小さな恋のメロディのレビュー・感想・評価
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一番好きな映画かも♪
40年近く前、お正月映画のキングコングが長蛇の列で
仕方なくこちらと「ベンジー」の2本立てを叔母といとこと3人で観ました。
同世代の小学生だったせいかすっかりはまってしまい
お友達を誘ってお年玉で何度も池袋の映画館に足を運びました。
ピュアな恋心に胸きゅんで、泣けて笑えて感動して大好きな映画になりました。
数年前に、大人の私が見ても感動するのかしら?と観てみたところ
あの時にはわからなかった両親の気持ちや先生たちの感情までも
実感できてしまい、10歳の私の何倍も感動して号泣してしまいました。子供にも大人にもお薦めの映画です♪
見た!
アランパーカーの出世作と言われるこの「メロディ」
原題は少女の名前「メロディ」のみである。
日本での公開で小さな恋のメロディとなったらしいが、1971年の作品らしく、随所に古くさく、かつ、ワイルド、かつ、すれてない人間たちが登場する。二時間近く一度も飽きなかった。
11歳の少年少女たち全員が物語の主人公。初々しい。そして周りの大人たち、親たちさえも初々しい。1971年に35-40くらいだとすると少年期に世界大戦という世代。
私自身が初老に差し掛かっているせいもあるけれど、これは世界共通の常識としておさえておきたい良作。
恋と秩序の葛藤
冒頭のBB(少年軍)の行進。解散したのは教会。軍隊と教会という秩序と規律を重んじるところに少年たちがいることは、この映画の登場人物の精神的な基底を表している。
大人たちは子供に秩序や理性を求める。これらを子供に理解させて、これに従うようにすることこそが、大人に課せられた義務、すなわち教育であるとばかりに。
しかし、少年少女は大人が思うような型にはなかなかはまってはくれない。むしろ、そこからの「逸脱」にこそ彼らの楽しみがあると言わんばかりに、下校時の子供たちはものすごい勢いで学校から出ていく。
この子供と大人の対立が、ダニエルとメロディの恋をきっかけに痛快な破局へ向けて動き出すのだ。
恋をするとどうしようもない衝動に駆られる。訳も分からないほど相手とずっと一緒にいたいと思う。その恋に落ちた二人に対して、大人たちはその恋そのものに言及することなく、秩序と理性に戻ることを説くことしかできない。
映画はこのように大人たちを硬直化した考えの持ち主として批判的に描いている。しかし一方で、ダニエルの両親がホームパーティーで、カトリックが避妊をしないことを茶化しているように、大人たちも恋や愛欲のどうしようもなさについて自覚していることを告白している。
そう、大人たちが子供たちに威儀を正して諭すのは、実は心の内に子供たち同様の無秩序や衝動を秘めていて、このような大人になった子供が苦しむことを知っているからなのだ。自分のような大人になって欲しくないという、「親心」とはこのことである。
であればこそ、この作品で描かれているように、大人たちは滑稽で憐れな存在なのだ。
ほのぼのとした純粋な恋心
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:80点 )
挿入歌のビージーズの名曲「メロディ・フェア」を以前から知っていたので、いつか観ようとは思っていた作品だが、こんなに古い映画だとは思わなかった。
最初は日常の学校生活が平凡に描かれるだけで、特に物語として何が展開があるわけでもなかったのだが、中盤からの幼い二人の恋物語が可愛らしい。世間知らずの何もわかっていない二人だからこその純粋な気持ちがとてもまっすぐで、もう大人の説得や級生のひやかしすらはねのけて二人で別の世界に行ってしまう。先生が乗り込んでくる最後だけはいきなりどたばた喜劇になってしまうのはどうかと思うが、優しい音楽にのせてほのかに描かれる恋心にほのぼのとする。登場する少年少女も可愛い。
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