「すごい見ごたえ」タワーリング・インフェルノ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
すごい見ごたえ
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午前十時の映画祭で、初めてスクリーンで鑑賞した。昔テレビで何度も見たように思うのだがすっかり内容を思い出せなかった。
大変な困難に正面から向き合い、必死で取り組む人々が描かれていてハラハラしながらも非常に感動的で、とても見ごたえがあった。オールスターキャストだと焦点の絞れないぼんやりした作品に陥りがちなのに、そんなことなくてよかった。マックイーンの登場が若干遅かったのがよかったのかもしれない。
一酸化炭素中毒が全く描かれないのは絵的に地味だからかな。クライマックスに貯水タンクを破壊して水が出るのだが、津波の恐怖を知っている目で見ると、あのような水しぶきではなく、ゆっくりと水かさが増して、いつの間にかすべてを流し去っていくあの怖さの表現じゃないかなと思った。もちろん天井から水が降ってくるのでちがうのだが。
電気系統を安物にすり替えた娘婿は、もっと無残な死にざまが見たかった。「火事はこいつのせいだ」とばらされて、リンチに合うとかそういうのがよかった。
実際は手すりなんか熱くて触れないんじゃないだろうか。パニックに備えて常に軍手を携行して、ぶら下がっても這い上がれるように懸垂ができるようにしておきたい。
虚飾の栄華が一転して地獄になるところに悪趣味な喜びを感じてしまうのは禁じえない、そんなことを意識させられるところも恐ろしい映画だった。
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