ダーティハリー4のレビュー・感想・評価
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make my day
2024年3月9日
映画 #ダーティハリー4 (1983年)鑑賞
シリーズ中、唯一 #クリント・イーストウッド が監督を手掛けた作品
シスコの連続殺人犯を追って、サン・パウロを訪れた #ハリー・キャラハン の前に過去に妹と共にレイプされ復讐鬼となった女が現れた
#ソンドラ・ロック の出演も今作のみです
被害者の人権は誰が?
姉妹がパーティに誘われて行ったところ、グループに回されてしまい、妹が廃人に。画家をしている姉が復讐するため、犯人グループのメンバーを一人一人殺して行く連続殺人事件が発生。やりすぎの捜査で上司から煙たがれていたハリー・キャラハンがサン・パウロに出向したところ、殺人事件とその姉と出くわし、事件解決に乗り出すストーリ―。
イーストウッドの反権力、暴力の連鎖の悲劇性、正義の名を語った暴力の否定を描いた作品群を知ってしまうと、単純には楽しめない「ダーティ・ハリー」シリーズ。次から次へと事件や銃撃が起こり、深く考えずに、相手を倒すのアクションを爽快に感じるのなら良い作品かと。
上司との軋轢、刑を免れた悪漢との戦い、西部劇ともとれる相手との銃撃シーン、逃走する相手を足や車で追跡するチェイス、オートマグを手にするシーン、最後の敵2人に対峙するシーン等、カッコいい。
ただ、イーストウッドは、単純に正義の側が悪を倒す映画に、もう限界を感じていたはず。彼の信条に反するはず。どの人間の中にも悪があるという視点がよりメインになってきているだけに、最後は姉を警察に突き出すことをしなかったのだろう。
改めてアメリカの銃社会は怖いなと思う
とにかく出てくる車の大きいこと大きいこと。
SDGsの真逆。
そんな時代のアクション映画だ。
あいかわらず人を殺しまくるハリー。
絶体絶命でも銃で撃たれることなく海へ突き落とされるから、また、這い上がってくるねんな とわかる。
一つのレイプ事件が10年後に飛んでもない方向へ。
最後は良かったのか、悪かったのか?
この映画は女性にも容赦なく殴るシーンが多く、そこはいただけないけれどそれで成り立っている映画なのかもしれない。
所長の息子は犯した罪に対して生きた人間でなくなってしまったような状況なのに母親は幼い頃に死別し今回、父親が殺されてひとりぼっちになってしまった。これからどうやって生きて行くのか?
今となってはかわいそうな人生だ。
そこはスポットが当たってないけれどちょっと気になるわ。
【若気の至りでは済まない悪事に対する相応の報い。ハリー・キャラハンは、真の悪と、哀しみによる悪の違いが分かる男なのである。】
ー 吉田秋生の「河よりも長くゆるやかに」の中で、主人公の高校生と彼を密かに想う女子高生とが交わす台詞がある。
”あたし 昔 むりやりやられたことあんだよね・・”
あんなこと 人間のすることじゃないよ”
”・・忘れちゃえよ 悪い犬にかまれたとおもって”
”そんなこと言わないでよ”
”無神経ね あんたたち男って”
『じゃあ あんたは犬にかまれたことを忘れられるの?』ー
◆感想
・今作は、上記の様な過去が物語のベースとしてあり、それにより傷ついた姉妹(妹は神経性ショックで無表情のまま椅子に座ったままである。だが、姉の言葉には涙を流す。)の姉(ソンドラ・ブロック:ご存じのようにイーストウッドと良き仲になり、長く一緒に暮らした方である。)が、自分達の人権を無視し、尊厳を傷つけた男女に対し、苛烈な報復を行う物語である。
・この作品が心に響くのは、ラストシーンでのハリー・キャラハンの姉に対する態度と言葉である。
- 彼の、傷ついた者の心情を理解し、その側に立つスタンス。
イーストウッドの多くの映画の根底に流れる、尊き思想である。-
<シリーズ中、イーストウッドが唯一監督を手掛けた作品。
イーストウッドの嗜好が反映されたノワール的な空気に満ちている作品でもある。
ハリー・キャラハンの様々な悪に対しての対応の仕方、考え方、行動が個人的には好きである。>
ブルドックの扱いが雑だなぁ
ダーティハリーのシリーズ4作目にして御大自ら監督として撮り上げた作品。エンディングのロバータ・フラックの曲からして異色作、今は無き松竹セントラルでの鑑賞が思い出される。
時代柄かオープニングもヒップホップ調の曲で始まるが、ハリーの法律無視の捜査方法は警察・裁判所の判事から疎ましく思われている中でやり過ぎで地元ギャングから狙われる事になるが、ことごとく返り討ちにして死体の山が出来上がる始末。それらのエピソードでイーストウッドものでは珍しくカーチェイスシーンがある。これがまた調子が出ない。イーストウッドもこれは畑違いだと認識している感じがニヤリとさせるね。
一方で作りは、巨匠と評される前だからか突っ込み所も多い印象。まずは、ブルドックの扱いが雑(笑)。そしてソンドラ・ロック(笑)。おまけに下半身がだらしないハリーも明るみになる事となり、何だかな〜という印象。
それでも44オートマグを携えて登場するあのシーンは、見栄を切る歌舞伎、印籠を構える家来の脇で睨みを効かす水戸黄門の様な様式美を感じられる。仲間がやられた後の銃の準備する様は、正に西部劇のソレだったね。
また、ハリーが地元もサンフランシスコを離れていき、エピソード毎に遠くの任務を与えられ最終的に舞台となる町に行きつく展開もユニークな作品だ。
マグナムオートマチック
マグナムオートマチックの登場
前作で黒人グループのリーダー役だった俳優が、ハリーの相棒で登場したが、すぐに殺されてしまう。
作品の中でもハリーが言っているが、ハリーの相棒になるとみんな殺されてしまう。
5分に一度の見せ場とサイコノアール
不可解な殺人事件を捜査するハリー刑事が、田舎町で起きた事件が発端の復讐犯を追う。
イーストウッド監督作品に多い空撮から、発端のデート殺人場面など全編、夜のシーンも多いフィルム・ノアールのような陰影の深い撮影は、名匠ブルース・サーティーズ。
この後にイーストウッドと組んだ「タイトロープ」でも更にこの雰囲気を強く出している。
今作の犯人は、基地外で粗野な田舎白人(ホワイトトラッシュ)で、過去のシリーズに登場した悪役からすると、小物で物足りない印象もあるが、公開当時のキャッチコピーにある、5分に一度の見せ場に偽りない小気味良いアクションとイーストウッドの千両役者振りでとても楽しめる。
特にハリー刑事の悪党には老若男女問わず容赦ない対応振りは相変わらずで、ハリーにコケにされて復讐に来た不良青年を皆殺しにしたり、事件の発端でもあるアバズレ女を酒場でブン殴るところなど冷静に考えてると結構凄い。
ダイナー強盗やマフィヤの殺し屋を44マグナム(銃声が良い)で次々に片付ける場面やイーストウッドの初期作品に多くあった、リンチからの復活と逆襲のお約束場面も、逆光の照明と低音ドラムのビート共に現れるハリー・キャラハン刑事のカッコ良さ。途中で披露したオートマグナム拳銃の威力を見せつける名場面でもある。
とにかく理屈抜きで悪党を退治するのはいい。
名コンビでもあったソンドラ・ロック扮する姉が妹と共に集団レイプに合って人生を狂わされた経緯や復讐の告白場面などがある事で、ハリーの最後の計らいにも納得が行く。
事件の発端が重く悲しいので、公開時は、根暗(これも死語)映画と揶揄していた人(批評家)もいたと記憶しているが、犬との絡みや常連俳優とのユーモアのあるやり取りで、陰惨な印象は弱い。
イーストウッド監督作品としては、テンポも快調でソツなくこなしいるが、犯人の描写などに神経質で不気味な雰囲気もあり、次の事実上の監督作品でもある「タイトロープ」で更にその傾向は強まる。
後期のダーティハリーシリーズは、自分のプロダクション維持とワーナーからの要請による興行的側面の強い印象で、イーストウッドが力を入れた企画の不振の穴埋め的ポジションだと思うが、やはり、銃を構える姿を見るとワクワクして楽しめるのと、フィルム・ノアールなところは素晴らしい。
そういえば、この映画の初期の没脚本がチャック・ノリスの「野獣捜査線」に流用されたらしい。
ドラム缶の方だったか
ベースラインが80年代らしい都会空撮オープニング。台詞回しも全体的にも軽め。定番の名刺がわりのひと騒動で言い放つ“make my day”、ちとダサい。序盤のアクションシーンは脈絡なく動きが重い。話の中心はソンドラロックに移る。法外の処刑という点では、シリーズに通じるが、アクションよりサスペンス感が増した内容。展開は悪くないが惹き付ける力は不足。悪役の女優が印象的である。それにしても女性がよく殴られる。後、相棒が死ぬの定石なのか、いくらなんでも雑な印象。
サンタクルーズの遠景ショットで流れるロバータフラック。エンディングも80年代っぽい。
全てを暴力で解決しようとする作品
イーストウッドが監督も務めた4作目。
悪人がのさばる世の中で、憤りをおぼえるハリー刑事の活躍を描く。
被害者の側に立った内容とはいえ、あまりにも暴力的で、殺人を肯定するかのような内容なので、これでいいのか?っていう思いが先にたつ。
70年代に製作された前3作とは違い、80年代的ファッションや、音楽で、今までの作品とは少し変わった印象。
老人ホームの送迎バスで強盗を追いかけるところは面白かった(^^)b
あと、最後のハリーの登場シーンはかっこよかった(^^)b
マイノリティーの側に居る
「ミリオンダラー・ベイビー」でも「ダーティ・ハリー 1」でも思ったが、今回の作品で、ハリー(クリント・イーストウッド)は弱者、マイノリティー、女性をリスペクトすることを知っている、数少ない男性の一人だとよくわかった。
悪をガンガン銃をぶっぱなしてやっつけるキャラハンは痛快でかっこいい...
悪をガンガン銃をぶっぱなしてやっつけるキャラハンは痛快でかっこいい。クールで躊躇なく悪を討つ主人公。古くさいかもだけど王道でいい。
なんか西部劇を思わせる。
復讐を果たした女性は無罪放免になったけど、キャラハンはほだされちゃったのかな。
途中唐突にねんごろになっちゃったのは、女が自分を疑っているキャラハンを情で流そうとしたようにしか思えない。なかなかしたたかだね。女性の性は弱みであり強みなのかな。でも相棒みたいに説教臭く正義を語らないところは好感もてる。
「恐怖のメロディ」を録画鑑賞してたら、地震速報であともう少しってと...
「恐怖のメロディ」を録画鑑賞してたら、地震速報であともう少しってとこで放送中止になってた。とほほ。
イーストウッドを見ずして次へ行けないということでこのハリー4を。
音楽ラロシフリン最高!当時はエンディングのロバータフラックの歌、覚えて歌いました。ぐらい、ハリーキャラハンのファンです。
しかしやはりアクションはこの4あたりが限界な感じ。最後のシルエットショット、かっこいい。かっこいいんだが、歩き始めると…老いが辛い。
愛人ソンドラロックもとうとうハリーシリーズに登場。美人だけど気が強そうな顔立ち。後にイーストウッドと訴訟沙汰になったようね。
にしても「ガントレット」にもあったが、イーストウッドは愛人ロックを犯させるのがお好きのようで。「恐怖のメロディ」の〇〇シーンといい個人的趣味の匂いプンプン。変態?(笑)
今回はロックばかりに目がいき、肝腎の悪党の魅力がイマイチ。最後も?愛人を助け、法の正義を捨てるのか?2の精神はどこいった?
お馴染みの黒人が今回もしっかり登場。笑えます。
劇中の線条痕の使い方
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
銃撃戦と車での追いかけっこと今回も派手さは健在。復讐する女といかにも憎らしい悪役たちとわけありの署長を揃えることで、物語をはっきりと見せてくれる。ハリーの捜査が強引でやりすぎなのはいつも通りだが、今回は復讐に燃える女を登場させて法律の死角に挑ませる。ハリーが悲しい彼女の事情を理解しているだけでなく、銃の線条痕を伏線にしておくところがどんでん返しで面白いしすっきりする。
44オートマグ
この映画でキャラハンはM29から44オートマグに武器を変える。この44オートマグはオレが初めて買ったエアガンで、当時はBB弾の前に主流だったつづみ弾を使っていた。ダーティハリーシリーズで初めて見たのもこの4だった。
そんな思い出深い映画なのだが、内容は何一つ覚えていなかった。
レイプの復讐鬼と化した美女が一人ひとりレイプ犯を殺していく、そんな女の深い業を描いた映画だったので、当時童貞高校生だったオレが理解できないのは当然で、早くオートマグ撃たねえかなとそれくらいしか気にしていなかったのではないだろうか。
クライマックスのメリーゴーランドの光と影の幻惑的なシーンが素晴らしく、シルエットで立ちはだかるキャラハンがとてもかっこよかった。ただメリーゴーランドがとても暗くてもうちょっとキラキラしていてもよかったのではないかと思った。ただそうなると女が逃げ隠れしづらいのかもしれない。
キャラハンが老人ホームのバスを、老人を乗せたまま乗り回して犯人を追いかける場面など愉快な場面がたくさんあった。
“正義”の意味を考えさせられる
イーストウッドが初めて自らメガホンを取ったシリーズ第4作。マフィアのボスに容疑がかかっていた娼婦の殺人事件の捜査において、警察上層部にやり過ぎを咎められたハリーは、サンフランシスコ郊外の小さな港町サンポール行きを命じられる。そこで起こっていた連続殺人事件の捜査をするうちに、ハリーはジェニファーという女性に出会うが、彼女が事件に関わりがあることが判り……というストーリー。
今回のハリーは、個人の“復讐”が前面に押し出され、“正義とは?”という疑問を観客に突きつける。シリーズ第1作で、殺された少女の人権よりも犯人の人権を重視する法律家に「そんな法律は間違っている」と怒りをぶちまけたハリーの葛藤をさらに掘り下げたイーストウッド監督らしい大人向けの作品に仕上がった。83年の公開時、大ヒットを記録し、イーストウッドは数年ぶりにナンバーワン・マネーメイキング・スターに返り咲いた。
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