劇場公開日 1975年6月28日

「西武魂か?圧巻の男気」タワーリング・インフェルノ Bluetom2020さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0西武魂か?圧巻の男気

2023年2月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

いやあ、何十年ぶりの再会だろう。昔話になるが、映画好きのませガキは、普段は名画座なのに待ちに待って封切館へ。当時、東京の超街中を除けば全席入替があまり定着しておらず、近郊では二度見ができた時代。感動して二度見したなあ。
それほど、マックイーンとニューマンの共演は胸が躍った。二人とも大好きな俳優で、少年のあこがれだった。年齢的にも役者経歴もポール・ニューマンが格上で、今考えると、納得の演出なんだけど、ポスターはマックイーンが先なのに登場がずいぶん遅くて「ゴジラ」っぽいなんて思ったもんだ。
きっと、二人のスターはどちらが映えるか、演技面でもかけひき面でも火花バチバチだったのだろなあ。これが、当時の映画ができた贅沢な共演作の魅力か?
巨大ビルの惨事の原因は、ちょっとした手抜きだったり、非常時の設備不稼働とか、バックヤードの整理とか。当時は「えー」と思ったが、繰り返される事故や摘発では70年代とあまり変わっていない。そこに絵も知れぬ恐ろしさを感じるし、そびえたつ超高層ビルの惨事は9.11を彷彿とさせ何ともやりきれない思い。
そんな中、登場する多くの男性陣が、女性を守り自己犠牲の精神で皆の生還のために奔走し協力する。この男気が良いね。市長もロバート・ボーンの上院議員も「我先」にならない演出に感激したな。実は女性陣も協力して生存可能性を譲り合ったり。さらに命を賭して戦う消防士。緊急時にこの精神、この作品のメッセージかな。
名優フレッド・アステアの軽いステップはこの作品で僕は見納めだったと思うけど、彼のシーンは良いアクセントで暗くなりがちは気持ちを和らげる癒しになった。これは配役のクリーン・ヒットか。

Bluetom2020