「複雑な本格倒叙ミステリー」ダイヤルMを廻せ! オレさんの映画レビュー(感想・評価)
複雑な本格倒叙ミステリー
元テニス選手のトニーウェンディスは妻マーゴと友人で推理小説家のマークハリデイが浮気関係にあると勘付いていた。
トニーはマーゴと別れることよりもマーゴを殺害し彼女の資産を得る計画を考えつき、大学の同窓生スワンを脅し、彼にマーゴの殺害を依頼した。
完璧な殺害計画に生じた綻びと予想だにしない方向に展開していく不可解な殺害事件を理論的に読み明かしていくヒッチコックが贈る本格的な倒叙ミステリー作品。
サイコパスや謎の組織など怪しいおかしい人物が出てくることが多いヒッチコック作品の中でも王道的な論述的ミステリーであり、ある意味異色の作品となっている。
些細な矛盾から発覚した、事件発生時に起きていた誰も知らなかった小さな事実が明かされ、決定的な証拠になってしまうという展開が非常に面白く、さすがサスペンス映画の神様と称されるヒッチコックと深くうなづいてしまう内容であった。
それを読み解いていくのが切れ者のハバード警部だが、その手際が実にいやらしく用意周到なもので当初のマーゴ犯人説を全否定することなく、しっかりと可能性に入れた上での捜査方法であり、非常に敵に回したくない人物として描かれている。
全ての可能性を考慮して、いよいよ真犯人と睨んだトニーをハメる当日の作戦でハバード警部の思うようにトニーが動き、ラストの帰宅シーンに繋がるツボに入ったように気持ちいいラストとなった反面、ハバード警部の鋭さが怖すぎることを表していた笑。
シンプルだが複雑な展開で頭痛くなるかもしれないが、現代でも通用する素晴らしいミステリー作品。
やはりヒッチコックは偉大だな。。
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