「恋愛関係の二人としてキャスティングして欲しかったホールデンとジェニファー」タワーリング・インフェルノ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛関係の二人としてキャスティングして欲しかったホールデンとジェニファー
ジョン・ギラーミン監督作品としては他に
「ブルー・マックス」「レマゲン鉄橋」の
戦争映画で楽しまさせていただいたが、
1970年代はパニック映画ブームがあり、
この作品もその代表的作品として
興味深く鑑賞した記憶がある。
その後も幾度となくテレビでも観たように
思うが、その際は気楽なパニック物として
特に気合いを入れての鑑賞ではなかったので
NHKのBSでの放映を機に
改めてキッチリと対峙してみた。
端的に言えば良く出来た娯楽大作だ。
建築を生業にし始めるのと
時を同じくした頃に初上映された作品だが、
改めての鑑賞では、
バリアーフリー思想の現代では想像し難い
段差の多いフロアー設計に驚いたり、
リアリティという意味では、
水槽爆破による消火は元より、
火災時のエレベーター使用や
簡単に割れる超高層の窓ガラスのシーンには
おもわずニヤリだった。
しかし、エンターテイメント作品としては、
映像もキャストも
大作としての雰囲気を充分に
醸し出している。
しかし、相当数の消防車の出動や
消防隊員の活躍のシーンは、
その後の9.11を彷彿させ、
心穏やかに観ることが難しかった。
そして、建築家が消防隊長に、
私がビルの建て方を教わりに行くよ、
と語るラストシーンは、
人間の営みが、結果として
自然への逆らい具合が強ければ強いほど
災害時の被害が拡大する可能性が高くなる
ことは明らかなので、
この映画のテーマを象徴して
意味深いセリフに感じる。
また、一映画ファンとしては、
「慕情」のカップル、
ウィリアム・ホールデンと
ジェニファー・ジョーンズは、
愛人関係でもいいので恋愛関係の二人として
登場して欲しかったなぁ、との想いも😊
この作品はパニック映画としても有名だが、
いわゆるグランドホテル形式の映画としても
紹介される。しかし、「大空港」や
「ポセイドン・アドベンチャー」の人間描写
には及ばなかったようには感じられた。
コメント欄のオンオフはレビュー毎に設定可能なのですね。
(戦メリのお返事は、私のレビュー欄に書かせて頂きました。)
隠された〜のエピソードから、KENZOさんなら本作は思いっきり建築家観点でご覧になるのでしょうね〜と、レビュー楽しみに伺いました。
プロの様々な気付き、勉強になります。