「斬新で最後まで見るとさらに気持ちいい」ダイヤルMを廻せ! レインオさんの映画レビュー(感想・評価)
斬新で最後まで見るとさらに気持ちいい
「現実は推理小説のようにいかない」
ってことだろう。
でもそれ言いたいだけで映画全体を見てハラハラしたり推理映画を見たような感覚になるのはもまた奇妙。最後まで見れば色々味わえる作品にはなっているんだなと思う。
ポイント1:殺人計画はとにかく複雑。そうするとトニーが使用したトリックとか、うまくいかない時の対策とかに自然と注意を払う。それは推理好きな人にとってもたまらない。それに何の不自然のところもない、一見すると完璧な犯罪であるのもすごかった。文句言うなし。
ポイント2: 最初からの設定は面白い。マークはちょうど推理小説家であるのはちょっと好都合主義だけど、途中で彼はトニーに自首で女主人公を救うあの件は見事で、見る側としてももう見通したかとドキドキする。トニーの有名大学の出身も見所を増やしただろう。
ポイント3: サスペンスが満載!特にヒッチコックは視点の転換がうまい。最初から私たちはトニーの計画全般を知っている。それでうまくいかないところも緊張して見ている。
常に彼と同一化してきたが、後半ハバード警部が訪ねて、気をつけば彼を疑ってることもわかるだろう。見ればみるほど観客としてはもはや彼が暴露ることを予想しているからだろう。 特に鍵のところ警部の真意がわかるようになる。彼が鍵を間違えたことにも見当つける。
そして警部はコートを密かに交換したことが見れる時点で私たちは確信するようになる、彼はまだ事件に関わってトニーを調査していることを。そして次にトニーが家から出て警部は階段から回って降って彼の家に入るシーンで、私たちの視点は無意識的に警部と同じようになる。
特に最後証拠になるかどうかはトニーが家に入るかどうか次第っていうところが非常に見事だった。警部は窓で部屋の外の彼を眺めて彼の動きを呟いているところがすごく好き!サスペンス性もより一層出される。
最後はやはりグレースケリーが良かった。彼女喋った英語の響きはサスペンスに似合っているw