誰かがあなたを愛してる

劇場公開日:

解説

ニューヨークに住む三人の香港人の愛の行方を描く。監督は本作が日本での一般公開第一作になるメーベル・チャン、脚本はアレックス・ロウ、撮影はジェームズ・ヘイマンとデイヴィッド・チャン、音楽はローウェル・ローが担当。出演はチョウ・ユンファ、チェリー・チェン、ダニー・チャンほか。

1987年製作/香港
原題または英題:An Autumn's Tale 秋天的童話
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1989年9月15日

ストーリー

演劇の勉強と留学中の恋人に会うため23歳の香港女性ジェニー(チェリー・チェン)は、そこで遠い親戚にあたるサミュエル(チョウ・ユンファ)という33歳のやくざな男の面倒になるが、特に男性として意識することなくニューヨークの生活は始まった。彼はチャイナタウンの小さなチャイニーズ・レストランで働き、下町のうらぶれた2階建てのアパートに住んでおり、ジェニーもそこに間借りすることになった。早速彼女は恋人ヴィンセント(ダニー・チャン)に会いにゆくが、彼は冷たく、他に交際している女性もいることを知りショックをうけたジェニーは、あやうくガス事故を起こしそうになる。そんな彼女を立ち直らせようと一生懸命元気づけるサミュエル。いつしか彼はジェニーを愛するようになっており、彼女もサミュエルに好意を抱いていたが、2人の仲はなかなか進展しない。自分の気持ちをうちあけようと、サミュエルはある夜パーティを開くが、そこに現われたヴィンセントの姿に勘違いした彼は、パーティを飛び出し酒を飲み、荒れに荒れた。ヴィンセントの事は過去のものと思っていたジェニーは当惑し、やがてその夜はサミュエルの34歳の誕生日であるこを知った彼女は、彼のために小さな人形を作ってやる。翌朝それを見つけジェニーの心を確認したサミュエルは感激して、以前彼女が欲しがっていた金の時計バンドを買いに行く。その頃サミュエルの心を知らないジェニーは、アパートを出てゆく決心をし荷物をまとめていた。彼女はサミュエルにプレゼントの小箱を渡し去ってゆく。サミュエルも無理矢理笑顔をつくり、自分の全財産をはたいて買ったプレゼントを彼女に差し出した。車が走り出し、ジェニーのブレゼントを開けたサミュエルは、そこに彼女の金の時計を見つける。一方サミュエルのプレゼントを見たジェニーは彼への愛を確かめるが、時はすでに遅かった。彼女はロングアイランドに移り、家庭教師を始めた。時がたち、ジェニーは昔二人で歩いたビーチを訪ねると、そこに“サミュエル”というビーチレストランを見つける。そして笑顔で彼女を見つめるサミュエルの姿も……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0時代的だなあ。

2024年7月4日
PCから投稿

チョウ・ユン・ファがめちゃくちゃ若くて新鮮。
主要キャストは香港人だけど、舞台がNYの秋。
それだけでシャレオツになる不思議。

ラストは好き。

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ゆき@おうちの中の人

4.0ベターなラブストーリー

2024年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

単純

萌える

あの時代のトレンドが全部が詰まったラブストーリーだった。好きに気づくのが遅い、好きだと言えない。
車を追いかけて行くシーンとか、今じゃ中々みられないドラマ。
最後の終わり方も良かった。
ちょっと切なくて、ちょっと幸せな感じ。

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ノブ様

3.5泥臭いラブストーリー

Jさん
2020年8月8日
iPhoneアプリから投稿

叶わないと分かりながらも
30を超えた男の泥臭さがいい。

その泥臭さがこの時代の
ニューヨーク貧民街の街並みと調和していた。

好きになる感情の動きが少なく感じ
恋愛ものとしては物足りない。

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J

5.0愛すべきぎこちなさ

2020年7月11日
PCから投稿

見かけなくなった有名人が、いまどうしてるか、知りたくなることがある。
エイリアン2に出演しリプリーに守られる少女を演じたCarrie Hennは後に教師になった。なおサインをせがまれることがあるとwikiに書かれていた。

とても印象的な作品のなかにいて、それ以来、すっかり見なくなった人──これが「あのひとは今」の最大の動機である。

秋天的童話のチェリーチェンもそんな人だと思う。
80年代香港の人気女優であり、前後にも出演作はあるが、この映画が突出したカルトになったせいで、ほかの出演作がスポイルされた──という感じだった。
二階堂ふみをさらに濃くした顔立ちで、寂しそうなとき、ぐっとくる。
wikiによると富豪と結婚したが夫を亡くしている。女優業はやっていないようだ。

チョウユンファは二局のチャンネルを持っていると思う。英雄本色に代表される香港ノワールの局と、この映画などで見る軽佻な男の局面である。
いずれにしても、とても下手な俳優だと思うが、もっとも魅力的な大根役者でもある。不思議な俳優で、下手に演ずれば演ずるほど、いい。

英雄本色で、びっこをひいて歩くすがたや、えたいのしれない弁当を食べているときホーに再会し、食いもんを、飛ばしながら、絶叫するマークがわすれられない。クサさと下手さが、こんなに魅力的な俳優はどこにもいない。

本作のサミュエルも強がっているけれど、ジェニファーを不憫に感じている。それがじょじょに愛情になっていく。その子供っぽい心象が、ダイレクトに描かれている。香港映画らしい稚気にあふれながら、むしろその純粋なクサさと下手さが、とんでもない魅力へ昇華してしまった映画だった。

いつでも好きなところから見はじめて桟橋のレストランで香港訛りの英語でおふたりですか──まで見てしまう。なんど見たかとうにわすれた。

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津次郎

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