「『世間』は人間のポテンシャルを測れないし過小評価しがち。」天使にラブ・ソングを… 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
『世間』は人間のポテンシャルを測れないし過小評価しがち。
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アメリカでの公開日は1992年。Wikipediaでは当時大ヒットしたとある。しかし、それなりに古い映画を見るときは、今の自分と登場人物の物事の考え方にギャップが出ていて楽しめないことは結構ある。実際今作品はどうだったかというと、そんなことはなく十分楽しめた。修道院のシスター達の生活模様が表面的にではあるが語られていて、この作品を見る中で見たことの無い世界を体験でき、その中でウーピー・ゴールドバーグ演じるデロリスが終始前向きに明るく周りをより良く変えていく様子を好ましく見ることができた。
あらすじを一言でいうと、キリスト教徒の敬虔さや教えを遵守する心とは子供の頃から一貫して無縁だった落ちぶれたクラブ歌手が事件に巻き込まれ修道院にぶち込まれその中で自分の能力や人間性を発揮していくというものである。成長物語というか、最初のクラブ歌手としての彼女への世間的評価、馬鹿にするような評価自体が間違っていて、一見間違いのない、正しいと思われる修道院の方にまだ改善すべきことが残されていて、それをクラブ歌手が変えていく。そういう展開を見せられ、人間の価値は一般的に埋もれていて偏見でネガティブに言われる傾向があることと、別に人は変わらなくとその人の本質を発揮すればその本質の色が世界をより楽しく変えられるのだ、というポジティブな可能性を感じさせられた。そして、お互いに馬鹿にしあっているような関係性、水と油のような関係性の組織や個人が混じり合えば大きな発展の可能性があることも考えた。
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