていないと言いたいのだろう。自尊心が強いからこそ、いったんデイジーの懐に入ったホークのことはいたく気に入っている。そんな2人の友情が微笑ましい映画。
印象に残ったのは、昔初めて海を見てその塩を舐めたと、ドライブの道中デイジーが懐かしく語るエピソード。彼女の長年の人生の重みを感じさせるもので、しみじみとした。
今作は黒人差別根絶の啓発も込めているようで、しばしば黒人差別のエピソードが出てくる。だが、どれも本筋にさほど影響を及ぼすものではなく、単発で終わっている。映画のメッセージとしてはそれが中途半端に思えた。
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