血と砂(1989)
解説
アンダルシア地方を舞台に、スペインの人々が対峙する“光と影”を、闘牛を通して鮮やかに映し出したドラマ。ヴィセンテ・ブラスコ・イバニェスの小説『血と砂』の、1922年のオリジナル版以降、1941年のマムーリアン監督作に続く2度目のリメイク。監督はハビエル・フロリエッタ、製作はホセ・フラドのスペイン人コンビ。脚本はラファエル・アズコーナ、リカルド・フランコ、トマス・フッチ、撮影はアントニオ・リオス、音楽はヘスス・グルック。
1989年製作/スペイン
原題または英題:Blood and Sand
ストーリー
ホアン・ガイヤルド(クリストファー・ライデル)の人生の目的は、闘牛士になること。母親の反対を押し切って家を飛び出したホアンは、自分の無謀な行為のために、親友のチリパを死なせてしまう。放浪するうちに、ホアンは、貴族のドンナ・ソル(シャロン・ストーン)に出会う。美しく傲慢なドンナは、ホアンを挑発したあげくに冷たく放り出した。ドンナの仕打ちにホアンは決心を固め、正式に闘牛を学ぶために、恋人のカルメン(アナ・トレント)を残して故郷を後にする。ヘレスの闘牛士ナシオナル(アルベルト・ヴィダール)は、ホアンの才能と勇気を見込んで、闘牛を教えるだけでなく、代理人ドン・ホセ(ホセ・ルイ・ド・ビラロンガ)まで見つけてくれた。ついにホアンは、セビリアで輝かしいデビューを飾り、一気に成功への階段を駆け上って行く。名声と富を手にして故郷に帰ったホアンは、カルメンと結婚した。ある日ホアンはドンナと再会し、人々の忠告にもかかわらず、彼女にのめり込んでいった。2人の関係はやがて知れ渡り、カルメンはホアンの元を去る。罪悪感に苛まれるホアンは酒に溺れ、失敗を繰り返す。友人たちも彼を見捨て、ドンナは、新人の若い闘牛士と浮気を始めた。ついにホアンは酔い潰れて闘牛場に現れ、罵声と嘲笑を浴びる。だが、客席にカルメンの姿を認めた彼は、一瞬生気を取り戻し、猛牛に立ち向かう。が、最後に倒れたのは、牛ではなくホアンだった。カルメンに看取られながら、ホアンは最期の時を迎える。闘牛場では、また新たなヒーローが生まれ、民衆の歓喜の声に応えていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハビエル・フロリエッタ
- 脚本
- ラファエル・アスコナ
- リカルド・フランコ
- トマス・フッチ
- 原作
- ビセンテ・ブラスコ・イバニェス
- 製作
- フォセ・フラデ
- 撮影
- アントニオ・リオス
- 美術
- Luis Arguello
- 音楽
- ヘスス・グルック
- 編集
- Jose Antonio Rojo
- 衣装デザイン
- Joan Estrada
- 字幕
- 戸田奈津子