大砂塵のレビュー・感想・評価
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仕方なく銃だった...
犯人は誰だ!」と揉めてる最中にギター演奏。踊ったりして何だか緊張感なし(苦笑) キリッとした女性店主が主人公。40分近くまで店内でのゴダゴタ話で面白くない。ギター野郎とは昔の恋人で再び結ばれるような流れ。
自分はカラー作品ということで外の景色を期待していたので、室内撮影ばかりの前半は正直つまらなった。ただ、1954年てことを考えると、少しボケた感じはありますが、70年代辺りに近い遜色ない映像だと思いますね。(白黒含め)もっと粗い画像の映画っていっぱいあるしね。54年ですよ? 頑張って作った部分は評価しなきゃ!
内容の方は
「 (メロドラマ+西部劇) ÷2 」て感じで半端なストーリー。
[思わず笑ってしまったセリフ]
「この道は通れん!他に道は?」「ない。戻るぞ」「はぁ?」
時々コミカルになる。
「銃はイヤ!闘うけど他に方法はないの!?」 そんな一石二鳥は時代的に無理でしょ。ただ、こういう人がいたから現在があるんだけどね。
火事にした時の女の顔!あ~やだやだ。。。これはもう事件以前に相手が気に食わないだけの顔ですよ。店はそのまま放置してりゃいいじゃん! 逆を言えば名演技だけどね。「誰か早く絞首刑にしなさい!100ドル出すわよ!」いやいや、肝心な所は人任せですか!? 都合よくない?それが出来ないから男は仕方なく銃で決着付けるわけでしょ。どっちの女性も理解してください(苦笑)
そう思ってたのでラスト決着付けるのは良かった。
それにしてもアーネスト・ボーグナインは、たくましいのだけど何処か抜けてる役が多く愛嬌がありますね。
個人的に古い映画は刺激が少なく、途中で休憩取ったりすることが多いんですが、この映画は何だかんだ言いながらも一気に観れました。
テーマは好みのはずなのに、スカッとしない
物語は、今作成したとしても、超骨太。
制作年代を考慮に入れれば、女性中心の展開で、超時代の先取り。
家が燃え上がるシーンとか、エピソードとか、二人の女優の演技とか、見どころ満載。
なのに、鑑賞後感が良くない。
最初は、女性の活躍が新鮮で、目が釘付けになったのに。
女二人の対決。
まったく根拠なくその場の印象だけで罪と罰が決まっていくところが恐ろしい。
しかも、村人はその決定に賛同しかねるんだけれど、村の大地主の女性に煽られて言いなりになっていく……嫌々従うのではなくて、自分の利益とかを計算しながら、女の言いなり風にふるまうところが恐ろしくも、あざとい。
法の行き届かない、この時代の地方ってこうなのか。
そんな集団ヒステリーのプロセスが丁寧に描けていたら大傑作になるのだろうけれど、
ヴィエンナの恋模様や、ギャングの仲間割れ等にもエピソードが割かれる。ギャングを入れることによって、無法状態を肯定してしまうことになってしまう。
お子様ランチのように盛りだくさん。主題が拡散してしまった。惜しい。
しかも、設定の砂塵とか、山工事の爆発とかが今一つ活かせてないのも、口惜しい。
女二人の対決。
自分を貫く女。そんな女に、女王の地位を奪われそうで、嫉妬する女。
ウーマンリブが台頭する前に制作された映画。時代先取り。なのだけれど、やたらに女性が強すぎて、坊やをかばうところとか格好いいところもあるのだけれど、ついていけない。そんなに肩ひじ張らなくてもいいじゃないなんて感想が出るのは、それだけこの映画が製作された頃よりは女性が自分の力を発揮できるようになった社会に生きているからか。
かつ、20代の小娘ではないのだから、ただ喚き散らすだけでなく、頭使いなさいよと、女王の座を巡る争いについても、男を巡る争いについても、目をそむけたくなり、映画としての面白みをそぐ。とはいえ、現実には30代以上の女性の争いも、こんなものか。リアルな姿を見せつけられるからげんなりするのか。
そして、
この映画はこの頃ハリウッドに吹き荒れていた赤狩りを比喩しているとも聞く。
それならそれで、”男”を主人公にするんじゃなくて、女のヒステリーに転嫁しているところがせこい!って思ってしまう。
ヴィエンナの土地を奪おうとするのも、鉄道絡みの利権から発生しているはずなのに、いつの間にか、女性の私的な争いに村が巻き込まれていくことになるし。
この映画でも、責任取るのは女。男は責任を女に押し付けて逃げる。
そういう意味でも、人間性の本質を見事に描いたのだなと感嘆する。
マカロニウェスタンを期待したからいけなかったのかな?
初めから、社会派・人間ドラマとして観たらよかったのかな?
(2019東京国際映画祭にて屋外上映にて賞)
業
思いのほか、ドラマだった。執拗なまでの憎しみは単なる恋敵を超えて、異常犯罪的でもある。それに翻弄される男たちは、嗚呼情けない。
有名な映画音楽はこういう映画だったのか。小林旭の渡り鳥シリーズは、これだね。
さらに驚きの色彩(トルカラー)、やけに色鮮やかと思ったけど、この時代、こういうのもあったんだ。
めっちゃおもしろい
ヒロインが人生の辛酸をなめつくしたような女で、自分には手に負えないとしか思えないのだけどモテていた。彼女に嫉妬する女がまた気が強くて意地悪で、ひどいのだけど、そんな女同士の争いが戦争のように発展するところがリアルな感じがする。
主人公が実は凄腕ガンマンだったというのがワクワクするのだけど、それほど腕前を発揮しない。普通のチンピラとのタイマンでけっこう苦労して勝っていた。
誰もが知る名曲ジョニーギター!に酔いしれました
ヴィエナとジョニーが二人だけの時に必ず流れる主題歌の編曲のバラードが素晴らしくムードを盛り上げます
そして最後の最後で唱われる歌詞付きの主題歌で涙腺が崩壊します
誰もが知る名曲ジョニーギター
映画音楽大全集にはほぼもれなく収録されているでしょう
本作の本当の主人公はヴィエナ
演ずるジョーン・クロフォードは撮影当時49歳!
大人の色香に、色々な経験、辛い目にあってきた苦労がその美貌に重なって更に美しく感じます
相手役のジョニー役のスターリング・ヘイドンは彼女より11歳も下の38歳
でも彼女の衰えぬ美貌と体型は若い彼と釣り合うどころか、彼は彼女の引き立て役になっています
脚本も彼はお話の狂言回しとなっています
他にも悪漢バート役のアーネスト・ボーグナインが素晴らしい存在感を示しています
敵ボス役のエマを演ずるマーセデス・マッケンブリッジも良い仕事ぶりです
ところでギターを抱いた渡り鳥という言葉
おそらく同年製作の小林旭主演の同名の邦画から生まれた言葉でしょう
しかしおそらくは本作のジョニーギターからの翻案だろうことは本作の映像を一目見れば明らかでしょう
本作からヒントを得た時代劇や任侠ものはそれこそ山のように有りそうな名作です
堪能できる一本でした
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