タイタニックのレビュー・感想・評価
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人生のステージによって印象が変わるストーリーと演出の魅力
■心を揺さぶるのは、結論ではなく深い共感
キャメロン監督は、タイタニック号沈没という史実をラブストーリーとして描いたら最高の映画になると思い、今作を企画しました。映画の概要を20世紀フォックス映画(現・20世紀スタジオ)の重役たちに売り込んだ際には、文章はまったく書かずに、画家ケン・マーシャルによる沈みゆくタイタニック号の絵を持参したといいます。打ち上げられた救難信号弾が暗い海に輝いている、美しくも悲劇的なその絵を見せ、「この船にロミオとジュリエットを乗せる」とだけ言い、そのひと言で製作が決定したそうです。
タイタニック号が沈没したことは事実であり、製作中には、結末が分かりきった映画だという批判もありました。それでもキャメロン監督は、「その事実にこそ物語の強さがある」と語っています。重要なのは、この船が沈むかどうかという結末ではなく、沈没する船の乗客にどこまで共感できるかだと。
それを裏付けるように、今作は開始10分で、タイタニック号が辿る運命をすべて“タイタニック号の探査隊が制作したアニメのシミュレーション”という形で観客に提示してしまいます。これによって、現実味のない船が沈んだという結論よりも、実際に何が起きたかを知りたくなり、さらに、ローズという誰も知らない架空のキャラクターの結末を知りたくなるという演出です。みなさんと同じように、私もこの導入でグッと引き込まれました。
その後に繰り広げられるケイト・ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオのケミストリーは言わずもがな。キャメロン監督はキャスティング過程でウィンスレットと台本の読み合わせをしたディカプリオを5分間見て「彼しかいない」と思ったといい、ウィンスレットは、キャメロン監督に「私はともかく、彼は絶対に雇うべき」と進言しています。このエピソードが大好きですし、共演前から俳優として尊敬し合い、ウィンスレットが「色恋ごとが一切なかったからこそ」という、ふたりの現在に至るまでの友情も胸アツです。
■人生のステージによって印象が変わるストーリーと演出の魅力
「タイタニック」が日本で公開されたとき、私は小学校高学年でした。小学生の私にとって、「タイタニック」は初めて遭遇した悲恋であり、作品に対する感想は「なんでローズはすぐにジャックと付き合わないの?」「なんでジャックは死んじゃったの?」「なんで後でほかの人と結婚したの?」「なんでジャックが死んだ後の人生で笑顔の写真があるの?」というようなもの。恋愛のゴールは“好き同士になること”であり、「心から愛する人は生涯でひとりだけなんだから、ローズはジャックだけを思って独身を貫かなきゃ(涙)!」という気持ちでいっぱいでした。最後のステアケースでの夢のようなシーンも、「ローズはほかの人と結婚して子どもも孫もいるけれど、やっぱりジャックのことが1番好きで一生忘れられなかったんだ」と解釈して涙が止まりませんでした。
しかし、高校~大学生の頃には少し解釈が変わりました。自分自身の成長と、知識や視野が広がったことで、1912年に生きる17歳のローズと19歳のジャックにとって、貧富や身分の差がどれほど厚く高い壁となっていたか、さらにはローズが家庭の事情を無視できない気持ちも理解できるようになりました。それでも、たった4日間で燃えるような恋をしたふたりに添い遂げて欲しかったし、「やっぱりローズはジャックのことが1番好きで忘れられないよね」と、またもやステアケースのシーンで号泣しました。
それからときは流れ、2本セットのVHSからDVD、ブルーレイと、仕様が変わるたびにソフトを購入して、年に1度は「タイタニック」を見返し、必ずステアケースのシーンで嗚咽していた私に変化が起こりました。忘れもしない、27歳の秋。私は初めて「タイタニック」をノー涙で鑑賞しました。
ジャックを失ったローズがまた笑えるようになり、愛する人と出会い、結婚して家庭を築いたことを嬉しく思いました。刹那的で情熱的なジャックとの恋愛が、ローズの人生観を変えたからこそいまの幸せなローズがいるんだと思うと、例えジャックが生きて隣にいなくても、ローズの大きな一部となって存在していると感じたからです。初めて、ジャックが「ローズにとって1番好きで忘れられない人」ではなく、「ローズにとって切ないけれど美しくて、ありがたい思い出の人」になりました。それは、“愛はなくならないけれど、形が変わることはある”という、ちょうど27歳の私が経験していることでした。
小学生の頃はなぜ必要なのか理解できなかった、タイタニック号沈没事故後のローズの人生を写した写真たち。キャメロン監督がどんな意図を持って演出したのかはかわかりませんが、27歳の私には、ローズがジャックと出会ったことで得た人生を豊かに生き、慈しみ、感謝し、ジャックを愛しい“恩人”としてそっと思い出しているように思えました。
それから数年、私は最近「タイタニック」を見ていません。もしかしたら、またラストのステアケースのシーンで号泣するターンが来ているかもしれないと思うと、ドキドキします。これから新たな人生のステージに立ったときには必ず見返したい、大切な作品です。私の心がどう変化(願わくば成長)していて、船上のふたりにどんな感情を抱くのか、いまから楽しみにしたいと思います。
出会って数日間の恋
公開されたときに銀座の三原橋の映画館で見た。椅子も固くて長い映画だったから背中と腰がとても痛くなった。その映画館がなくなってしまって残念だ。昔ながらの映画館という感じで好きだったから。
久しぶりに見ていい映画だと思った。特にディカプリオがこんなに若い時から演技が上手い役者であるとは!ウィンスレットはまだ未熟な感じがした。彼女は年を重ねるごとに深い味わいがでてきてコメディエンヌもできるいい女優になったと思う。
キャシー・ベイツ(ミザリー!)の存在感が効いていた。「上流階級」の人々から成り上がりと陰口をたたかれてもいつも顔を真っ直ぐに上げて堂々としていた。特権であることを当然とせず、弱者に思いを寄せ、ジャックに手を差し伸べる彼女の演技に魅入られた。
貧富、階級、身分、情報、自由、愛情、思いやり、救助など様々な側面にある格差が豪華客船を舞台に上と下という空間、衣服、食事、客室、家具、調度品、パーティーの様子などから視覚的によく描かれていて素晴らしかった。最後まで演奏を続けた音楽家の姿と音楽には泣ける。
男性や家柄から自由になれない時代の女性を想う。ローズの暖かいベッドの脇に並んでいる沢山の写真ー飛行機の操縦、馬に乗るーから、ジャックとの約束を守ってローズが自由に強く逞しく生きたことが伝わった。
これぞ映画
初めて観た頃は10代半ばの頃、ジャックとローズのような大恋愛に憧れた、時を経て久しぶりに金曜ロードショーで観たら、また違う魅力に気づき、語り出したらキリがないくらい、色んな角度から色んな目線で色々な立場から感じることのできる映画。そもそも時代背景が100年以上前だが、それにしても、今観ても全然古く感じない。
やはり再び見ても面白くなかった
基本的に演技がひどいと思う。撮影する前の大道具小道具、それと映画が出来上がった後の宣伝費に予算を取られすぎていて演技に時間をかけることができなかったんじゃないだろうか?また脚本も全然上手く描けていないと思う。主人公が何をしたくて船に乗っているのか?それはできたのか?主人公がこれまでやってきたことと今やろうとしてることに対する葛藤とか愛の力でそれを乗り越えるところとか・・・ドラマというものが全く描けていない。このような出来の悪い脚本を渡されるとどんなに優れた俳優でも演技なんかできない。
これは当時爆発的に大ヒットしたが感動したのは全て女性だと思う。女性はラブロマンスが好きだからそれはそれでいいと思う。でも当時劇場ででそれに付き合わされた私は大変な苦痛を味わわされたものだ。それが今回のテレビ放送(もちろん英語で鑑賞した)で改めて確認できてよかった。
改めて見てやはり名作★
「人によって感動するシーンが違う」という話しを聞いて改めてまた見ることに。
ストーリーはありきたりといえばありきたりなのにやはりおもしろい!
恋愛、迫力、感動、といろんなドラマが凝縮された映画。
死に間際にも関わらず時より船内で落ち着いている空虚な感じがなんか怖かったり。
大人になって見るとまたちょっと違った視線で見てしまい、ひねくれてしまったんだなぁと思った笑
あの女性ってただのマリッジブルーなのでは?とか、名前忘れたけど映画上では悪役になっているローズの旦那は婚約者を寝取られたのだから、あれぐらい怒るのは当然でしょう!とか笑
設定通りには見れななかった笑
ちなみに感動したシーンは冒頭で100歳の老婆が80年以上前に沈んだ船内から自分の絵画が見つかったところでした笑
やっぱり良い!!
映画館には2回足をはこび、当時VHSも購入して、何回も観ましたが、VHSプレーヤーが壊れ、それ以来、10年ぶりくらいに観ました。
久々のこの感動、、、配役も歌も最高!ジャツクがとてもチャーミングでスゴくいい!!そして、ローズは、この出逢いがかけがえのないものになった。最後にダイヤを投げ捨てるシーンでそれがしっかり伝わります。
最後に歌と一緒に映る写真もジーンきて、しばらく余韻に浸れました。
週替わり大作公開その4にして真打登場。でも劇場泣かせだったと思う
劇場公開時鑑賞。上映時間が長いと必然的に上映回数が減り、興行収入にはマイナス。それであれだけのヒットになるのだから。
ただとにかくDTSの同期が取れなくてフィルムを取り替えてもらってもダメで途中で諦めたりしてた。切り替わる時どうしてもノイズが入るのでクレームになるし。ロングランになってくると「他の映画もやれや」「観たい人がいっぱいいるのになんでやめるんだ」って正反対のクレームもあったし。色々疲れる作品でした。
映画自体はキャメロンの変態的なこだわり(小道具なども当時のものを用意するなど)に感嘆するし、群像劇の部分(楽団の矜持、老夫婦の愛情など)はとても感情を揺さぶられる。ただし、メインのストーリーは脱出部分で何故か引き伸ばすようなところがあり、もうちょっとうまくできなかったのかなあ、と引っ掛かりを覚えた。
あとは…俺様の『LAコンフィデンシャル』を差し置いて最後にアカデミー賞を掻っ攫いやがって許せん的な私怨(ヒイイ逆恨みコワイ)。
感動の名作
名作のことでやっと視聴。
めちゃくちゃ素晴らしい映画。前半はラブストーリー後半はハラハラサスペンス。どちらも好きな私にはとても満足出来る映画。
テンポも良いし3時間だけど全然飽きない。そして見終わったあと喪失感…2、3日は余韻に浸れそう。。見たら価値観が変わる。恋人っていいなぁって思うし私も自由に生きようと思った。皆1度は見るべき映画!
20世期最高傑作
タイタニック号沈没の悲劇を通して、貧しい青年と上流階級の娘、身分の違う2人の悲恋を描いた作品。
身分を超え、すべてを捨てて互いに結ばれる運命を選ぶ。この、ありのままの愛の形に憧れを感じた。
船首でのローズが手を広げ、ジャックが後ろから支えるシーンはあまりにも有名、本当に鳥肌立つ。
そして、ディカプリオが美しすぎる。最近は男らしさ、良い意味でオッサンぽさが出てるけど、この時の美青年っぷりは、惹かれてしまう…
タイタニック号の沈没、パニックの中で垣間見える人間の本性。キャルの突出した自分勝手ぶりにめちゃくちゃイラッときた。でも極限状態の中ではああいう人も出てくるし、内容を盛り上げるためのいいキャラだとも思った。
2人の永遠の別れのシーンがあまりにも切ない。胸が引き裂かれそうになった。
とても悲しい話だけど、彼女はジャックのおかげで、、自分らしく生きたんだなと幸せな気分にもなれた。
ラストでローズが周りの人に歓迎される中、ジャックと再開する夢のシーンでは感動が爆発した。
そして流れる主題歌で余韻に浸り、また感動。
スペクタクル大作でこんなに感動、涙腺ゆるゆるにさせられる映画はそうないでしょう。最高傑作だと思った。
大好きな主題歌(^-^) 大好きな映画(^-^)
初めて観た時は小学生でしたが、それでもこの映画の良さはわかりました(笑) 僕はパニック映画としても観ちゃってますが、上映時間が長いのも全く気にならず、『タイタニック』という響きも好きですし、沈没する時にベッドで子供達にお話を聞かせるお母さんや、水位が上がる中ベッドで抱き締め合い奥さんにキスをする旦那さん・・・悲しくなるシーンも印象に残っています(涙) そしてローズはレオ様と約束した通り人生を生きて、温かいベッドで永遠の眠りにつく・・・パートナーが欲しくなります、そして抱き締めてあげたいです。
私の聖書(バイブル)
1番好きな映画は?と問われたら、この作品。
実話だからこそ、リアリティがある。
実際に乗船していた人たちは、こんな感じだったのかな?と思わずにはいられない。
フィクションとして描かれている
この2人のドラマでさえも。
客室内で最期を迎える老夫婦。
最期まで演奏者として全うした人たち。
・・・どのシーンを切り取っても
素晴らしい。
この映画をどうしたら批判できる?
女性のための怪獣映画、その経典版
貧しき青年ジャックが、命を賭して階級社会・身分制度を象徴する”怪獣”タイタニック号から令嬢ローズを救い、自由と平等の国アメリカに導く。ローズは、救助された船上でアメリカを象徴する”自由の女神”を仰ぎ見たとき、上流社会への決別を覚悟して、コートのポケットに隠した宝石“碧洋のハート”に頼らない自立した生き方を誓う。
時は流れて、
ジャックの姓に変えたローズは、新天地アメリカで自由で自立した人生を送って齢100歳を迎える。充実した生き方が出来たのはジャックの御かげと伝えたく、タイタニックの調査船を訪れ、船室に自分の辿ってきた写真をいっぱいに並べる。再会するジャックに、沢山の土産話をするために。ローズは誓いの象徴である”碧洋のハート”に魂をこめてジャックの眠る海中に投げ入れる。そして、ひとり静かに眠りにつく。ラスト、亡くなったローズは、ウエディングドレスに身を包み、皆の祝福を受けながらジャックと永遠の愛の交わす。
ローズとジャックの悲恋物語は、明晰な展開を重ね、女性の立場に立った甘美なストーリーを構築しています。スペクタクルとファンタジーのどちらも見応えがある優れた娯楽作品です。
ラスト、舞台のカーテン・コールのようなエンディングシーンは、ローズの幻想か、それとも彼女は亡くなったのか、観方が分かれます。ローズがもう死んでもいいと願い宝石を海に沈めたことを思うと、亡くなってジャックのもとに帰ったと考えたい。ジャックが眠る海底のタイタニック号に宝石が辿りく幻想を抱きながら、思い残すことはない人生を全うしたローズの最期は幸せに溢れていた。
この映画の正当な批判は、乗員乗客2224人中1513人もの犠牲者を出した実際の海難事故を題材に、悲恋ロマンを謳ったことにあります。ジャックひとりの死の悲しみが大きすぎました。若いレオナルド・ディカプリオがそれだけいい演技をしたからでもありますが。
それを補える映画が、1958年制作のイギリス映画「SOSタイタニック」です。実録ドキュメンタリータッチでタイタニック号の悲劇を忠実に描いています。この中で、逃げ惑う三等船客の人達が一等船客のダイニングルームに遭遇して、その豪華さに感嘆するシーンがあります。そんな見比べも面白いので、お薦めします。
ラブストーリー苦手の壁は超えられず。
タイタニック号に潜り込んだ売れない画家と、家柄は良いが没落した貴族の娘の出会い、恋、そして沈没までの物語。
美男美女のラブストーリーと聞いて、「絶対に見ない」と決めていたのですが・・・wowow放送のタイミングで鑑賞してみました。
90年代の映画とは思えない壮大はVFXは見事でした。鑑賞後にwikiでタイタニック遭難について調べてみましたが、上手に史実を交えているところにも感心しました。
ただ、現在と過去を映す手法は、個人的には好きではありません。少なくとも、ヒロインが生還することが冒頭で分かってしまうわけで、それはそれでどうなの?と思ってしまいます。
何れにせよ、周囲の高い評価程の感銘を感じることは出来ず・・・ラブストーリーはやはり私には合わない、と実感してしまいました。
愛は沈まなかった。
第70回アカデミー賞作品賞受賞作。
Blu-rayで4回目の鑑賞(字幕)。
愛し合うジャックとローズを引き裂こうとする身分の差、そして大勢の乗客や乗組員を乗せて沈んでいく豪華客船タイタニック号…。ジェームズ・キャメロン監督が描いた映画史に残る純愛感動巨編、久しぶりに観ました。
ふたりが愛を育んでいくプロセスは何度観ても感動を誘って来る。悲劇が待ち受けていることが分かっているから、より切なくなって来るし、この楽しいひとときが続いて欲しいと願ってしまう。舳先での名シーンが訪れたら、タイタニック沈没スペクタクルへのカウントダウンが…
ジャックはローズが衝動的に飛び降りようとした時、彼女を思い止まらせるために自身の幼少期の体験(氷が割れて、水の中に落ちてしまった時の出来事)を語っていました。
その水の冷たさは、まるで体に刺さるような痛みを伴い、ただただ苦しいだけなんだ、と…。もしかすると、このやり取りはクライマックスへの伏線だったのかなと思いました。
だからこそジャックは少しでもローズを水の中に居させまいと沈み行く船首にギリギリまで留まったり、海の中に入っても自らを省みず真っ先に彼女を破片の上に乗せたのかも。
愛する人を守り抜き、海に沈んだジャック。
しかし、愛は沈んでいませんでした。
悠久の時を越え、再び結ばれた想いに泣きました。
[以降の鑑賞記録]
2021/05/07:金曜ロードショー(前編)
2021/05/14:金曜ロードショー(後編)
2023/06/24:土曜プレミアム(デジタルリマスター版・前編)
2023/07/01:土曜プレミアム(デジタルリマスター版・後編)
※修正(2023/02/07)
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