劇場公開日 1996年3月30日

ため息つかせてのレビュー・感想・評価

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4.021世紀の現代の日本に置き換えてみても成立する普遍性のあるお話です

2019年9月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

四人の30代の黒人女性の物語です
男運のない女達
一人はずるずると不倫、一人は突然離婚、一人は旦那が実はゲイだと言い出し出ていった、一人はダメ男ばかり掴む
この四人のお話しが入り交じりながら展開していきそれぞれなりに決着していく
それだけの物語です
赤裸々なガールズトークの世界です
ベッドインのエピソードは笑ってしまいます

監督は男性ですが、女性の目から男がどう品定めされているかの視点は説得力あるものでした
カス男達の言動や態度は耳が痛かったり大なり小なり心当たりがある男性も多いのではないでしょうか

彼女達は昔の黒人とは違い、白人と同じような生活水準です
本作に出てくる黒人達はみなどちらかというと生活水準は並みより上の世界です
ちょっと背伸びした生活、でも手が届きそうな豊かな生活です
日本で言えば金曜日の妻たちぽい生活レベルです
四人とも職を持ち稼ぐ力を持っている自立している女性達なのです

そして時折登場するサバンナの故郷で独りで暮らす母との対比が染みます
彼女は前の世代の黒人女性です
貧しい老後を孤独に寂しく暮らしています
サバンナに中々離婚してくれない不倫男だと分かっていても彼は好い人だからよりを戻せと娘に言います
そうでもしないと私みたいに寂しい老後になるよと電話の向こうで泣くのです

30代、まだまだ女盛りだと息巻いてみても昔みたいに男が群がってこない現実も四人とも身にしみてます
これはと思い掴んでみたらカス男ばかり
母親の言葉はサバンナだけでなく四人に共通するものです

本作の中では人種差別は表面上見えません
テーマでもありません
黒人女性が白人ばかりの高級ホテルのバーで独り酒したりします
でもそれはやはり勇気のいることなのです
別の黒人女性の亭主は社長をしている会社の白人女と社内不倫をしていました
美容師をしている黒人女性の高校生の息子は白人女がガールフレンドです
それでも彼女達は黒人の世界の中に生きていて、その黒人社会の中で生きています
そして白人女に走る黒人の不倫男は黒人の面汚しだ罵ります
そこに現実の世界のリアリティーがあります
声高に黒人差別を云々するよりも遥かに雄弁に、素のままの現実の姿にこそ人種の平等があることを語っていると思います

主演のホイットニー・ヒューストンも素晴らしい演技をみせます
その他の役者も皆中々のものです

音楽はあのベビーフェイスが担当しており、ブラックミュージックのいい曲が上手に使われています

四半世紀近い前の米国の黒人社会のお話ですが、21世紀の現代の日本に置き換えてみても成立する普遍性のあるお話です
女性の社会進出で活躍する一方ふと気軽つけば結婚は後回し、それなりに努力してはみてもカス男ばかり掴んでしまう
そんな女性は身近にもいるのではないでしょうか
日本版リメイクもあっても良いと思います

良作だと思います

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あき240