続・荒野の用心棒のレビュー・感想・評価
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棺桶の使い方バリエーション講座
恥ずかしながら、初めて鑑賞。ああ、これがマカロニウエスタンなのかというのを存分に味わった。
棺桶の中から、まさか機関銃が出てくるとは思わなかったが、その棺桶の使い方自体にも、これほどバリエーションがあったとは!
ジャンゴのクールさで魅せるだけでなく、キチンと展開の緩急をおり混ぜつつ、最初と最後、きっちりテーマソングとジャンゴの1人の姿で締めるという様式美的なカッコよさ。
だけど、やっぱり、なんでみんなこんなに気楽に殺し合うんですかねぇ。
逃げるメキシコ人を、遊びで撃ち殺すジャクソンを観ながら、今も、人間の本質は変わってないんじゃないかなというのを、改めて考えさせられてしまいました。
ジャンゴの流儀…男の花道
Blu-ray(デジタル・リマスター版)で鑑賞(字幕)。
棺桶を引き摺り陰を背負い、荒野をさすらうジャンゴ。棺桶を開ければ機関銃(マジか)。ぶっ放せばあっと言う間に屍山血河。マリアとの愛がとにかく切ない。
無情な西部の掟。男の花道を飾り前を向くために挑む墓場の決闘の緊迫感がハンパない。泥臭くてカッコいいアウトロー、ジャンゴに魅せられる傑作でした。
Ti amo♥Django. ・・・・FINE
『ジャンゴ アイ ヤマトソロレ
ジャンゴ マディメンティカ セポイ
ケシビィべ オウオ
ケシヤマ オウオ』
聞き覚えのヒヤリングです。
やっぱり、イタリア製の西部劇はイタリア語ですよ。
出鱈目なお話。メキシコ人が神父を殺せないし、クー・クラックス・クランはプロテスタント系。この映画がなぜ邦題が『続』なのか?それは『用心棒』と話の流れが全く同じだから。そして『 南から来た用心棒』へと流は継ぐ。つまり、イタリア製の西部劇の当初は『用心棒』のほぼ盗用とも言えるかもしれない。しかし、古来からある『仁義礼智忠信孝悌』の様な侍JAPANなイデオロギーはイタリア製の西部劇には継承されていない。つまり、黒澤明監督や『殺陣―アクション』へのオマージュであり、日本の時代劇へのリスペクトは記憶する限りない。
付け足すなら、コルブッチさんの西部劇は『滅びの美学』の様な気がする。
さて『ジャンゴ ザ シリーズ』は見るべきだろうか?
マカロニウエスタンの傑作
セルジオコルブッチ監督とフランコネロ、その大出世作のマカロニウェスタン。
そして「荒野の用心棒」とは全く別物の作品です。
とか言いながら、CVがイーストウッドの山田康雄(ルパン)に対して、ネロは小林清志(次元)なんですよね。憎い采配です。
そして本作はOPから強烈に格好良いです。棺を引き摺り歩くビジュアルと歌がすごい世界を作っています。
そしてその見所は実に多く、特にその過度なバイオレンス描写。
容赦ない処刑などの暴力だけでなく、顔のメイクや赤い覆面等小物の演出も実に凝っています。
これは後のマカロニウエスタンにおける、一つのジャンルのようになっていたように思いますね。
それとオリジナルの「用心棒」のストーリーを知っている日本人には、どうしたってこっちの方が強烈な印象を残すでしょう。
絶体絶命ともいえるピンチを迎えた後の対決もまた強烈で、ラストのカットの置き方も最高でした。傑作です。
温故知新
66年のイタリア映画。
監督はセルジオ・コルブッチ。
主人公のジャンゴ役をフランコ・ネロが演じている。
いわゆる"マカロニ・ウェスタン"作品であり、監督のセルジオ・コルブッチ、主演のフランコ・ネロともに本作が出世作でもある。
本作の個性的な主人公の強烈な存在感が、その後のマカロニ・ウェスタン作品において「ジャンゴ」というキャラクター像が引用されていることで、本作はある種の指針となっている作品であることが裏付けられている。
オープニングの棺桶を引きずりながら、テーマ曲"ジャンゴ"をバックに泥の荒野を歩くシーン、そして同じくバックに"ジャンゴ"が流れながら、満身創痍のジャンゴが墓場を後に歩きながら去って行くラストシーン。
血の付いたリボルバーが引っ掛けられた十字架を背に、遠くで一瞬振り返り、またゆっくり去って行く。
このラストのワンカットがめちゃくちゃカッコいい!
いつもながら、サタ☆シネや午後ローにはお世話になっております。
【タラちゃんも大好き、セルジオ・コルブッチ監督の残忍で救いの無さ、命を懸けた復讐をする荒涼とした世界観に魅了される作品。】
ー 私が、今作のマカロニ・ウエスタンを代表する名となった”ジャンゴ”を演じた、フランコ・ネロを知ったのは今作製作の50年後に公開された「ジョン・ウィック チャプター2」と「コリーニ事件」である。
薄いブルーの瞳と、尋常ならざる存在感と眼光の鋭さに”誰だ!この渋すぎる老俳優は!”と思ったモノである。-
■QT監督の「ジャンゴ、繋がれざる者」のパンフレットには、セルジオ・コルブッチ監督は「ジャンゴ、繋がれざる者」の精神的な父親である、と記載されているし、「ヘイトフル・エイト」のパンフには、QT監督の”マカロニ・ウエスタン大好き!”が詰まっている。
因みに、今作はタラちゃんお気に入りNo3である。
セルジオ・・と言えばセルジオ・レオーネでしょ!と思っていた私には、目から鱗であった。
◆感想
・西部劇(特に、マカロニ・ウエスタン)は荒涼とした風景の中、行われる無慈悲な殺し合いが見所の一つであるが、今作も相当に凄い。
人種差別主義者のジャクソン少佐は、メキシコ人を鞭打って走らせ、容赦なく撃ち殺すし(クレー射撃実弾バージョンと思ったのは、私だけであろうか・・。)、町の地面もぬかるんだ泥に覆われているし・・。
・ジャンゴも負けずに、機関銃(ガトリング銃みたい・・)をブチ放し、ジャクソン少佐の部下や、且つての仲間だったロドリゲスの部下を撃ち殺していく・・。
<今作は、愛、復讐、リンチ、人種差別、容赦ないバイオレンステンコ盛り、マカロニ・ウエスタン作品である。
一度、嵌ると抜け出せないマカロニ・ウエスタンワールドへようこそ・・。
それにしても、最近西部劇って、劇場公開されないよなあ。
”N"の「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野」や西部劇に近い匂いのする「パワー・オブ・ザ・ドッグ」「バスターのバラード」・・。
西部劇って、邦画の時代劇のような稀少作品群になりつつあるのだろうか・・。
少し、寂しいぞ。>
この時代の西部劇、総じて音楽がいい。 棺桶引きずる主人公。そんな奴...
この時代の西部劇、総じて音楽がいい。
棺桶引きずる主人公。そんな奴おる?ギャグ?
なるほどそういうことか、納得。
後半はそれも関係なくなる驚きの展開。
ラストをはじめ、んなアホなの展開が多々ありますが、それも許せる面白さ。
金がただの泥砂に見えた。てっきり敵に騙されたのかと思ってしまった(笑)
BSテレ東吹替版鑑賞
マカロニウエスタンの金字塔であり、絶対に観ていなければならない作品
続と付いていますが、クリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」とは全くの無関係
用心棒ですら内容にはなんら関わりありません
「夕陽のガンマン」と「続夕陽のガンマン」も続編ではありませんが、こちらは主演も監督までも異なるのです
しかし本作は、マカロニウエスタンの金字塔であり、絶対に観ていなければならない作品なのです
引き摺られる棺桶、乱射される機関銃、泥まみれの街道街、耳を切り取り口に入れる残虐シーン
そしてあの耳に残る主題歌
フランコ・ネロの印象的な青い目の色
これらは余りにも有名です
絶対に観なければならないマカロニウエスタンを時系列にするとこうなります
1964年9月、荒野の用心棒
1965年8月、荒野の1ドル銀貨
1965年12月、夕陽のガンマン
1966年4月、続・荒野の用心棒(本作)
1966年12月、続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
黒澤明監督の「七人の侍」は1954年4月公開
米国では1956年7月の公開
イタリアの方が早く1954年8月公開
そして米国映画「荒野の七人」は、1960年10月米国で公開されています
同じく黒澤明監督の「用心棒」は1961年4月公開
イタリアでは同年8月の公開でした
これからインスピレーションを得てイタリアで西部劇に翻案してセルジオ・レオーネが映画にしたのがマカロニウエスタンの始まりです
本作のセルジオ・コルブッチ監督も日本の時代劇に影響を受けたと公言していたようです
とは言えもはや完全に別物
全く新しい価値を創造しているといえます
原題はジャンゴ
本作が大ヒットしたので、世界中にジャンゴの名前を冠する映画が雨後の竹の子のように世界中で無数に撮られたようです
その尻尾に、タランティーノ監督の2012年の作品「ジャンゴ 繋がれざる者」が連なっているのですから、半世紀に近いロングパスになっているのです
ジャンゴの名前は、世界的ジャズギタリスト、伝説の名手ジャンゴ・ラインハルトに由来してのこと
その本名はジャンであり、ジャンゴは渾名
意味はロマ語で「私は目覚める」という意味だそうで、実は両親は放浪の民ロマ族の旅芸人の一座だったといいます
だから本作の主人公もロマ系である設定なのかも知れません
そうであるならば彼もまたヨーロッパでは、メキシコ人と同じく差別される側であった訳です
ジャンゴ・ラインハルトは18歳の時に火事で大火傷を負い、ギター奏者には致命的な左手の薬指と小指に障害が残りました
しかし、彼は鍛錬を続け独自の奏法を編み出して行ったのです
ジャンゴが手を潰されるのは、そこから来ているように思えます
そして悪役のジャクソン少佐は人種差別主義者として設定されています
手下は大手の赤いスカーフを覆面にして襲撃をするのです
スカーフには両目の所に穴が開けられており、KKK団を連想させるものにされています
この設定にタランティーノ監督は着目して2012年のジャンゴを撮ったのだと思います
そして墓の十字架に刻まれてあったのはメルセデス・ゼロという主人公が愛したただ一人の女性の名でした
ドイツ系という設定になっているようです
本作はマカロニウエスタンでは珍しい純愛を貫いた物語でもありました
この純愛設定がタランティーノ版に受け継がれている訳です
果たしてそれだけなのでしょうか?
何の為にジャンゴは戦ったのでしょうか?
何の為に棺桶を引き摺ってあの街道街に帰ってきたでしょうか?
もちろんただ一人愛した恋人の復讐です
それは女性を人間として扱わず、快楽の道具としている連中に復讐することです
そして同じ人間であるにも関わらず、メキシコ人を差別する胸糞悪い連中にも鉄槌を喰らわせる為だったのです
そしてロマ族の名前を持つ自身への特殊な視線への戦い
つまり差別への戦いであったのです
今回観て、そこに初めて気づく事ができました
なぜジャンゴが棺桶を引きずるのか?
それは自由の国アメリカに於いてもなお蔑視の視線をむける連中への怒りを封印した象徴に外ならないからです
だから機関銃は棺桶の中から登場するのです
タランティーノは本作のこの裏のテーマ性を読み取っていたのです
タランティーノ版のジャンゴはそれこそが表のテーマに浮上してメインとなっていました
好きで好きで何度も観ていても、ただ単に面白い!、格好いい!それだけの印象でしかありませんでした
それが、タランティーノ監督版のジャンゴによって、自分もこのような深いテーマが奥底に沈んでいたことに気づくまでようやくたどり着くことができました
タランティーノ監督に尊敬と感謝です
マカロニウエスタンを観るなら、絶対に外せない作品です
Django, after the showers, the sun will be shining ザ・マカロニウエスタン
イタリアで作られた西部劇、いわゆるマカロニウエスタン(アメリカではスパゲッティーウエスタンと呼ばれる)の代表作のようです。うん、インパクト大でした。
冒頭のセリフからあれ?何を話しているかわからない?と思ったらイタリア語でした。ウエスタンと名乗ってたから一応英語で話が進んでいくかと思いきや、あまりそういった所は気にしないんですね。アメリカ公開時は字幕?吹き替え??きっと日本で中国歴史物の「キングダム」やったノリなのでしょう。
オープニングの棺桶引いて歩いてるジャンゴの姿からしてインパクトあります。何かカッコいい。ジャンゴさん、イケメンです。でも、あの棺桶中身には笑ってしまいましたが。あれはズルいよなぁ。耳削ぎからの背中撃ちとか、ジャンゴがボコボコにされて手がぐちゃぐちゃになったりとか、そこからの最後の対決とか・・・これは当時観てたらメチャクチャ印象に残ったのではないでしょうか?
言うまでもなくクエンティン・タランティーノ監督の大好物ですね。アメリカに攻めこんだイタリア産西部劇。一時代を築いたのも納得の作品でした。
余談ですが、金はメチャクチャ密度が大きくて重いので、1リットルのペットボトルサイズで約20キロらしいです。あれだけの金を軽々と運んでたジャンゴさんメッチャ力持ち‼️
主人公が全然スマートじゃなくて面白かった。
・主人公のセリフがお前らはメダカの集まりか?とかキザで恰好をつけまくっているのに、機関銃の入った棺桶を引いてたり、盗んできた金を棺桶を詰めるために気づかれないように運ぶ姿とかが全然スマートじゃなくてとても大変そうで面白かった。
・アメリカ軍?がわかりやすくするためだと思うけど、赤いスカーフで統一している姿が何だか間抜けに見えた。顔から被ってる奴とか見えてんのか?と。
・最初、鞭で打たれたりしてたマリアは一体どういう立ち位置だったのかがよくわからなかった。
・機関銃を隠してたのが面白かった。
・突っ込むことではないと思うけど、舞台がアメリカでイタリア語でも構わないんだけども、発音の癖が凄い時があるせいか違和感があった。
・売春宿としている所が物凄く間取りが広くて何故こんな町にこんな立派な建物があるんだろうと思った。
・金を持ち逃げしてすぐ底なし沼に落としたのを急いで取りに行くもダメで追ってきていたメキシコ人にロープで拾い上げられて泥棒にはこうだ!っていう処刑が手を砕くっていう恐ろしい罰を与えられる所に驚いた。そこまで追い込んだらもうどうしようもないじゃないかと思った。(手を粉砕したメキシコ人が地獄で会おうぜ!っていうセリフが何か印象に残った。)その後、すぐにアメリカ軍?に全員射殺されたけどバレバレの隠れ方が面白かった。(でも誰も気づいてなかった。)その後のアメリカ軍の少佐が主人公を追い込んだ際に、5人くらいいてどうやって倒すのかなぁって思ったら結構離れたところで手が使えない中、リボルバーを連射して倒したのが無理あるなぁって思いつつも妙な説得力を画面から感じて、あの主人公ならできるか。と思わせられたのが良かった。
・機関銃を買える状況で何故、政府が持ってないのかが若干不思議だった。
・90分の映画とは思えないボリュームで見ごたえがあった。
ジャンゴ・ジャンゴ・ジャンゴ♪
冒頭からガンガン流れるジャンゴの主題歌に、いきなりシビれました。主人公のジャンゴが棺桶に隠した重機関銃をバリバリ撃ちまくり、40人もの悪党どもをあっと言う間になぎ倒すのは、マカロニウェスタン史に残る名シーン。大量虐殺や拷問シーンから娼婦の泥レス?まで、文字通り泥くさいながらも、あれこれ見せ場がてんこ盛りで楽しめました。ラストの墓場でのガンファイトも一工夫あり、こう言うトリッキーなところが、マカロニウェスタンの魅力ですね。
感無量!
まさか、このマカロニ・ウェスタンのもう一つの最高峰が劇場で見られるとは、夢にも思わなかった。これも巡り合わせか…何も言うことはない。評価は既に世間では出尽くしており、付け加えることはない。素晴らしい作品だ。コルブッチ監督と若き日のフランコ・ネロに鳴り終わらない拍手を送りたい。
昭和からの映画ファンにはたまらない傑作ウエスタン
メキシコの独立運動家、ウーゴ将軍と南軍のジャクソン少佐が睨み合うメキシコ国境。バーテンダーと娼婦しかいないゴーストタウンの酒場に現れたのは町外れで拷問されていた娼婦マリア、そして彼女を救ったジャンゴだった。
平日のお昼時にこんな作品を観に来る、職場で干されてるか無職かの二択と思しき穀潰しのシニア世代、その中でも私は一番下っ端ですね、冒頭でジャンゴに瞬殺されるレベルの。
棺桶を引きずりながら荒野を歩くジャンゴの後ろ姿、そしてその勇姿にかぶさる主題歌。ここで全身総毛立ちますが、これは昭和の幼少期から映画を追いかけてきた人間だけのノスタルジー。60年代当時のもっさりとしたテンポ、妙にオレンジがかった血糊、男臭くてクドい台詞、オーソドックスでベタな展開・・・何の予備体験もなくこれを観た人は全然違う感想を持つだろうなと思います。
僕らの幼少期はウエスタンをテレビで観るのは日常風景。CMにもチャールズ・ブロンソンやジュリアーノ・ジェンマが出てました。ボンヤリですけど当時の僕らにしてみたら大人イコール腰にホルスターぶら下げた西部の男達みたいなイメージがありました。フランコ・ネロの精悍な顔、男が憧れる理想の男がここにいる、それだけで感無量です。
これは僕ら世代の違和感だと思いますが、僕らの記憶にあるウエスタンは全部日本語吹替版なので、メキシコの国境で全員がイタリア語を話している風景は何気に新鮮でした。あと個人的に感慨深かったのがゴーストタウンの泥濘み。昭和のは原風景にはこんな感じの不衛生極まりない泥濘みがあちこちに横たわっていたから当時は何の違和感もなかったんですが、そんなものがほぼ消え失せた今それを見ると足裏にまとわりつくあのネチャッとした感触がゾワッと蘇ってきてなかなか奇妙でした。
こんなもん言うまでもないですが、本作が後の映画に与えた影響は計り知れなくて本作を観ながら色んな作品が脳裏を過ぎりました。そんな中で意外だなと思ったのはクライヴ・オーウェン主演の『シューテム・アップ』。もう10年以上前の現代劇ですが凄腕のガンマンが娼婦と逃げるというプロットはウエスタンそのもの。かなりトリッキーな手口で本作へのオマージュをブチまけていることを今更知りました。
終幕後客電が点くまでの間にふと思ったのは、自分にとっての昭和の原風景は父の傍で観ていた映画の世界と地続きだということ。こういう懐かしい映画をスクリーンで観るのはその原風景を追体験し、喪われた記憶を補完する儀式なんだと思いました。そんなに残っていない人生、こんなことにも時間を割いていきたいなと思います。
これが西部劇か!
マカロニ(スパゲッティ?)ウェスタンどころか、西部劇にそもそも関心なかったのですが、面白かったです。アメリカ人役もメキシコ人役もイタリア語しゃべっているのが不思議だけれどすごく面白かった!それ目当てで見た映画ではありますが。デジタルリマスター版で映像(カラー)も音も素晴らしくきれいでした。テーマ曲は、まさにイタリアのカンツォーネ!
棺桶をズルズル引っ張ってる姿がなんだか変で笑ってしまったけれど、決して負けない、群れない、クールで、反骨精神の塊のジャンゴはかっこいいです。最後の墓場の場面で彼が待ち構えている場所は、メルセデスという墓標の墓で、これはジャンゴがかつて愛した唯一の女性の墓なんだろうと思った。棺桶を引きずりながら、ジャンゴはメルセデスを決して忘れないんだろう。でもまた、マリアという、ジャンゴを信じ助ける女性に出会えてよかった。
映画館ロビーに、シネマート美術部作成の棺桶が飾ってあって、また笑ってしまった。手がグチャグチャになってしまう主人公の名前がジャンゴなのは、手が不自由ながらジャズの世界で知らない人はいないあのギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトに因んでいることも知りました。タランティーノが好きなの、なんだかわかる気がしました。当時の時代を切り取ろうとしているし、泥まみれだし、耳を切り取るし、悪い奴は悪いのだ!とするし。かっこいい。
"スパゲッティ・ウェスタン"
渋くてクールで無敵なジャンゴ。の筈が、中盤以降からイメージを覆す行動、姿にマヌケ過ぎて。
袋まんま棺桶に入れりゃ良いもんが、一回中身を出すから面倒な作業に、コソコソと金を独り占めする為に棺桶を引き摺る行動が焦ったく、邪魔そうにしか見えない!?
結果、棺桶もろとも大失態を侵し、ラストの拳銃を何度も定位置に、、、そんな滑稽な姿に最初の格好良さが次第に薄れ。
オープニングから流れるあの曲、知ったのはタランティーノ、やはりテンション上がるしスクリーンに映える赤字のロール?など、全体的な格好良さが逸品。
日本の漫画なんかを思い起こす世界観があるようにも?特に"北斗の拳"は"マッドマックス"より、本作からの影響が大!?
元祖マカロニ、S・コルブッチ!!デカいスクリーンで観れた喜び、最高でした。
劇場のスクリーンで観ることで、新たなる感動が....
TVでの初放映時以降、何度となく再見してきた今作だったのに、今回シネマートのスクリーンで鑑賞する機会に恵まれ、改めて劇場の画面で見てこその作品である事を思い知らされた。
「愛を無くした男が、再び愛する心を取り戻すまで」を描いたストーリーである事が、良く実感できる。
最後に、かつての恋人であった「メルセデス・ザロ」の墓碑に於いて過去と決別すべく、敵と決着をつけたのち、去り際にひとたび、主題歌に送られながら、墓碑を振り返るシーンが、より印象深く感じられた。
この作品は、昨今如何に大型化してきたとは言っても、TVの画面に収まり切るようなレベルに無いえ“映画”であるという事を思い知らされた気がする。
また特に今回の上映では、新たに2018年にレストアされたバージョンである事が冒頭に記されていて、これまでの素材とは別物だということが伺え、実際に鑑賞してみても、カラーの色調や音響のバランスが著しく改善されていて素晴らしく、手持の各種国内DVDやBD、正続セットのアメリカ盤DVDなどと比較して、完全に別モノの次元であると実感させられた。
あと、人手不足解消に一役買ってる“赤頭巾”のもたらす効果は不気味さも醸して、一人何役もこなせるだけに止まらないアイディアが生かされて、それがのちの仮面ライダー以降の戦闘員的なものへと受け継がれてるのが面白い。
また、レンコン機関砲で弾丸を振り続けての“大虐殺”は(砦での使用もあり)、のちの「ワイルド・バンチ」への影響なんかも想像でき、また面白く思う。
今でも、幼少期に初見した際、「なんで棺桶なんか引きずってきたのか?、死体が入ってるんだろうか??」と事前になのも知らずに観て、まさにアッと驚いたあの時のことが、昨日のことのようにアタマに焼き付いてしまってる今作です。
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