小さな恋のメロディのレビュー・感想・評価
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メロディ・フェア
一番好きな映画かも♪
見た!
恋と秩序の葛藤
冒頭のBB(少年軍)の行進。解散したのは教会。軍隊と教会という秩序と規律を重んじるところに少年たちがいることは、この映画の登場人物の精神的な基底を表している。
大人たちは子供に秩序や理性を求める。これらを子供に理解させて、これに従うようにすることこそが、大人に課せられた義務、すなわち教育であるとばかりに。
しかし、少年少女は大人が思うような型にはなかなかはまってはくれない。むしろ、そこからの「逸脱」にこそ彼らの楽しみがあると言わんばかりに、下校時の子供たちはものすごい勢いで学校から出ていく。
この子供と大人の対立が、ダニエルとメロディの恋をきっかけに痛快な破局へ向けて動き出すのだ。
恋をするとどうしようもない衝動に駆られる。訳も分からないほど相手とずっと一緒にいたいと思う。その恋に落ちた二人に対して、大人たちはその恋そのものに言及することなく、秩序と理性に戻ることを説くことしかできない。
映画はこのように大人たちを硬直化した考えの持ち主として批判的に描いている。しかし一方で、ダニエルの両親がホームパーティーで、カトリックが避妊をしないことを茶化しているように、大人たちも恋や愛欲のどうしようもなさについて自覚していることを告白している。
そう、大人たちが子供たちに威儀を正して諭すのは、実は心の内に子供たち同様の無秩序や衝動を秘めていて、このような大人になった子供が苦しむことを知っているからなのだ。自分のような大人になって欲しくないという、「親心」とはこのことである。
であればこそ、この作品で描かれているように、大人たちは滑稽で憐れな存在なのだ。
ほのぼのとした純粋な恋心
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:80点 )
挿入歌のビージーズの名曲「メロディ・フェア」を以前から知っていたので、いつか観ようとは思っていた作品だが、こんなに古い映画だとは思わなかった。
最初は日常の学校生活が平凡に描かれるだけで、特に物語として何が展開があるわけでもなかったのだが、中盤からの幼い二人の恋物語が可愛らしい。世間知らずの何もわかっていない二人だからこその純粋な気持ちがとてもまっすぐで、もう大人の説得や級生のひやかしすらはねのけて二人で別の世界に行ってしまう。先生が乗り込んでくる最後だけはいきなりどたばた喜劇になってしまうのはどうかと思うが、優しい音楽にのせてほのかに描かれる恋心にほのぼのとする。登場する少年少女も可愛い。
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