タワーリング・インフェルノのレビュー・感想・評価
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2時間45分でも長く感じないパニック映画の大作
『バックドラフト』を観たことがきっかけで消防士になった高校時代の同級生が薦めてくれた70年代のパニック映画最高傑作
そのジャンルなら個人的には『ポセイドンアドベンチャー』の方が好きだが
ポール・ニューマン&スティーブ・マックイーン2大スーパースターがダブル主演
ポールは火災を起こした高層ビルの設計者
スティーブは消防隊の隊長
ケチって設計通りの配電をしなかったことが原因でショートし出火
おまけにスプリンクラーは作動せず高層ビルは大火災
火事と知りながらパーティーを続けようとする社長もずいぶん呑気なものである
このころのハリウッドは今と違い白人中心の映画だ
黒人やアジア系はエキストラや誰でもいい端役がほとんど
そのなかで警備員の役で目立っていたのはOJシンプソンだが懐かしい
人気プロスポーツの元スター選手だからとはいえなんでハリウッドデビューできたんだろ
70年代の作品
もちろんCGなんてものはない
火達磨になっている人はスタントマンだろうか
CGにケチをつけるわけではないが本物の迫力は凄い
昔のハリウッドの人たちは今よりも頭をフル回転に使って面白い映画を作っていたように思えてならない
今はポリコレ棒に配慮して配役に気を使うことを最優先にしているんじゃないかと感じてしまう
救助に来たのに屋上に着陸失敗して爆発炎上したヘリコプターあたりでいよいよかなりやばいなと危機感を感じる
爆発によって展望エレベーターが破壊され止まってしまう一連のシーンもなかなかの迫力で背筋が凍る
給水タンクを爆破してビル火災を消火するなんてアメリカらしい豪快な解決策
進学もしなきゃ就活もしないドラ息子でもこの映画を観ればきっと目指すべき道が見つかるかもしれない
おじいちゃんおばあちゃんもデートでこの映画を観たあとホテルで燃えただろうな
建築費をケチるとロクな事にならない
最高に楽しめました。
・スティーブマックイーン、ポールニューマンの好演
・個々に繰り広げられるヒューマンドラマ
・ディザスター映画として
・撮影の迫力と特撮技術の素晴らしさ
色々な面で語りがいがあり、見応えのある素晴らしい作品だと思います。
その中で、私が特筆したいのは、このような事態を引き起こした原因が、様々なところにある、というのを描いている点です。
直接の出火原因を作ってしまったのは、材料費を設計とは違う安物に変えてしまった憎らしいアイツ(娘婿)ですが、そのきっかけを与えたのはオーナーの「建設費を安くしろ」という指示ですし、完成後に実物確認をしなかった設計屋(ポールニューマン)にも落ち度があります。あと、完成後にスプリンクラーの運転テストや避難訓練を怠ったビルの運営会社も悪い。
また、異常を感知していながら、運営会社の初動が悪いし、火災が発生してからの連絡の悪さも目立つ(何はともあれ、すぐに避難させろよ!)。完成披露を優先して避難をさせてようとしなかった、オーナーも悪い。
そういった様々な要因が運悪く重なって起きた、大惨事である。色々と、改善点が分かりやすく示されており、教訓モノとしても優れていると思う。
そびえ立つ地獄・・・
恐ろしい傑作
こんなに面白かったっけ、と。
将来1万人が死ぬ災害が起こる・・・
中学生の頃に『ポセイドン・アドベンチャー』を観てからパニック映画大好き少年になったのですが、なぜだかこの作品だけ映画館では見れなかった。TV放映されても、チラ見する程度で真剣には見てなかったのです。なぜなんだろ・・・と、今日まともに見てみると、気づいたことがありました。火災の映画にトラウマがあったからだ!
火災に直接遭ったことはないのですが、3歳の頃に両親が結婚式に出かけてしまい、家に一人残された幼いこどもがいました。冬だったので石油ストーブを点けっぱなしで出かけたらしいのです。結婚式だから、せいぜい3,4時間くらい・・・ということだったのでしょう。ところが、当時の石油ストーブには安全装置なんてものはありません。芯がうまく調整されてなかったのか、不完全燃焼の状態だったのです。こどもには芯の調整を自分でできる能力もなく、一酸化炭素が蔓延する小部屋から逃げ出すものの、外に通ずるドアには全て鍵が・・・息苦しい、煙が充満、目も見えない状態となり、逃げ惑う少年。這うようにして煙から逃れ、意識を失いました。そう、それは私です。何故だか苦しかったことだけ覚えています。後から聞くと、もう数分遅れていたら死んでいたかもしれない。だったそうです。時々父親から「3歳のとき、お前を殺しかけた」と泣いて謝っていたことも数度ありました。
多分それがトラウマの原因となり、火災の映画を見ると息苦しさを感じていたから、無意識に避けていたのでしょう。『バックドラフト』もそうです。『オンリー・ザ・ブレイブ』もそうです。映画館ではとても見れないだろうし、途中退席しそうなほどなのです。一番辛かったのはUSJのバックドラフト館でした・・・これは時間が短いから平気でしたけど、今作みたいに長時間に及ぶと絶対に休憩が必要なほど息苦しさを感じるのです。それを今回改めて感じました・・・
でもストーリーは単純ながらも素晴らしい。真面目に見ると、やはりフレッド・アステアのパートが最高でした。エレベータ、階段、隣のビルへのゴンドラ移動、そしてエレベータの吊り下げ、給水塔の・・・と、この作品以降に似たようなスペクタクルが使われてますが、原点でもあります。そして予算削減のための品質劣化や災害対策など、未来に向けたメッセージが色々と盛り込んでありました。そして、「蜘蛛の糸」のカンダタも一つのテーマですね!
豪華スター共演のハリウッド映画の威容
グランドホテル形式によるパニック映画の代表作。地上138階の高層に取り残された人たちを救助する様々な方法をスリル満点に描き、見応えのある大作映画の醍醐味を味わう。キャスティングが豪華で、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンの二大スターの共演が最大の魅力であり、特にマックイーンの演技派アクションスターの存在感が一際輝く。フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズ、ウイリアム・ホールデンの往年の名優の見せ所もある。フェイ・ダナウェイもいいが、一人悪役のリチャード・チェンバレンには同情する。「ポセイドン・アドベンチャー」のスターリング・シリファントの脚本が練られていて、破綻なく最後まで見せる。製作アーウィン・アレンがアクションシーン演出を兼ねているから、ジョン・ギラーミン作品というよりアーウィン・アレンのハリウッド映画としての評価が正当であろう。
炎は意思を持っている。
パニック映画の名作
半世紀近く前の映画とは思えない!
今でも心に残る
炎と煙の恐怖・・
序盤こそまだ火の勢いが弱かったので、映画の中の人たちと同じく緊張感は感じれなかったけど、中盤以降、火の勢いが増してから、イッキに緊張感、緊迫感が出て、ハラハラの展開が続いていきました。火の勢いが凄まじく、自分のいる場所にもどんどん迫る恐怖、その中で何もできない焦燥感、更には、隙間から容赦なく入り込む煙の恐怖、このあたりがスゴく克明に、残酷に描写されていた。定期的に高層ビルの引きの画面で、火の侵食レベルを見せるのも危機感を煽っていてよかった。
その中でも、勇敢に、逃げ遅れた人たちを救出しようとする消防士や設計士の命がけの行動、ホントに心に刺さりました。ただいろんな救出作戦がことごとくトラブり、危機的な状況から抜け出せず、息つく暇がない。ヘリコプターの墜落しかり、展望エレベーターの停止しかり。特に、展望エレベーターの停止はショッキングでした。そして、最後の屋上爆破作戦。この作戦も大きな犠牲を払う衝撃的なものでした。洪水に流され、溺れる人、ビル外に落とされる人など描写され、さらにショッキングな展開に。鎮火後も、犠牲になった消防士の描写など、胸が締め付けられるようなシーンのままエンディングを迎える。最近の映画にはない全体通して、残酷で、重いストーリーの作品でした。
人間模様も時間をかけて表現されていたけど、ほとんど互い心配する男女ペアばっかりだったので、もっとパターンがたくさんあった方がよかったかな。
キャストの中では、やっぱりマックイーンが圧倒的存在感。なんでこんなにカッコいいんでしょうか 笑
この約50年“ハリウッド”はこれを超えるdisaster映画は作れていない(“ハリウッド”自体が変質してしまったから最早ムリか)
①ビデオやDVDではその後何回か観ているけれども、大スクリーンでは45年ぶり2回目。映画に本格的に恋することになったキッカケの映画。同時にフェイ・ダナウェイにも恋するキッカケになった映画(ずいぶんませたガキだったわけ)。
②ただだだ圧倒されていた中2のガキと、還暦目前のオヤジとではやはり見るところも変わってくるわけだし、この50年で「グラスタワー」より高いビルも立ってしまったわけだけれども、『当時はこれが最先端立ったんだよなぁ』という感慨を持つ反面、今観てもそれほど古くさく感じない。逆に今のSFX映画を見慣れた目には手作り感が懐かしい。
③まずはrealityを離れて娯楽映画として見てみると、脚本が良くできている。オールスター映画に有りがちのな人間模様をだらだらと描かず、結構早い時点で火事が起こり消防車が駆け付けている(初見の時は導入部はもう少し長かったように感じた)。だから話がだれない。演出も中弛みせずに全編ほぼ同じテンションで進んでいく。次から次と起こる新たな事故に丁寧に果敢に対応していくスティーブ・マックイーン演じる隊長率いる消防士達の活躍も(ポール・ニューマン演じる設計士もそれなりに頑張るけど)変わらず感動的に描かれていく。かといって人間模様の方もお座なりにはされず、特撮場面には負けない程度の濃さでに点描されている。45年前に比べて字幕を見なくても台詞が分かるようにようになったせいかも知れないけど。(初公開時はこれまた更に以前のハリウッドオールスター大作に比べ人間描写が弱いとの批評が少なからずあった。時代は廻るんだな。)ただし、編集部分でカットされたのかブレッド・アステア扮する詐欺師とジェニファー・ジョーンズ扮する裕福な未亡人が恋に落ちるのが唐突すぎて背景が描写不足。また、市長夫婦も中盤から突然存在が前に出てきて娘の話をし出す。これも映画の流れをだらけさせるか何かの理由で編集でカットされたのかも知れないが、パーティーに出る前の娘とのシーンをチョコッと加えたら、唐突な市長夫婦エピソードの介入をもう少し自然に感じられたのかも知れない。
④一方、今回、スーザン・ブレークリー扮するパメラが結構ファザコン娘であることが理解でき、これまでは薄っぺらな一人悪役と思っていたリチャード・チェンバレン扮するロジャーの屈折した内面が少しわかった(でもクソ野郎であることには変わりはないけれど)。⑤
ああ、凄かった! それだけで終わってしまうのがなんとももったいない
サンフランシスコにそびえたつ超高層ビルグラスタワー
高さ550m、138階建てとの設定だ
どのくらい高いかというと
全米一高いビルは建て替えられたNYのワールドトレーニングセンター541m、141階建て
二位はそれまでの一位でシカゴのウィルスタワー
というよりシアーズタワーという昔の名前の方が通りが良い
こちらは1974年竣工、108階建て
911で崩壊したWTCのツインタワーより高かった
このビルが本作のモデルだろう
外観もなんとなく似通っている
つまり21世紀の現代でも全米一の高さのビルという設定だ
本作のグラスタワーの場所はサンフランシスコのモンゴメリー通りと消防士が話すがその名の通りは実在しない
映像から見る限りフィナンシャル地区のカリフォルニア通りとドラム通りの北東角、今はハイアットリジェンシーホテルが建っているところ
ここに設定されているようだ
ケーブルカーのカリフォルニア線の始発停留所の真ん前
チンチンとケーブルカーの鐘の音がしている
東京で言えば大手町の角位のイメージか
正にサンフランシスコのど真ん中だ
今現実にここに建っているビルはハイアットリジェンシーホテルで、20階の高さしかない
現実のサンフランシスコで一番高い建物は2017年完成の61階建てのビルとのこと
本作から半世紀近く経っても本作の半分の高さに過ぎないのだ
このサンフランシスコの中心で全米一の超高層ビルが大火災になる
物語としてはそれだけだ
パニック映画なのだから、二つのやり方がある
一つはパニックをあくまでメインの登場人物を中心に描くやり方
もう一つはグランドホテル形式の変形でパニックを縦糸に多数の登場人物が横糸でタペストリーのように沢山の物語をつむぎだして大団円でそれぞれの物語が閉じられて終わるやり方
本作はどちらか?
どちら付かずの中途半端であった
前者はニューマンの設計士とマックイーンの消防士の複線で、後者はきら星のスターで
製作者としては全部のせなんだから満腹感が違うだろうくらいに考えていたのかもしれない
果たしてでき上がった本作は、大スターと巨額の経費をかけたセット、見事な特撮とスタント
そして大スター達が織り成すドラマで構成された
パニック映画の決定版となった
確かに面白い、大ヒットもした
グランドホテル形式の個々のドラマに面白い部分もある
特にフレッド・アステアを巡るお話は心に残る
劇中で歌われるモリーン・マクガバンの大ヒットした主題歌も素晴らしい
しかしそれだけだ
ニューマンとマックイーンは結局群像の一つに過ぎなくなってしまっている
グランドホテル形式の個々のドラマも薄い
クライマックスも物凄い迫力だがカタルシスはないのだ
密室の様で密室でないお話の展開が緊迫感をそいでいるのかもしれない
ああ、凄かった!
それだけで終わってしまうのがなんとももったいない
ポセイドンアドベンチャーのような牧師を巡る深みのある物語や、神や人間の運命に関する胸を去来するものはどこにもない
これ程の超大作なのにラストシーンで超高層ビルを建てるならもっと真剣に消防の意見を聞くべきだ、そんな話で本作はエンドロールを迎えてしまうのだ
これではB級映画の後味しか残らない
なんとも薄ぺらいのだ
例えばバベルの塔に見立てた神と人間の対立の視点とかを入れ、様々なドラマがクライマックスで昇華するようなものにできなかったものか?
もっとなんとかならなかったものだろうか?
しょせんパニック映画だからこんなもので良いのだろうか?
ともあれ、パニック映画のジャンルが本作を持って一旦終わったのは、本作を上回るような作品は予算的にも内容的にも無理だということだろう
パニック映画は、もっとスケールを大きくした災害映画として仕切り直すことになるが、映画としての構成は前者のあくまでもメインの登場人物を中心として展開されグランドホテル形式の作品は見かけなくなっていく
炎の中で繰り広げられる圧巻のドラマ!
DVDで鑑賞(字幕)。
直近の映画だと、「スカイスクレイパー」しかり。
直近の小説だと、五十嵐貴久「炎の塔」しかり。
今日まで多くのリスペクトを集め続ける名画です。
ビルの中層階で発生した火災で、落成パーティーの参加者たちが取り残される事態に。スティーブ・マックィーン演じる消防士とポール・ニューマン演じるビルの設計士が、前代未聞の非常事態に知恵と勇気を武器に敢然と立ち向かいました。
極限状況で繰り広げられる人間ドラマが圧巻。上流階級や政治家など、様々な人間模様が入り乱れました。これぞパニック映画の醍醐味。スペクタクル描写も大事ですが、人間ドラマの無いパニック映画はパニック映画じゃないと言い切りたい。
小事が大事へと発展していく冒頭の展開はいろいろと身に摘まされました。「まぁ、これくらいどうってことないだろ」と云う油断と楽観が取り返しのつかない事態へと発展していくのは世の常。高校生の頃に初めて本作を鑑賞しましたが、仕事をしている今になって観返すと余計にそれを実感しました。なんでもなぁなぁでやっちゃあダメ。教訓になりました。
[以降の鑑賞記録]
2024/03/10:Blu-ray(吹替)
※修正(2023/07/14)
ぜんぜん古くない内容!
炎を甘くみてはいけません。
全98件中、61~80件目を表示