「人命救助の為の戦い」タワーリング・インフェルノ ニモさんの映画レビュー(感想・評価)
人命救助の為の戦い
映画の題名を聞いただけでいつもテンションが上がってしまう。
小学生の時から本作品のファンだが劇場で観るのは、今回が初めて。大スペクタクル、度肝を抜かれる場面の数々。人間模様も描かれ、見終わったあとは人間に対する警告を感じ取り苦しくなってしまう。
全編無駄な場面がひとつもない。
始まってすぐに伏線がたくさん張られる。冒頭から何かが起こりそう、じわじわと迫ってくる緊張感。始まりが華やかな場面であればあるほど、のちの展開が奈落に落ちていくように響いてくる。
あっという間の3時間。
観ている側は、この先になにが待っているのか知っている。分かっていながらこの作品に惹きつけられるのはなぜか。
ストーリーは災害の恐ろしさに加えて利益優先の経営、法定ギリギリのずさんな工事、覇権争いなど人間生活においていろんな問題も含む。
本作品の二大俳優の共演は感動的ですらある。
超イケメンのマックイーンとポール・ニューマン。どちらもほりの深い顔と体をすすで真っ黒にして人命の為に自らの命をかける。
安全第一で設計した自分のプランをないがしろにされたポール・ニューマンは激昂する。
過酷な救助活動で倒れ込んだマックイーンが、宙吊りになったエレベーターがあると聞けば吐息をつきながら「俺を吊るせ」とつぶやくシーンは、もう、鳥肌ものだ。
「麗しのサブリナ」のウイリアム・ホールデンがこんな風に歳を重ねていた。感慨深いものがある。
人の為に懸命になることがこんなに尊いとは。今回初めて観て泣けてしまった。
いつまでも色褪せぬ名作中の名作。
>人間に対する警告を感じ取り苦しくなってしまう。
同意です。
>過酷な救助活動で倒れ込んだマックイーンが、宙吊りになったエレベーターがあると聞けば吐息をつきながら「俺を吊るせ」とつぶやくシーンは、もう、鳥肌ものだ。
この文章だけでまた鳥肌がでてきました。
ほんとかっこいい。