小さな恋のメロディのレビュー・感想・評価
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透明感のあるビージーズサウンドが永遠の空想を包む
110.デジタルリマスター版リバイバル。劇場で鑑賞出来るのは日本での異常人気のおかげだろう。アラン・パーカーが初めて映画に関わった作品として余りにも有名。時代を越える普遍性。英国の階級社会が垣間見える。「チェロがガタッ」このシーンが最高
男の子はなかなかイケメンだ。可愛いメロディ♫と流れる曲は知っていた...
子どもたちの恋と謀反。
「結婚しよう」
砂浜でダニーがメロディにそう言ったとき、なぜだろう、「永遠」を感じた。
僅か10歳くらいの子どもの口約束。
たぶん性欲すらまだ前提にしていない、
純粋にただ「好きな人と一緒にいたい」という願い。
思春期を迎え3年後にはもう2人は心変わりしているかもしれない。
10年後には一緒にいないかもしれない。
それでも感じたあの「永遠」。いったい何だったのだろう。
そして彼らを押さえつけてきた大人に反旗を翻し、クラスメイトたちとだけで2人が挙げた「結婚式」。
そして大人たちの反撃にクラスメイトの男の子が放った爆弾(失敗を重ねてようやく成功した)。
大人たちの追跡を振り切って手動式トロッコで駆け落ちする二人の姿。
痛快でこの上なく美しかった。
ダニーとメロディの「なぜ今結婚してはいけないの」という純粋な問いかけに、彼らを納得させるだけの答えを提示できる大人はどれだけいるのだろう。
個人的にはダニーの友人・トムの心の揺らぎや、ダニーへの想いがちょっと切なかったな。
あとメロディがとても可愛い!ダニーと一緒に彼女に恋した。
学校の教室、クラスメイトとの目配せ、秘密基地の廃墟、小さな身体で接する家族、街へのないしょのお出掛け。
子どもの世界はいつもたくさんの冒険と大人に囲われた壁に満ちている。
そしてこの映画は音楽が素敵。古きよきフォークソングテイストな挿入歌も良い。子どもたちのじゃれ合いに挿入歌が寄り添って、とても優しく美しいシーンになっていた。
特にダニーとメロディが初めて二人で墓地に行くシーンの歌が印象的。
恋をするのはいけないことか
割とどこにでもいるようなおさげの少女メロディ、シャイで臆病なショタっ子ダニエル、独りっ子でやんちゃなダニエルの親友トム。バレエを踊るキミをドアの小窓から覗く。BB(少年軍)の行進から始まる。バスとリコーダーの輪唱で互いに気持ちが高揚していく名シーン。ダニエルが恋にのめり込み自分のもとからメロディにいってしまった時のトムの嫉妬。墓場の森の瑞々しさ満点のBGM「若葉のころ」とともにリンゴをかじり合う→ふたり授業サボって遊園地、海辺デート→生徒みんなで授業ボイコットして廃墟で結婚式→子供vs大人。爆弾でクルマ大破。先に続く線路を二人を乗せたトロッコが進んでいく空からのショットで幕。
子供たちのシーンだけでなく常にそこには大人がいるように、大人の想いを子供に伝えようとしている映画だなと思った。
ピュア映像と音楽は時を越える
メロディ・フェア
一番好きな映画かも♪
見た!
メロディが愛らしい。
70年代映画
70年代の映画っていうのは、映像も今では可愛く見える。
無邪気な子供の姿が見えて、結局子供の純粋さには大人は勝てないのだ。
まさにこの作品は子供の純粋さを表現していて、Mick Jaggerのポスターにキスしたり、結婚したいと言い出したり、あのくらいの年代には多い大人ぶる行動が可愛かった。
でもなんと言ってもジャックワイルドの演技力だと思う。あの3人の中でダントツで上手くて、まだ小さい子供なのに。この映画がいい理由の1つは絶対にジャックワイルドであると言える。
日本でしかヒットしなかったのはなぜか分からないが、絶対に一度は観るべき映画の1つであると思う。
恋と秩序の葛藤
冒頭のBB(少年軍)の行進。解散したのは教会。軍隊と教会という秩序と規律を重んじるところに少年たちがいることは、この映画の登場人物の精神的な基底を表している。
大人たちは子供に秩序や理性を求める。これらを子供に理解させて、これに従うようにすることこそが、大人に課せられた義務、すなわち教育であるとばかりに。
しかし、少年少女は大人が思うような型にはなかなかはまってはくれない。むしろ、そこからの「逸脱」にこそ彼らの楽しみがあると言わんばかりに、下校時の子供たちはものすごい勢いで学校から出ていく。
この子供と大人の対立が、ダニエルとメロディの恋をきっかけに痛快な破局へ向けて動き出すのだ。
恋をするとどうしようもない衝動に駆られる。訳も分からないほど相手とずっと一緒にいたいと思う。その恋に落ちた二人に対して、大人たちはその恋そのものに言及することなく、秩序と理性に戻ることを説くことしかできない。
映画はこのように大人たちを硬直化した考えの持ち主として批判的に描いている。しかし一方で、ダニエルの両親がホームパーティーで、カトリックが避妊をしないことを茶化しているように、大人たちも恋や愛欲のどうしようもなさについて自覚していることを告白している。
そう、大人たちが子供たちに威儀を正して諭すのは、実は心の内に子供たち同様の無秩序や衝動を秘めていて、このような大人になった子供が苦しむことを知っているからなのだ。自分のような大人になって欲しくないという、「親心」とはこのことである。
であればこそ、この作品で描かれているように、大人たちは滑稽で憐れな存在なのだ。
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