タワーリング・インフェルノのレビュー・感想・評価
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摩天楼炎上
その昔、ゴールデンでよく流れていたが、秘書が飛び降りるシーンかな、トラウマ的に記憶している。通してちゃんと見たのは初めてかもしれぬ。
技術的な点な説明は無理も感じるし、火災描写にはゆるさも感じるところ。しかし、実際セットを組んで燃やしているのだろうところの迫力や画力は色褪せない。
現代から見ていて興味深いのは男女描写。色恋多くて男の自己犠牲ぶりが充満。悪役を一人被った婿君ですら女性の退避を見届けるまでは醜態を晒さない。
蜘蛛の糸のような婿の末路にしても詐欺師にしても、サイドストーリーにドラマ性や教示的な話が織り込まれている。なぜミュラー女史は命を落とし猫が残されたのか。どうも、あとに引く。舞台である摩天楼が欲に塗れて炎上というのも宗教感が漂う。
映画全体の長さはこれらキャラの多さによるところが大きいが、無駄に長いとは言えない。てんこ盛りが過ぎて、何を食べたのか分からぬようにはなってしまうが。
ハリウッドパニック映画
柔剛、甲乙付け難し
あぁ、もう、子供の頃から何度観た事でしょうか。
本当に好きなものの前には言葉は無力です。
両雄並び立つのが好きなのです。
硬軟、剛柔、それぞれに良さと魅力があります。
メルセデスもフェラーリもどちらも好きなのです。
敢えてどちらか一方を選べと言われればスティーブ・マックィーンですが、世の中、左右白黒付けるよりも「同じ階層の住人」である事の方が肝要ではないでしょうか。大切なのはx軸、y軸よりもz軸だと思いますね。
はい、キャストの話ばかりしてしまいましたが、ストーリーもパニック映画の原点&頂点の座を未だ譲らずだと思いますね。
「コストを削るなら階層を削れ」とポール演じるダグは言い放ちます。
対してマックィーンasオハラハンも「設計屋は高さを競い合う」とも・・・。
日本でも一時期、過去の手抜き工事が集中的に話題になった事がありますが、吾妻ひでお氏の「失踪日記」を読めば、それがいかに日常的な事であったのかわかりますよ。
ですから、高さを競い合うのは本当に愚かな話だと思います。バベルの塔ですね。タワーマンションなど、怖くて購入出来ないです。1泊2泊程度ならばともかくね。
この50年経っても色褪せないリアリティ、本当に見事です。
本作に影響を受けたり、オマージュとして活用したりした作品も山のようにありますね。トラブルを火災以外に差し替えての上手なパニックストーリー作品が多々ありました。
(子供向け漫画では、手塚治虫先生や魔夜峰央先生作品にも見られたなぁ)
あぁ、あまりに好き過ぎると論理的レビューが出来なくなるケースもあるものですね。
一時期、レンタルビデオ屋にもVODにもまったく無く、よもや二度と観られないのか!?と不安になった事もありましたが、現在はそのような心配も通り過ぎたようです。
長広舌になりました。
未視聴の方はなるべく観てね。
最も言いたいことはそれだけです。
火の怖さを疑似体験出来る、名作。
1975年の映画とは思えないクオリティ。火災のリアリティ、人的事故の典型。パニック映画好きは観ておくべき作品。
正常性バイアス含めて、人間の描写が秀逸。パニックに陥った時の人間の理性無き行動。『大丈夫だろう』『規定通り』など、よくある仕事の手抜きから始まる負の連鎖。
対照的に理性を持って行動出来る主役の2人、スティーブ・マックィーンとポール・ニューマン。この超高層ビルでの火災というパニックの中で、冷静に、素早く、的確に判断しとにかく格好良い。
判断を躊躇したり、間違えると死が待っている。容赦無い描写もあるが、災害は人を選ばない。
CGの無い時代にこれだけリアルを追求したのは、とてつもない挑戦だったと思う。そして、見事に語り継がれる名作に。3時間という長さも短く感じられる。必見。
2時間45分でも長く感じないパニック映画の大作
『バックドラフト』を観たことがきっかけで消防士になった高校時代の同級生が薦めてくれた70年代のパニック映画最高傑作
そのジャンルなら個人的には『ポセイドンアドベンチャー』の方が好きだが
ポール・ニューマン&スティーブ・マックイーン2大スーパースターがダブル主演
ポールは火災を起こした高層ビルの設計者
スティーブは消防隊の隊長
ケチって設計通りの配電をしなかったことが原因でショートし出火
おまけにスプリンクラーは作動せず高層ビルは大火災
火事と知りながらパーティーを続けようとする社長もずいぶん呑気なものである
このころのハリウッドは今と違い白人中心の映画だ
黒人やアジア系はエキストラや誰でもいい端役がほとんど
そのなかで警備員の役で目立っていたのはOJシンプソンだが懐かしい
人気プロスポーツの元スター選手だからとはいえなんでハリウッドデビューできたんだろ
70年代の作品
もちろんCGなんてものはない
火達磨になっている人はスタントマンだろうか
CGにケチをつけるわけではないが本物の迫力は凄い
昔のハリウッドの人たちは今よりも頭をフル回転に使って面白い映画を作っていたように思えてならない
今はポリコレ棒に配慮して配役に気を使うことを最優先にしているんじゃないかと感じてしまう
救助に来たのに屋上に着陸失敗して爆発炎上したヘリコプターあたりでいよいよかなりやばいなと危機感を感じる
爆発によって展望エレベーターが破壊され止まってしまう一連のシーンもなかなかの迫力で背筋が凍る
給水タンクを爆破してビル火災を消火するなんてアメリカらしい豪快な解決策
進学もしなきゃ就活もしないドラ息子でもこの映画を観ればきっと目指すべき道が見つかるかもしれない
おじいちゃんおばあちゃんもデートでこの映画を観たあとホテルで燃えただろうな
建築費をケチるとロクな事にならない
最高に楽しめました。
・スティーブマックイーン、ポールニューマンの好演
・個々に繰り広げられるヒューマンドラマ
・ディザスター映画として
・撮影の迫力と特撮技術の素晴らしさ
色々な面で語りがいがあり、見応えのある素晴らしい作品だと思います。
その中で、私が特筆したいのは、このような事態を引き起こした原因が、様々なところにある、というのを描いている点です。
直接の出火原因を作ってしまったのは、材料費を設計とは違う安物に変えてしまった憎らしいアイツ(娘婿)ですが、そのきっかけを与えたのはオーナーの「建設費を安くしろ」という指示ですし、完成後に実物確認をしなかった設計屋(ポールニューマン)にも落ち度があります。あと、完成後にスプリンクラーの運転テストや避難訓練を怠ったビルの運営会社も悪い。
また、異常を感知していながら、運営会社の初動が悪いし、火災が発生してからの連絡の悪さも目立つ(何はともあれ、すぐに避難させろよ!)。完成披露を優先して避難をさせてようとしなかった、オーナーも悪い。
そういった様々な要因が運悪く重なって起きた、大惨事である。色々と、改善点が分かりやすく示されており、教訓モノとしても優れていると思う。
そびえ立つ地獄・・・
恐ろしい傑作
こんなに面白かったっけ、と。
将来1万人が死ぬ災害が起こる・・・
中学生の頃に『ポセイドン・アドベンチャー』を観てからパニック映画大好き少年になったのですが、なぜだかこの作品だけ映画館では見れなかった。TV放映されても、チラ見する程度で真剣には見てなかったのです。なぜなんだろ・・・と、今日まともに見てみると、気づいたことがありました。火災の映画にトラウマがあったからだ!
火災に直接遭ったことはないのですが、3歳の頃に両親が結婚式に出かけてしまい、家に一人残された幼いこどもがいました。冬だったので石油ストーブを点けっぱなしで出かけたらしいのです。結婚式だから、せいぜい3,4時間くらい・・・ということだったのでしょう。ところが、当時の石油ストーブには安全装置なんてものはありません。芯がうまく調整されてなかったのか、不完全燃焼の状態だったのです。こどもには芯の調整を自分でできる能力もなく、一酸化炭素が蔓延する小部屋から逃げ出すものの、外に通ずるドアには全て鍵が・・・息苦しい、煙が充満、目も見えない状態となり、逃げ惑う少年。這うようにして煙から逃れ、意識を失いました。そう、それは私です。何故だか苦しかったことだけ覚えています。後から聞くと、もう数分遅れていたら死んでいたかもしれない。だったそうです。時々父親から「3歳のとき、お前を殺しかけた」と泣いて謝っていたことも数度ありました。
多分それがトラウマの原因となり、火災の映画を見ると息苦しさを感じていたから、無意識に避けていたのでしょう。『バックドラフト』もそうです。『オンリー・ザ・ブレイブ』もそうです。映画館ではとても見れないだろうし、途中退席しそうなほどなのです。一番辛かったのはUSJのバックドラフト館でした・・・これは時間が短いから平気でしたけど、今作みたいに長時間に及ぶと絶対に休憩が必要なほど息苦しさを感じるのです。それを今回改めて感じました・・・
でもストーリーは単純ながらも素晴らしい。真面目に見ると、やはりフレッド・アステアのパートが最高でした。エレベータ、階段、隣のビルへのゴンドラ移動、そしてエレベータの吊り下げ、給水塔の・・・と、この作品以降に似たようなスペクタクルが使われてますが、原点でもあります。そして予算削減のための品質劣化や災害対策など、未来に向けたメッセージが色々と盛り込んでありました。そして、「蜘蛛の糸」のカンダタも一つのテーマですね!
豪華スター共演のハリウッド映画の威容
グランドホテル形式によるパニック映画の代表作。地上138階の高層に取り残された人たちを救助する様々な方法をスリル満点に描き、見応えのある大作映画の醍醐味を味わう。キャスティングが豪華で、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンの二大スターの共演が最大の魅力であり、特にマックイーンの演技派アクションスターの存在感が一際輝く。フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズ、ウイリアム・ホールデンの往年の名優の見せ所もある。フェイ・ダナウェイもいいが、一人悪役のリチャード・チェンバレンには同情する。「ポセイドン・アドベンチャー」のスターリング・シリファントの脚本が練られていて、破綻なく最後まで見せる。製作アーウィン・アレンがアクションシーン演出を兼ねているから、ジョン・ギラーミン作品というよりアーウィン・アレンのハリウッド映画としての評価が正当であろう。
炎は意思を持っている。
パニック映画の名作
半世紀近く前の映画とは思えない!
今でも心に残る
炎と煙の恐怖・・
序盤こそまだ火の勢いが弱かったので、映画の中の人たちと同じく緊張感は感じれなかったけど、中盤以降、火の勢いが増してから、イッキに緊張感、緊迫感が出て、ハラハラの展開が続いていきました。火の勢いが凄まじく、自分のいる場所にもどんどん迫る恐怖、その中で何もできない焦燥感、更には、隙間から容赦なく入り込む煙の恐怖、このあたりがスゴく克明に、残酷に描写されていた。定期的に高層ビルの引きの画面で、火の侵食レベルを見せるのも危機感を煽っていてよかった。
その中でも、勇敢に、逃げ遅れた人たちを救出しようとする消防士や設計士の命がけの行動、ホントに心に刺さりました。ただいろんな救出作戦がことごとくトラブり、危機的な状況から抜け出せず、息つく暇がない。ヘリコプターの墜落しかり、展望エレベーターの停止しかり。特に、展望エレベーターの停止はショッキングでした。そして、最後の屋上爆破作戦。この作戦も大きな犠牲を払う衝撃的なものでした。洪水に流され、溺れる人、ビル外に落とされる人など描写され、さらにショッキングな展開に。鎮火後も、犠牲になった消防士の描写など、胸が締め付けられるようなシーンのままエンディングを迎える。最近の映画にはない全体通して、残酷で、重いストーリーの作品でした。
人間模様も時間をかけて表現されていたけど、ほとんど互い心配する男女ペアばっかりだったので、もっとパターンがたくさんあった方がよかったかな。
キャストの中では、やっぱりマックイーンが圧倒的存在感。なんでこんなにカッコいいんでしょうか 笑
この約50年“ハリウッド”はこれを超えるdisaster映画は作れていない(“ハリウッド”自体が変質してしまったから最早ムリか)
①ビデオやDVDではその後何回か観ているけれども、大スクリーンでは45年ぶり2回目。映画に本格的に恋することになったキッカケの映画。同時にフェイ・ダナウェイにも恋するキッカケになった映画(ずいぶんませたガキだったわけ)。
②ただだだ圧倒されていた中2のガキと、還暦目前のオヤジとではやはり見るところも変わってくるわけだし、この50年で「グラスタワー」より高いビルも立ってしまったわけだけれども、『当時はこれが最先端立ったんだよなぁ』という感慨を持つ反面、今観てもそれほど古くさく感じない。逆に今のSFX映画を見慣れた目には手作り感が懐かしい。
③まずはrealityを離れて娯楽映画として見てみると、脚本が良くできている。オールスター映画に有りがちのな人間模様をだらだらと描かず、結構早い時点で火事が起こり消防車が駆け付けている(初見の時は導入部はもう少し長かったように感じた)。だから話がだれない。演出も中弛みせずに全編ほぼ同じテンションで進んでいく。次から次と起こる新たな事故に丁寧に果敢に対応していくスティーブ・マックイーン演じる隊長率いる消防士達の活躍も(ポール・ニューマン演じる設計士もそれなりに頑張るけど)変わらず感動的に描かれていく。かといって人間模様の方もお座なりにはされず、特撮場面には負けない程度の濃さでに点描されている。45年前に比べて字幕を見なくても台詞が分かるようにようになったせいかも知れないけど。(初公開時はこれまた更に以前のハリウッドオールスター大作に比べ人間描写が弱いとの批評が少なからずあった。時代は廻るんだな。)ただし、編集部分でカットされたのかブレッド・アステア扮する詐欺師とジェニファー・ジョーンズ扮する裕福な未亡人が恋に落ちるのが唐突すぎて背景が描写不足。また、市長夫婦も中盤から突然存在が前に出てきて娘の話をし出す。これも映画の流れをだらけさせるか何かの理由で編集でカットされたのかも知れないが、パーティーに出る前の娘とのシーンをチョコッと加えたら、唐突な市長夫婦エピソードの介入をもう少し自然に感じられたのかも知れない。
④一方、今回、スーザン・ブレークリー扮するパメラが結構ファザコン娘であることが理解でき、これまでは薄っぺらな一人悪役と思っていたリチャード・チェンバレン扮するロジャーの屈折した内面が少しわかった(でもクソ野郎であることには変わりはないけれど)。⑤
ああ、凄かった! それだけで終わってしまうのがなんとももったいない
サンフランシスコにそびえたつ超高層ビルグラスタワー
高さ550m、138階建てとの設定だ
どのくらい高いかというと
全米一高いビルは建て替えられたNYのワールドトレーニングセンター541m、141階建て
二位はそれまでの一位でシカゴのウィルスタワー
というよりシアーズタワーという昔の名前の方が通りが良い
こちらは1974年竣工、108階建て
911で崩壊したWTCのツインタワーより高かった
このビルが本作のモデルだろう
外観もなんとなく似通っている
つまり21世紀の現代でも全米一の高さのビルという設定だ
本作のグラスタワーの場所はサンフランシスコのモンゴメリー通りと消防士が話すがその名の通りは実在しない
映像から見る限りフィナンシャル地区のカリフォルニア通りとドラム通りの北東角、今はハイアットリジェンシーホテルが建っているところ
ここに設定されているようだ
ケーブルカーのカリフォルニア線の始発停留所の真ん前
チンチンとケーブルカーの鐘の音がしている
東京で言えば大手町の角位のイメージか
正にサンフランシスコのど真ん中だ
今現実にここに建っているビルはハイアットリジェンシーホテルで、20階の高さしかない
現実のサンフランシスコで一番高い建物は2017年完成の61階建てのビルとのこと
本作から半世紀近く経っても本作の半分の高さに過ぎないのだ
このサンフランシスコの中心で全米一の超高層ビルが大火災になる
物語としてはそれだけだ
パニック映画なのだから、二つのやり方がある
一つはパニックをあくまでメインの登場人物を中心に描くやり方
もう一つはグランドホテル形式の変形でパニックを縦糸に多数の登場人物が横糸でタペストリーのように沢山の物語をつむぎだして大団円でそれぞれの物語が閉じられて終わるやり方
本作はどちらか?
どちら付かずの中途半端であった
前者はニューマンの設計士とマックイーンの消防士の複線で、後者はきら星のスターで
製作者としては全部のせなんだから満腹感が違うだろうくらいに考えていたのかもしれない
果たしてでき上がった本作は、大スターと巨額の経費をかけたセット、見事な特撮とスタント
そして大スター達が織り成すドラマで構成された
パニック映画の決定版となった
確かに面白い、大ヒットもした
グランドホテル形式の個々のドラマに面白い部分もある
特にフレッド・アステアを巡るお話は心に残る
劇中で歌われるモリーン・マクガバンの大ヒットした主題歌も素晴らしい
しかしそれだけだ
ニューマンとマックイーンは結局群像の一つに過ぎなくなってしまっている
グランドホテル形式の個々のドラマも薄い
クライマックスも物凄い迫力だがカタルシスはないのだ
密室の様で密室でないお話の展開が緊迫感をそいでいるのかもしれない
ああ、凄かった!
それだけで終わってしまうのがなんとももったいない
ポセイドンアドベンチャーのような牧師を巡る深みのある物語や、神や人間の運命に関する胸を去来するものはどこにもない
これ程の超大作なのにラストシーンで超高層ビルを建てるならもっと真剣に消防の意見を聞くべきだ、そんな話で本作はエンドロールを迎えてしまうのだ
これではB級映画の後味しか残らない
なんとも薄ぺらいのだ
例えばバベルの塔に見立てた神と人間の対立の視点とかを入れ、様々なドラマがクライマックスで昇華するようなものにできなかったものか?
もっとなんとかならなかったものだろうか?
しょせんパニック映画だからこんなもので良いのだろうか?
ともあれ、パニック映画のジャンルが本作を持って一旦終わったのは、本作を上回るような作品は予算的にも内容的にも無理だということだろう
パニック映画は、もっとスケールを大きくした災害映画として仕切り直すことになるが、映画としての構成は前者のあくまでもメインの登場人物を中心として展開されグランドホテル形式の作品は見かけなくなっていく
全103件中、61~80件目を表示















