トゥルーマン・ショーのレビュー・感想・評価
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究極のリアリティショー
トゥルーマン(ジム・キャリー)は楽しい人生を送っていた。
しかし、ちょっとした違和感から疑いを持ち始め、最後には・・・。
かなり辛辣な人生訓が語られる。
頭の中にまでカメラはあるまい それはプライバシーこそ人間の尊厳だという言葉であったと思います
2021年の年末
なにやら日本でも「未来日記」というリアリティショーが作られて、Netflixで全世界に配信が開始されているそうです
もともとは2000年頃、バラエティー番組の1コーナーとして同名のリアリティショーがあったことを覚えている人もいるでしょう
自分も夢中で視たくちです
そのコーナーの為に作られた曲のサザンオールスターズのTSUNAMIや、福山雅治の桜坂、GLAYのとまどい/SPECIAL THANKSと、立て続けにミリオンセラーの大ヒットがでたほどの超人気のコーナーでした
リアリティショーはテレビの黎明期からあったそうです
隠しカメラで一般人の生活を放送する今に続く本作のような番組は、1992年のMTVの「リアル・ワールド」が始めたフォーマットだといいます
それが大人気となって世界中で模倣されたそうです
20年前の「未来日記」も、その模倣番組のひとつなのだったのでしょう
本作はその2年前の1998年の公開作品
リアリティショーの非人間性を訴えることがテーマであるところが、本作の凄いところです
リアリティショーは、その後もテレビの人気のジャンルとなって、その「未来日記」のように20年以上経った今も世界中で繰り返し作られています
しかし、近年イギリスではリアリティショーが過激化して3人もの自殺者を出したといいます
日本でも、2020年5月にキー局製作のリアリティショーの女性出演者が自殺した痛ましい事件は記憶に新しいことです
テレビ黎明期から存在するジャンルというのだから、よほどテレビというメディアとの親和性が高いのだと思います
リアルタイムというのは映画では有り得ないからです
ネット配信なら?
基本オンデマンドですが、リアルタイムもありテレビに近い性質を持つところは、ネット配信もリアリティショーに性質が合うメディアなのかも知れません
だからネット配信でも、リアリティショーの出演者が自殺した事件が2020年8月にあったといいます
プライバシーを剥ぎ取られ放送されてしまう
シナリオと実生活が融合してしまう
そこに人間の尊厳はあると言えるのでしょうか?
動物園の檻のなかと何が違うのでしょうか?
しかし、それは出演者の同意の上でのこと
一体何が問題なのだ?
そういう向きもあるかと思います
ユーチューバーはどうでしょうか?
自ら進んで私生活を垂れ流し配信する人物もいるらしいではありませんか
チャンネル登録者数やページビューを上げる為なら、私生活の垂れ流しも、迷惑行為でも何でもあり
つまるところ、有名になりたい、金を稼ぎたい
その為に人間の尊厳を切り売りしているとは言えませんでしょうか?
確かにリアリティショーは面白い
しかしそれは、出演者の人間性を抑圧して実現されているといえるのではないでしょうか?
他人の人間性を抑圧して喜ぶ
出演者の人間の尊厳を剥ぎ取り、それを消費して笑う、泣く、怒る
そういうことです
コメディならそれもありでしょう
当然です
でもそれは現実とは別物であると観衆と出演者は相互に理解して、芸として観ているのです
リアリティショーにはそのような約束事が曖昧なのです
というか、それをわざと視聴者に隠しているからリアリティショーなのです
人種や民族、肌の色、性別、LGBT といったことをネタにして同じことをしたら、どれほど重大かつ深刻な人権侵害になるか
現代の人間なら、誰だって容易に想像できます
コメディでも無理です
現代のプロのコメディアンなら慎重に避けて通ることです
リアリティショーとコメディは、一体何が違うというのでしょうか?
リアリティショーはその様な人権侵害の自覚もなく、現代でも未だに漫然とそれをやっているのです
本作は20年以上も前に、それを訴えていたのです
リアリティショーの持つ問題の本質を突き詰めて警告していたのです
頭の中にまでカメラはあるまい
それはプライバシーこそ人間の尊厳だという言葉であったと思います
2021年の「未来日記」はまだ視ていません
このような懸念を払拭しているような内容であることを願うばかりです
それ以上に深刻なのはテレビのニュースかもしれません
本当のリアリティだけのはずなのに、インタビューされている街の人が劇団員だったりしているのです
恐ろしいことです
それって、最早私達は本作と変わらない世界にいるという事ではないでしょうか
見てソンはないと思います。
はじまってからしばらくは、どういう意味なのか
はっきりはわからず、モヤモヤしながら見てました。
こういうことなのかな、という想像で。
で、種明かしされてからは、急におもしろくなりましたね。
テンポアップされたって感じもしました。
ジム・キャリーは、
あいかわらずのオーバーアクション。
でも、この映画は、それがぴったりはまるって
いう設定ですよね。
前半が少し単調な気もしますが、
優れたドラマだと思います。
コメディととらえるか、とらえないか。
私は、コメディととらえて楽しめました。
【”僕を中心に回る小世界からの脱出・・・” コメディを装った強烈なシニカルムービー。】
◆感想
・爽やかな、作り笑いをさせたらNO1 ジム・キャリー主演の壮大な手間とお金を掛けた、人権侵害TVショー。
・作品設定の秀逸さは、流石アンドリュー・ニコルである。
・エド・ハリス演じる視聴率至上主義の、TVプロデューサーの姿もオソロシイ。
<孤独な人生も哀しいが、衆人環視の人生は、もっと嫌だなあ・・。
ラストのジム・キャリー演じるトゥルーマンが、いつもの作り笑いを浮かべて、いつもの台詞を口にして、自由な世界へ足を踏み出すシーンは、色々な解釈があると思うが、私は自分の人生を”創り出した”TVプロデューサー及びTVに対する痛烈な皮肉を表したのではないか、と思った作品である。>
アイデアはおもしろいけど、胸くそ
生まれた時から24時間全てをテレビ番組「トゥルーマン・ショー」で放送されていた男のお話。本人だけが、知らず巨大なセットの中で生活し、周りの家族、友人等は全て俳優という設定。アイデアはおもしろい。ジム・キャリーが演じているからライトなコメディに見えるが、悪趣味👎
おはよう、こんにちは、こんばんわ!
ある種のファンタジーだから、コンプライアンス的なものは置いといて。
不気味になりそうなストーリーを人間ドラマに引き寄せたバランスは
やっぱりジム・キャリーの魅力によるところだろうか。
特にラストのくだりは人生賛歌というか、生きることへの希望を感じさせる印象で非常に爽やか。
名作であることに異論はないけど、ちょっと粗を感じる部分も無いわけではないっていう塩梅。
似たような発想は昔からありましたが…
Huluで観ました。
きっかけはYouTubeでひろゆき氏が内容を紹介してて、「あっそれと似たような事考えたことある」と思い、興味深く観ました。
自分も「実は周りの人々ってオレの行動とか昔から知ってて知らんフリしてるだけなのかな?」とか考えたことあったり、「この世って実は出生から死までのストーリーが決まってて、オレは強引にその通りに生かせられてるのではないか?」とか考えたことあったりします。
同時に「この世はオレの為の世界であって、オレが死んだらこの世界は無くなるのでは?」とも思ってます。
この映画はそれとは少し違うけど、映像にするとこうなるのかな?って感じで楽しめました。
最後の終わり方、シーンは中々良かった。
映画らしい。
今更ながら鑑賞。
誰もが一度は考えたことがあるだろう「自分以外、みんなグルなんじゃないか説」を発展させたような話。
なかなか無理やりなストーリーや設定のオンパレードだが、そこを創作だし、、と目を瞑ればそれなりに面白いか。
映画ならではの作品というか、今やありきたりな高性能CGを駆使したSFものなんかよりは、よほど映画らしい、、?
俳優や監督含め、当然プロの集団が創り上げた作品であるにも関わらず、どこか未完成というか、「映画作品を創った」感が溢れていて、それ故にノスタルジックな感覚にも浸れる、そんな作品。
なかなか言葉に言い表しにくい魅力だが、
個人的には好き。
脚本おもしろすぎる
脚本が天才おばけだ…トゥルーマンがかわいそすぎて謎にめちゃ泣いた。特に、ヨットで「世界」の果てにぶつかったとき、絶望で一瞬目の前ブラックアウトした。喜劇じゃないジム・キャリーもうますぎ。プロデューサーの息子を見るような目も、視聴者のドライさも、素晴らし。
脚本がユニーク!笑いと風刺
世界まるごと巨大な撮影セットの中で生まれたときからずっと過ごしている男性の物語。仮想現実であることを知らないのはその男性だけで、その番組を視聴者はたのしんでいて、製作者はこの世界こそがリアルだと思っている。
ラストはその男性は外の世界に飛び出す。発想がおもしろくて、脚本の時点でユニークさはを感じたであろう作品。自分が共通世界だと信じているこの現実が、他者からみれば、ひとつの現実に過ぎないというような風刺的な要素も感じる映画。
はじめてのおつかいを見てたら……
ラストシーンが、最高にキマってる。
見たときには思わず、「やったー」ってなってしまった。
だって、今まであの世界に捕らえられてたトゥルーマンが、恐怖の対象の海に出て、現実を知って、世界が全てひっくり返っているのに。それであのセリフ。
あれが正解。流石トゥルーマン。
でも、やっぱりあれは、テレビショーのラストを飾るにふさわしいもので、映画のラストとしての正解な訳で。
この先の人生を考えると、あれでよかったのかなと思ってしまう。
外に出ない方が、幸せだったのかもしれない。
そもそも気が付かなければ……
はじめてのおつかいを見てて、笑顔でカメラマンに話しかける子供たちを見てたら、そんなことを思いました。
現代メディアにも通じる問題提起を含んだ良作
もし、自分の人生がカメラに監視され、全世界に向けてテレビ放送されていたら?
そんな奇想天外な設定ながら、テンポの良い構成にぐいぐい引き込まれ、
主人公をユーモアたっぷりに演じるジム・キャリーを愛さずにはいられない、
間違いなく彼の作品群を代表する一本です!
ドーム状の巨大セットに作られた離島を舞台に、
全て俳優が演じる住民たちに囲まれて暮らす男、トゥルーマンの姿を描きます。
なんと言っても、メディアに対する風刺や皮肉と、ジム・キャリーがサラリとかます笑いのバランスが素晴らしい!
主人公の一生が、生まれた瞬間からテレビに支配されてきたことに恐ろしさを感じつつも、
彼のコミカルな演技によって、悲壮感が前面に出過ぎない作りになっています。
トゥルーマンの純朴な行動ををほほえましく見守り、
世界の真実を探ろうとする彼を本気で応援してしまった私は、
あたかも作中の番組視聴者の一人になったような気分でした。
一方、「トゥルーマン・ショー」のプロデューサー クリストフは、
彼の人生をずっと操作してきた人物であるにもかかわらず、
実親のような無償の愛を彼に注ぐ姿には、どうしたってグッときてしまいます。
トゥルーマンの単なる脱出劇にとどまらず、
親離れ・子離れの切なさまで描き切った監督の手腕はお見事でした。
そして本作で見逃せないポイントは、エンドロール直前の「〇〇はどこだ?」というセリフ。
ここまで極端ではないにせよ、他人の人生そのものをバラエティとして消費し、
不都合が生じたら何事もなかったように切り替える、現代の私たちにも通じる姿だと痛感させられます。
日常をさらすことで出演者に大きなストレスがかかり、
日本だけでなく、世界中で自殺者を生んでいるリアリティー番組のあり方について、
今一度考え直さずにはいられませんでした。
カラッとした笑いからブラックなユーモアまで、どれもが一級品のコメディでありながら、
そこから浮かび上がる、メディアに対する痛烈な批判には思わずハッとさせられる、
どこから見ても完成度の高い、洗練された一作でした。
103分と短めなので、サクッと一本見たい方にもオススメ!
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