「フレッド・アステアを使って、こんな緊張感の無い映画はゴメンだ」タワーリング・インフェルノ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
フレッド・アステアを使って、こんな緊張感の無い映画はゴメンだ
登場人物が多すぎて、相関関係が分からない。
もはや指摘する事ではないが、火災での死亡の多くはガスである。従って、火が回る事だけが怖いのではない。ここまでの火災だと、もう少し、死者は出たと思う。また、
可燃性ガスは爆発だけが怖い訳では無い。配管に火が回って、爆発すれば、そこから火の勢いがます事が怖いのだ。従って、爆発後に階段を慎重に下る場面があるが、そんな余裕はないと思う。
また、
水で火が消せると言う考えはそもそも間違っている。
『何年かしたら、一万人を超える災害があるかもしれない』と言ったセリフがあるが、正に911があった。『そういった災害を出さない建築を願っている』と言ったセリフが続くが、つまり、高層ビルなんか作らなければ良いと理解出来ないのか?高層ビルの良さなんて、それを利用する側から見たら、虚栄心を煽られるくらいで、なんのメリットもないと感じる。シンボルタワーになるから、建物の持ち主の虚栄心を煽るだけの物(トランプタワー)と考えを、変えなければならないと思う。
階段をやっと下った女性を簡単に死亡させてしまう。その場面、後味が悪かった。フレッド・アステアを使って、こんな緊張感の無い映画ゴメンだ。マックイーンのアクションも最低。
消防士が背負っているボンベは酸素じゃない。圧縮空気である。酸素なんか吸ったら、死ぬ。
ロープを切断する場面があるが、酸素ボンベと可燃性ガスのボンベは何処にあるのだろうか?
CGは無いが、クロマキは重要なアクションとして存在する。まぁ、この映画はスタントマンの為にあるような映画。どうせなら、スタントマンに演技をやってもらって、人件費を減らしたほうが良いと思う。勿論、上映時間も長すぎる。