「【”ノアの箱舟。そして崇高なる宇宙飛行士たちの献身。”今作は、人類の一人一人が彗星衝突による最期に向かう中で人間としての矜持を保つ姿を描いたスペクタクルヒューマンドラマである。】」ディープ・インパクト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ノアの箱舟。そして崇高なる宇宙飛行士たちの献身。”今作は、人類の一人一人が彗星衝突による最期に向かう中で人間としての矜持を保つ姿を描いたスペクタクルヒューマンドラマである。】
■天文部の少年レオ・ビーダーマン(イライジャ・ウッド)が彗星の怪しい動きを発見して、天文台のウルフ博士に仕えるも、博士はその知らせを伝える途中に事故死してしまう。
そして、数年後、アメリカ大統領(モーガン・フリーマン)は記者会見で巨大彗星”ウルフ・ビーダーマンが1年後に地球に衝突するという驚くべき発表を行う。
人類滅亡を阻止するため、政府は100万人を収容する地下シェルター建設と彗星へ宇宙船メサイアを使った核攻撃を計画する。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作が、ディザスタームービーでありながら、観ていて心に響くのは多くの人々がパニックになり、暴徒と化す中、そのシーンに焦点を当てずに冷静に最期を迎えようとする人々の姿にフォーカスした映像と、宇宙船メサイアの老練な船長フィッシュ(ロバート・デュヴァル)が、若手クルーと共に、彗星爆発ミッションを遂行する姿であろう。
だが、彗星は爆発するも、小彗星ビーダーマンと大彗星ウルフに分割されるが軌道は変わらず、地球に近づいて行く。
・政府が秘匿していた”E.L.E"をスクープしたジェニー(ティア・レオーニ)が、母と離婚し別の女性と結婚した父を許さない姿から、地下シェルターに入る権利を持ちながらそれを幼子を持つライバルだった同僚女性ベスに譲り、宇宙船が仕掛けた核爆弾により小・大に別れた2彗星の内の小彗星ビーダーマンが地球に衝突する事が分かっていながら、父と母と幼い自分が過ごした想い出の海岸で抱擁しながら大津波に呑まれる姿。
・レオが好きな女の子サラと結婚し、彼女とその家族を地下シェルターに共に避難しようとするが、サラが家族と共に最期を迎える決意をし、レオと別れる決断をする中、レオが自分の親をシェルターに向かわせ、サラを助けに行く姿。
■飛行士を一名失った後に、消息を絶っていた宇宙船メサイアからNASAに交信が入った時のNASA職員たちの歓喜の姿。
そして、宇宙船メサイアの老練な船長フィッシュがNASAに伝えた言葉と、宇宙飛行士たちが、地球にいる愛する家族たちと交わす最後の言葉の数々が、心に響く。
<今作は、小彗星ビーダーマンが地球に衝突し、物凄い大津波がNYを始めとした都市を呑み込んで行くディザスターシーンと、大彗星ウルフに身命を賭して突っ込んで行く宇宙船メサイアが見事に大彗星を破壊するシーンからの、モーガン・フリーマン演じるアメリカ大統領がボロボロになったホワイトハウスをバックにしながら、犠牲になった人たちへの言葉と共に人類は必ず復活すると高らかに宣言する姿が沁みる、ヒューマンSFドラマなのである。>