「現代でも解決されない問題提起」タワーリング・インフェルノ くりあさんの映画レビュー(感想・評価)
現代でも解決されない問題提起
電気背設備のトラブルにより中層階で火災が発生し、最上階で竣工パーティ中の人々を火が襲う。
文字通りそびえたつ地獄と化す超高層ビルで繰り広げられる人間ドラマ。
人々は、それぞれの価値観で火と向き合い、火と戦い、あるいは逃げ、そして時として死ぬ。
コストダウンで品質を並にしたがためにおきる火災。
火災の報告を受けてもたいしたことないだろうと考える判断。
考えうるベストな行動をしたにもかかわらず失われる命。
約40年前の作品ながら、現代に起きても不思議のない、むしろ現代でこそ起きそうな内容で恐ろしい。
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錚々たる役者陣によりスクリーンに表現される登場人物たちはリアルで感情を揺さぶる。
犠牲になった消防士を見る消防隊長(マックィーン)のなんとも言えない表情が胸に刺さる。
警備主任(O.J.シンプソン)のプロらしい決断と行動も、脇役ながら光る。
詐欺師(フレッド・アステア)の猫を受け取って呆然と立ちすくむ姿は涙なしには見られない。
設計者(ポール・ニューマン)が超絶ヒーローなのとタンク爆破による鎮火はご都合主義的であるものの、二時間半の上映時間を感じさせない演出と脚本は今も色あせない。
文句なしの名作。
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momokichiさんのコメント
2023年8月19日
>警備主任(O.J.シンプソン)のプロらしい決断と行動も、脇役ながら光る。
詐欺師(フレッド・アステア)の猫を受け取って呆然と立ちすくむ姿は涙なしには見られない。
ほんとここ同意です。