ソルジャー・ストーリーのレビュー・感想・評価
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公民権運動、その前のアメリカ
第二次大戦下のアメリカ南部。アフリカ系軍曹が射殺した事件を調べる、アフリカ系将校の苦悩を描く物語。 若きデンゼル・ワシントンも出演したサスペンス。 まだ、著しい差別が残るアメリカにおいて、アフリカ系の人々の立場、苦悩が良く描かれています。 被害者である軍曹も含めた群像劇の様相で、物語は進みます。 ただ、サスペンスとしては、今一つ。特に、犯人特定にはもう少し工夫があっても良かったですね。 途中の思わせぶりな展開はミスリードを狙ったものだったのでしょうから、それらの回収もあって良かったかもしれません。 私的評価はやや低めです。
主題/重 映像/軽
主題が重い割には演出をサラッと軽く処理してます。黒人映画特有の泥臭さも希薄なところも不思議です。ワイルダー選手の17捕虜を少し思い出しました。 確かに鬼軍曹はオスカー候補になっただけの実に不快な演技が凄いです。
南部は人種間を歪ませ、軍隊は人間関係を歪ます
1944年、アメリカ南部の陸軍基地で黒人軍曹が殺された。ワシントンから派遣されたエリート黒人大尉が事件を調べる…。
「夜の大捜査線」「ザ・ハリケーン」など人種問題を扱った力作を手掛けたノーマン・ジュイソンによる1984年の作品。
エリート黒人大尉に白人兵士たちは怪訝の眼差し。
事件の核心も黒人白人間の問題かと思いきや、そうではない。
聞き込みで浮かび上がる殺された軍曹の人物像。
優しかったと証言する者もいれば、厳しく威張り散らしていたと嫌悪する者も。
基地で起きたある悲劇的な事件が、黒人兵士たちの軍曹への反感を決定付けた。
軍曹を演じたアドルフ・シーザーがオスカーノミネートも納得の存在感。
事件の鍵を握る若き兵士役のデンゼル・ワシントンも印象を残す。
ミステリー仕立てで軍隊内部の複雑な人間関係を描き、人種問題へのメッセージも込めた秀作。
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