ドッグ・イン・パラダイス

劇場公開日:

解説

「ニュー・シネマ・パラダイス」で生き生きとしたシチリア少年を演じたサルヴァトーレ・カシオの日本公開作品第三弾。製作はフランコ・クリスタルディ、監督は「ビッグ・ガン」(71)のドゥッチョ・テッサリ、脚本はエンニオ・デ・コンチーニ、ドゥッチョ・テッサリ、マナヘム・ヴェラスコ、マルチェロ・コシア、原作はレモ・フォルラーニ、撮影はマルコ・オノラート、カルロス・スアレス、音楽はデット・マリアーノが担当・出演はピーター・ユスティノフ、ロベルト・アルピほか。

1989年製作/イタリア・フランス合作
原題または英題:Dogs in Heaven
配給:東映クラシックフィルム
劇場公開日:1991年6月29日

ストーリー

ミラノに住む9歳のトム(サルヴァトーレ“トト”カシオ)は、ママ、ジョバンナ(メルセデス・アロンソ)とその恋人ボブ(ロベルト・アルピ)とトスカーナ州にあるカバルビオ城に出かける事になった。ボブが親戚のエミリア伯爵夫人から城を相続したからだ。都会育ちの三人は、城を売るつもりでいたが、ジョバンナは近くの城の侯爵たちとの上流社会の交流が、ボブは下の村で先生をしている美しいビオレッタ(デルフィーネ・フォレスト)が、トムはお城のふとっちょ使用人姉妹ユリンカとオルカ、それに伯爵夫人の飼い犬だった大きな犬が気に入ってしばらく滞在することに。その間のビジネスとしてジョバンナは犬を預かる事を思いつく。たまたま引き受けたロケッタ侯爵夫人の愛犬マルチーズのミレディが100万ドルのおまけ付きでやって来たからだ。翌日、新聞広告を見た人々が次々に犬を連れて訪れる。軍隊ラッパに服従するように訓練されたドーベルマンのセンチネラ、俳優に飼われるブルドッグのアドーネ、ジャーナリストの中国犬シャーペイ、有閑マダムの愛犬シベリアン・ハスキーのシビ、それに自分を人間だと思っているミレディ。あっという間に40匹の犬に囲まれ、お城は「犬たちの天国」と化す。ミラノに帰りたい気持ちの一番強かったボブは木に登って降りられなくなったミレディを助けようとして、肩を脱臼、老獣医のムジョーネ(ピーター・ユスティノフ)の治療を受けるが、一ケ月の安静を言い渡される。人にも動物にも平等な愛情を持つ獣医のムジョーネや賢こくて美しいビオレッタ、そして豊かな自然と犬たちに囲まれてトムとボブは、だんだんこの場所を好きになる。しかし、そんな土地をも都市計画事業の計画地区にと考えるダンテスカ不動産が汚ない手段で近隣の城を買収。次々と越して行く貴族たちにジョバンナの社交界デビューの夢は破れ、一人ミラノに帰ってしまうのだった。ボブの所へもダンテスカは巧い話を持ちかける。しかし城を壊し、森を切り裂き、犬たちを殺した上でのリゾートマンション計画を知ってしまったボブたちは断固売らない決意をする。その夜、ダンテスカは犬小屋に火を放つ。必死に犬を守り、火を消すボブをトムはパパと呼ぶのだった。なす術もなく強制競売の日を迎える。その時ダンテスカの者が持っていたライターめがけて犬たちが飛びかかった。恐怖にかられた防火犯は、火をつけた事を告白。城にも犬たちの天国にも再び平和が訪れるのだった。

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