地球最後の日

劇場公開日:

解説

色彩空想科学映画1951年度作品で、「月世界征服(1950)」のジョージ・パルが製作した。エドウィン・ボルマーとフィリップ・ワイリーの原作からシドニー・ボームが脚色、「武装市街」のルドルフ・マテが監督した。撮影は「サンセット大通り」のジョン・サイツと「荒原の死闘」のハワード・グリーン、音楽はリース・スティーヴンスの担当。特殊効果はゴードン・ジェニングスとハリー・バーンダラーが受け持っている。主演はリチャード・デアと「第一軍団」のバーバラ・ラッシュ、以下ピーター・ハンスン、ジョン・ホイト、ラリー・キーティングらが助演。

1951年製作/83分/アメリカ
原題または英題:When Worlds Collide
配給:パラマウント日本支社
劇場公開日:1952年4月24日

ストーリー

南阿の観測所にいた天文学者のブロンソン博士は、新星「ベラス」とその衛星「ザイラ」が地球に接近してくるのを認め、飛行士のデイヴ(リチャード・デア)と共にニュー・ヨークのヘンダースン博士(ラリー・キーティング)に報告するため飛来した。研究の結果、9ヵ月後に「ザイラ」は地球をかすめ、地震、津波を起こした上、その19日後に「ベラス」が地球と衝突することが判った。ヘンダースン博士は、国連にロケットで他の遊星に非難する案を提出したが、天文学者のオティンガー博士がこの衝突説を否認したため、国連は何の対策もとらないことに態度を決定した。しかしヘンダースン博士は自説を信じ、ロケット建造を各方面に説いてまわった結果、百万長者のスタンスンが資金を提供することになった。不休の工事が続けられ、ロケットは完成して、新遊星に移住する男女各19人が選ばれた。「ザイラ」通過の日、ヘンダースン博士やその娘ジョイスらは地下壕に非難、デイヴらはヘリコプターによってニュー・ヨークが大津波にのまれる様をつぶさに実見した。いよいよロケットが飛び立つ日、選ばれた人々は植物の種や家畜類をたずさえて機上の人となり、遂に地球を立った直後、「ベラス」は予想通り地球に衝突した。「ザイラ」に到着した人々はノアの神話そのまま、新しい世界の建設に立ち上がった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第24回 アカデミー賞(1952年)

受賞

特殊効果賞  

ノミネート

撮影賞(カラー) ジョン・F・サイツ W・ハワード・グリーン
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映画レビュー

3.0SF映画の古典的聖書

2024年11月29日
スマートフォンから投稿

1950年代に多く作られた
迷える人類の行方を示した。

惑星衝突の日
最後を迎える地球
ノアの箱舟に誰が乗る?
その時、現れる人間性。

低予算でローテクだが
随所に見られる空想感覚は
後のSF映画の参考書と言える。

1951年の映画
古い感性は許す。

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星組

2.5評価不能

2021年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

地球滅亡系?のSF映画のフォーマットみたいな内容。今観たらですけど。。
いろいろ観てきてこれを観る、というのは順番が逆なわけだ。

ちょっと評価不能。知らないのに知ってる内容、みたいな感じになる。

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okaoka0820

3.5聖書に始まり聖書に終わる

2021年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

萌える

とんでもない設定でもアルマゲドンを描く以上、聖書に帰る西洋人でした。
箱舟に乗る資格と意義に悩む主人公。最後に若者に道を譲る老人。
しかし、箱舟の着く先も苦難の地だよ。アメリカ映画だけにフロンティアスピリッツを感じさせる仕上がりだった。
助かるのは白人だけ、セレブ(出資者)は優遇が当然の時代だったんだなと良く分かる。ハリウッドポリコレの影響を受けてしまった感想だが、純粋に楽しめなくなってる自分に驚く。

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HigeKobo

5.0SFマニアの心が歓喜する作品です

2020年11月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

感動しました!
大昔に観たはずなのに何故か記憶から消失していました

これはSF 映画ファン、特撮ファンならマストの作品です
何故なら「妖星ゴラス」の元ネタだからです
そしてなによりその特撮のクォリティ!筋立てのの的確さ!
感嘆するばかりです
SF ファンとしての琴線が震えるのです

米国の円谷英二に当たるジョージ・パルの辣腕や恐るべしです!

1951年のカラー作品です
ゴジラの3年も前、円谷英二はまだ東宝から公職追放を受けていた頃になります
本作の13年後の1964年の東宝特撮「妖星ゴラス」はほぼ本作のリメイクと言っても良いくらいです

本作は、遊星ベラスが地球と衝突するというお話です
ベラスは地球の10倍の大きさを持ち猛スピードで接近しており8ヵ月後には地球と衝突する事が序盤で判明します

この遊星ベラスは、衛星としてザラスを従えています
そしてザラスは観測によると地球と同程度の大木さで、環境まで似ているというのです

もうベラスとゴラス、一文字違いだけです

ザラスが地球に似た環境を持つためには、宇宙を放浪している間、地表を地球とにた環境に保つだけの熱放射がベラスに必要なはずです
だからベラスは地球に接近するにつれオレンジ色の天体として大きく夜空に浮かんでいるのです

それが妖星ゴラスが矮星であった設定の由来だったのです

ベラスとの衝突で地球が崩け散るなら、人類は滅亡です
そこで地球に似た環境を持つザラスへの宇宙船での移住が提案されます

国連での提案、宇宙船発射基地の建設、宇宙船の建造と物語は進みます

国連での国際会議のシーン、基地建設の土木作業シーンは明らかに「妖星ゴラス」に継承されていることがハッキリわかります

しかし「妖星ゴラス」は、本作に大きな影響を受けているのは明らかです
それでも宇宙船によるノアの箱船の部分を地球そのものを動かして衝突を避けるという肝の部分で、大きなオリジナル性を持っておりその価値を損ねるものでは無いことは断言できます

しかし、他天体との衝突によるデザスターが起きるということでは、この種の映画の全ての始祖であることは間違いありません

メテオ、ディープインパクト、アルマドゲンも本作の影響化にあります

最後は神のお導きという形という御都合主義となりますが、それでも感動します

地球を破壊してた遊星ベラスは、地球から移住してきた若い男女40数名のいる衛星ザラスを従えて宇宙を放浪していくのです

宇宙船に若い男女が乗り込んで発進するのですが、もしかしたらそれは「宇宙戦艦ヤマト」のその設定も本作の影響下にあったのかも知れません

ザラスが地球の軌道と入れ替わるという設定は劇中ではないので、そのまま遊星ベラスを公転しつつ太陽系を抜けて、恒星間宇宙の中をさまよっていくのだと思います

素晴らしいロマンを感じませんか?
忘れていたセンスオブワンダーです

もしかしたら、米国以外の他国の宇宙船もザラスに着陸しているかも知れません
そして新世界に於いてもまた人類の闘争が始まるのかも知れません
しかしそれはまた別のお話

SFマニアの心が歓喜する作品です

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あき240