劇場公開日 1975年6月28日

「将来1万人が死ぬ災害が起こる・・・」タワーリング・インフェルノ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0将来1万人が死ぬ災害が起こる・・・

2020年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 中学生の頃に『ポセイドン・アドベンチャー』を観てからパニック映画大好き少年になったのですが、なぜだかこの作品だけ映画館では見れなかった。TV放映されても、チラ見する程度で真剣には見てなかったのです。なぜなんだろ・・・と、今日まともに見てみると、気づいたことがありました。火災の映画にトラウマがあったからだ!

 火災に直接遭ったことはないのですが、3歳の頃に両親が結婚式に出かけてしまい、家に一人残された幼いこどもがいました。冬だったので石油ストーブを点けっぱなしで出かけたらしいのです。結婚式だから、せいぜい3,4時間くらい・・・ということだったのでしょう。ところが、当時の石油ストーブには安全装置なんてものはありません。芯がうまく調整されてなかったのか、不完全燃焼の状態だったのです。こどもには芯の調整を自分でできる能力もなく、一酸化炭素が蔓延する小部屋から逃げ出すものの、外に通ずるドアには全て鍵が・・・息苦しい、煙が充満、目も見えない状態となり、逃げ惑う少年。這うようにして煙から逃れ、意識を失いました。そう、それは私です。何故だか苦しかったことだけ覚えています。後から聞くと、もう数分遅れていたら死んでいたかもしれない。だったそうです。時々父親から「3歳のとき、お前を殺しかけた」と泣いて謝っていたことも数度ありました。

 多分それがトラウマの原因となり、火災の映画を見ると息苦しさを感じていたから、無意識に避けていたのでしょう。『バックドラフト』もそうです。『オンリー・ザ・ブレイブ』もそうです。映画館ではとても見れないだろうし、途中退席しそうなほどなのです。一番辛かったのはUSJのバックドラフト館でした・・・これは時間が短いから平気でしたけど、今作みたいに長時間に及ぶと絶対に休憩が必要なほど息苦しさを感じるのです。それを今回改めて感じました・・・

 でもストーリーは単純ながらも素晴らしい。真面目に見ると、やはりフレッド・アステアのパートが最高でした。エレベータ、階段、隣のビルへのゴンドラ移動、そしてエレベータの吊り下げ、給水塔の・・・と、この作品以降に似たようなスペクタクルが使われてますが、原点でもあります。そして予算削減のための品質劣化や災害対策など、未来に向けたメッセージが色々と盛り込んでありました。そして、「蜘蛛の糸」のカンダタも一つのテーマですね!

kossy
kossyさんのコメント
2020年5月14日

たしかにヘビーな話です。
まぁほとんど記憶にないし、そのことによって両親を恨んだこともないし、トラウマがあったなんてことも先日まともにこの映画を観て初めて気づいたって感じです(笑)
死にそうになった経験なんて誰でもいくつかあるんだろうし、その中の一つだと思えば気になることもありませんよね。

kossy
asicaさんのコメント
2020年5月13日

レビューを読んでいるこちら側も息苦しくなるほどの臨場感です。
3歳?5歳でも無理かと思うのですが、あまりにハードな話で驚いてしまいました。お父さんの涙も心に痛いです。
でもそれだけで終わって本当に良かった!
そういえば 娘の同級生で修学旅行中に一家全員家事で亡くなったと言う子がいました。そして私は小一の時近所の天ぷら屋からの出火で家が全焼しました。

asica