「【若さゆえの性の過ちと、真の恋に目覚めた男の姿をサイモン&ガーファンクルの”ミセス・ロビンソン””スカボローフェア””サウンド・オブ・サイレンス”の名曲で彩った作品。】」卒業(1967) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【若さゆえの性の過ちと、真の恋に目覚めた男の姿をサイモン&ガーファンクルの”ミセス・ロビンソン””スカボローフェア””サウンド・オブ・サイレンス”の名曲で彩った作品。】
ー 優秀な成績で大学を卒業したベンジャミン(ダスティン・ホフマン)。
パーティで両親の友人であるロビンソン夫人と出会い、やがてホテルで逢瀬を重ねるようになるが、虚無感は募るばかり。
何も知らない両親はそんな彼を心配し、夫人の娘・エレインとデートをするよう彼に勧めるが…。ー
◆感想
・劇場で初見時には、ロビンソン夫人の、ベンジャミンを有閑マダムの愉しみの様に誘う姿と、それに抗いながらも、ベッドを共にし、”卒業”したベンジャミンの姿に、”駄目じゃない!”と心中、突っ込んだものである。
だが、それを補う、サイモン&ガーファンクルの”ミセス・ロビンソン””スカボローフェア”の美しい音色に
”仕方がないなあ・・、けれど、私が20歳過ぎだったら拒める自信はないなあ・・、”
などと思いながら鑑賞したモノである。
ホント、スイマセン・・。
・そして、運命の悪戯の様に、ロビンソン夫人の娘、エレインと、ベンジャミンとの出会いが訪れて・・。
彼は、エレインにわざと、嫌われるように、粗い運転で、ストリップバーに行くが・・。
涙を流す、エレインの姿を見て、自らの行為を恥じ、ベンジャミンが言った言葉。
”君の事が、好きなんだ。本当に好きだ・・。”
・今作の、ラストの解釈が分かれるのは、分かる気がする。
”結婚式の途中で現れて花嫁を奪うなどとは、新郎のカールや親族の気持ちをどう考えているのだ!”
けれど、エレインはベンジャミンが現れた時に、実に嬉しそうな顔で、彼に従うのである。
花嫁衣装で、バスの中でエレインは、ベンジャミンに幸せそうに寄り添う。
あの表情を見れば、カールには申しわけないが、
”愛の深さで負けたんだよ・・”と言って、慰めたくなってしまうのである。
<きっと、二人の将来は厳しきモノであろう。
けれど、二人はその厳しさを克服するだろうなあ、という想いを持った作品である。>
<2019年7月 4Kデジタル版で伏見ミリオン座にて鑑賞>
<2022年1月11日 別媒体にて再鑑賞>