大頭脳のレビュー・感想・評価
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軽快で面白かった
ベルモンド傑作選にて。
ここまでスラップスティック?な感じとは思いませんでした。
雨でじめっとした日の鑑賞でしたが、大変リラックスして見られる作風で、最後もスカッとできて楽しかったです。
ベルモントの軽い身のこなしや勇姿を愛でる映画でしょうか。
デヴィッド・ニーヴンもナバロンの要塞の聡明でシブい伍長役が強烈に印象的だったため、
大盗賊ブレインのおバカなドタバタ芝居や表情も見られてギャップもえでした。
またさりげないモブシーンも人を潤沢に使うところや、列車の切り離し爆破の空撮などなど、しっかり実物撮影しているので贅を尽くした作品なのは間違いないです。
眼福を味わうことができました。
ベルモンドの真骨頂!もろ「ルパン三世」の原点!「ピンクの豹」「007カジノ・ロワイヤル(’67)」のデヴィッド・ニーヴン 「続・夕陽のガンマン」のイーライ・ウォラックに加えシルヴィア・モンティが美しい
今更初見です。
「ベルモンド傑作選」のおかげでスクリーンで鑑賞!
「現金輸送列車強奪大作戦」を同じ日同じ現場で偶然実行する泥棒達と、横取りする悪党の頭脳戦。
終盤の「自由の女神像」の大掛かりなスペクタクル・アクションも見もの。
まさに、ビートルズの「イエロー・サブマリン」の頃、主題歌やアニメーションも60年代らしい雰囲気満載。
脱走の名人で大泥棒の主人公、悪党を手玉に取る妖艶な美女、リボルバーを愛用する黒い帽子の用心棒、追いかけるのはどこか抜けてる名警部。
もろに「ルパン三世」の元ネタです。
なんで、みんなもっと騒がないんだろうか。
やっぱり’60年代のベルモンドの映画はマニアしか知らない時代になってしまったのか。
「リオの男」では恋のための大追跡でしたが、本作は、まさに大泥棒の大追跡劇。
主演のベルモンドに、「ピンクの豹」「007カジノ・ロワイヤル(’67)」のデヴィッド・ニーヴン、「続・夕陽のガンマン」のイーライ・ウォラック、各国名優の競演に加えシルヴィア・モンティが美しい。
『ルパンⅢ世』の原典。
既視感満載。ゆるゆるコメディ。
アニメの実写化が流行っているが、反対に、この実写をアニメにしたのかと思うほど。
否、『ルパン三世』だけじゃない。
ドリフのコント。
ジャッキー・チェン氏の映画。
『M.I.』も彷彿とさせる。
ネタだけだとつなぎ合わせになるだけなのだが、各役者の持ち味がたまらない。
もちろん、ベルモンド氏やニーブン氏、ウォラック氏もいい。
けれど、私のツボはブールビル氏。「嫌だ」と言いながら巻き込まれてしまうのだけれど、お人好し。ふんわりとした雰囲気で、言動だけを見ているとおかしいことはしていないのに、ほっこり笑わせてくれる。間が絶妙。言い方が絶妙。表情が良い。車半分になった時「置いていかないでくれよ。俺たち仲間だろ」というシーンが、本当に好きだ。「アナトール」「アルトゥール」と呼び合うのも大好き。フランスの有名なコメディアンなのだそうだ。
筋は大混戦。大金を狙う3者の筋に、妹をめぐる攻防を加えたことで、さらにおかしみが増えている。
いくつかの国の合作。
イギリスから、ニーブン氏を迎えているからか、オープニングのクレジットは、ベルモンド氏、ブールビル氏の次がニーブン氏なのに、一見、ニーブン氏が主役かと思ってしまう。
ニーブン氏演じる大佐がたてた計画に、それを知らずにベルモンド氏とブールビル氏演じるアルトゥールとアナトールコンビが絡み、横取りかつ、妹をめぐる攻防で横やりを入れてくるウォラック氏演じるスキャナビエコ。途中、警察まで巻き込まれる様にもニヤニヤ。妹も、ただ華を添えるだけでなく、話の混乱のネタになっている。
そんな破城しそうで破城しないアンサンブルが見事。予定調和的な展開にも見えるが、私的には、話がどこに行っちゃうんだという感じ。
もちろん、ご都合主義的な部分もあるが、ご愛敬。アニメーションでの作戦説明は、斬新なのだが、今のようにPCで作成できない頃だから外注した時点で作戦漏れるでしょというツッコミもあり。水槽が破損した後は、現実的で、その様も笑える。
そして特筆すべきが、思惑通りにならないことばかりなのに、お互いをやじるのは、兄弟けんかと、スキャナビエコのみ。勘違いの連続もあり、「ありがとう」の連発も観ていて気持ちよく、クスッと笑える。
とはいえ、ゆるゆるな展開。
そんな物語を、観光しながら、のんびり鑑賞できる。
凱旋門からシャンゼリゼ大通りのパレード。突然、イギリスに渡り、有名な衛兵が。街中では、ヒッピー文化華やかなりし頃、マッシュルームカット後のビートルズのようなサイケなスタイルの人々が次々に映る。かと思うと、イタリアの豪邸?(『山猫』に出てきそうな豪奢なつくり)に、アメリカナイズされたようなプールの顛末。その後、またフランスに戻り、エッフェル塔に、宮殿・公園、パリのアパルトマン。フランスの田園風景。祭りのパレード。花火。自由の女神の祭典は再現か?ラストは、N.Y.の風景も現れて、ギャグで終わる。
大佐の日常が垣間見られるのも興味深い。バトラーの立ち振る舞い。オードトワレってあのように使うんだ。洗濯場の様子が「へえ~」という感じ。内干しだったんだ。
オープニングも温故知新。今となっては斬新なデザイン。
サイケなアニメーション。キャッチーなテーマソング。ここだけでも見る価値がある。
『大頭脳』というタイトルで、見るかどうか迷った。損しているなあと思う反面、英語そのままの『ブレイン』という題もなんだかなあと思う。鑑賞後は、”大きな脳”というのが、作中ギャグにもなっていて、このタイトルでもありかなと思ってしまう。
トリビアネタが好きな方や、ゆるゆるのコメディが好きな方、温故知新で古い映画を見直したい方にはたまらない。
でも、スピード感あふれた派手な映画を好む人には退屈かも。
アクションやコントネタも既視感あふれるって、この映画が原典なのだけれどね。
こういうの大傑作なんて言っちゃダメ!
う〜ん。もっと痛快な映画かと思っていた。
おそらく本作の数年前にヒットしていたイタリア映画の「黄金の七人」あたりに影響されて企画された気もするが、あの映画とは比較にならないほど、プロットがテキトーすぎた。
せっかく、デヴィッド・ニーブンも出演しているのだが「ピンク・パンサー」的すっとぼけナンセンスも全く物足りない。
おそらく企画ありきで走ってしまって、程度の低い観客さえ満足させて、収益が上がれば、それでOKといったところだったのだろう。
もう少し本気になって、あともうちょい一工夫さえあれば、役者は揃っていたのだから、本当に大傑作になっていた可能性もあった訳で、随分と勿体ないことをしたもんだ。
しかし、なんだかんだ最後まで観てしまうのは、結局はベルモンドやニーブンの魅力のせいだったのかもしれない。
こういう俳優たちは、最近は本当に見なくなってしまった。
おそるべし60年代のスター俳優たち。
久々に「リオの男」や「ピンク・パンサー」を観たくなってしまった。
ベルモンドの痛快ドロボーコメディ
ベルモンドの軽やかで明るくとぼけたキャラが、なんとも愉快なドタバタコメディです。NATOの資金を輸送列車から強奪すると言うガチな犯罪ドラマみたいだけど、謎の怪盗セルヴォとお互いの存在に気づかないまま、すれ違いで計画が進行するのが笑えます。途中、やや中だるみな所もあるけど、あちこちにマンガ的なギャグを散りばめながら、見事な幕切れまで気分良く楽しめます。
映画は時代とともにあるもの、見るもの
50代半ばの自分は初代ルパンをちょっと大人びた感覚で見てたから、その先輩であるベルモンドは「先輩の先輩」。過去にも何本か見てたが、あと六で耳にして見に行った大頭脳は評価にたがわず明るく面白い傑作だった。最近昔の傑作を見ると思うのは、その影響で作られたいくつものオマージュ作品をすでに見ている我々には初見の喜びが薄れてしまっていること。最近の映画も含め、やはり映画は公開の時期にその時代の雰囲気をまとった映画館で生で体験するのがベストなんだな、ということを考えました。(もちろん後から過去を振り返って浸る喜びもあるんだけどね)
楽しすぎる!
ジャン=ポール・ベルモンドといえば勝手にしやがれ
くらいしか知らなかった自分をブン殴りたいー!
こんなセクシーでキュートでドリフなおじ様だったとは知りませんでした!!!
今に比べたらアクションは迫力ないと思うかもねーなんて軽い気持ちで観たらとんでもない…!生身すぎて逆に怖いぞ!!!
出演者のファッションやセリフがオシャレだし、何よりベルモンドのカッコよさ!
全作品観たくなりました!
アイデアの宝庫
「ボルサリーノ」が凄く好きで、ルパン三世やCOBRAも大好きな自分にとっては、今回開催された「ジャン=ポール・べルモンド傑作選」は嬉しすぎる企画。ということで、まずはこの作品を鑑賞。
やってることがそのまんまルパンと同じでこんなに影響を受けたんだと知って驚いた。
トンネルを掘って脱獄
どんなとこでもよじ登って侵入
自由の女神から札吹雪
当然観たこと無いけど既視感だらけ!
刑期満了わずか4日前に脱獄してしまう主人公べルモンド、有能なのか無能なのかわからない相棒、脳が大きく知能が高いが脳の重さで頭が傾いてしまう悪玉ブレイン、
妹が大好きなぶっ飛びマフィアのイーライ・ウォラック、マフィアの兄を持つ美女過ぎるヒロイン等々、登場人物たちの癖も強すぎて、アニメを観ているよう。
フランス映画は難解だと思っている人はこれを観てほしい。難解どころか、とにかく観る者を楽しませようという製作陣の工夫が散りばめられていて、始終ニコニコな二時間を体験できること請け負い!
英仏伊またぐコントの塊!
こんなに楽しい映画があったのかー!見ることができて幸せいっぱい。二人コンビのやりとりは最高に笑えました。シチリアのパレルモ空港の名称がまだ昔であること確認、シチリアの金持ち(マフィア)特有のお家とプール場面もいかにもで笑えました。兄が妹を追ってパリに来たときに履いている靴が今もイタリア人男性が大好きな靴でした。妹の純潔を守るためにひたすら追う執念の兄の規模の巨大さには爆笑と感動しかありませんでした。思いがけない花火で「追龍」を思い出しました。
こんなに楽しくて面白い映画もフランスの映画なんだと感動しました。ジャンポール・ベルモンドは初めて見て、デビッド・ニーブンは何かの映画で見たことがある気がする。何時だって深刻でなく楽しんでいるベルモンドの表情は本当に魅力的でかわいい。
オープニングはサイケ雰囲気のロンドンから始まる。その頃のファッションやヘアスタイルの若者でいっぱいの街の中、英国紳士姿のニーブンが浮いていた。彼による列車強盗計画紹介が漫画で面白かった。大きな水槽がドッパーンと割れるいうのはこのベルモンドの映画が最初だろうか?最近の香港映画でもドイツ映画でも同様の場面があった。
車両の連結部にしがみついてトランシーバーでやりとりする場面は楽しい。相棒に「アナトール!」と声をかけるベルモンドの声と発音がとても甘くてキュート。アナトールがタクシー運転手だけあって車と脱獄場面は楽しさ満点でした。
映画館で3回鑑賞できました。嬉しい。レビューもシンプルに書き直しました。(2021.8.3.)
笑いと痛快 ブールビル
よく憶えてるのはブールビルの何気に笑わせる芝居とどんでん返しの結末。細かなことは忘れるが覚えていることをまとめると”笑い”と”痛快”と”ブールビル”。また観られるのが楽しみ。
フランス俳優で一番好きなのはジャン=ルイ・トランティニャン、アランドロン。
その次がJPベルモンドか。コメディもこなせる色男なのでコミックのモデルになるのも良く分かる。
デビッドニブン(初演時のパンフの表記)も印象的。当時私の中では英国紳士の見本。最近ではガンバーバッチかマイケルケインだが。
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