「劇場のスクリーンで観ることで、新たなる感動が....」続・荒野の用心棒 アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場のスクリーンで観ることで、新たなる感動が....
TVでの初放映時以降、何度となく再見してきた今作だったのに、今回シネマートのスクリーンで鑑賞する機会に恵まれ、改めて劇場の画面で見てこその作品である事を思い知らされた。
「愛を無くした男が、再び愛する心を取り戻すまで」を描いたストーリーである事が、良く実感できる。
最後に、かつての恋人であった「メルセデス・ザロ」の墓碑に於いて過去と決別すべく、敵と決着をつけたのち、去り際にひとたび、主題歌に送られながら、墓碑を振り返るシーンが、より印象深く感じられた。
この作品は、昨今如何に大型化してきたとは言っても、TVの画面に収まり切るようなレベルに無いえ“映画”であるという事を思い知らされた気がする。
また特に今回の上映では、新たに2018年にレストアされたバージョンである事が冒頭に記されていて、これまでの素材とは別物だということが伺え、実際に鑑賞してみても、カラーの色調や音響のバランスが著しく改善されていて素晴らしく、手持の各種国内DVDやBD、正続セットのアメリカ盤DVDなどと比較して、完全に別モノの次元であると実感させられた。
あと、人手不足解消に一役買ってる“赤頭巾”のもたらす効果は不気味さも醸して、一人何役もこなせるだけに止まらないアイディアが生かされて、それがのちの仮面ライダー以降の戦闘員的なものへと受け継がれてるのが面白い。
また、レンコン機関砲で弾丸を振り続けての“大虐殺”は(砦での使用もあり)、のちの「ワイルド・バンチ」への影響なんかも想像でき、また面白く思う。
今でも、幼少期に初見した際、「なんで棺桶なんか引きずってきたのか?、死体が入ってるんだろうか??」と事前になのも知らずに観て、まさにアッと驚いたあの時のことが、昨日のことのようにアタマに焼き付いてしまってる今作です。